売れない3人組アイドルグループ「となりの☆SiSTERs」のセンターの青山柚莉愛が、宣伝のために行っているネット動画配信の際に、マネージャーの指示により血を吐いて倒れたと見える演技をしたことから、ファンとアンチのツイートが錯綜し、翌日の配信で柚莉愛がドッキリの演技だったと明かして新曲のCDの発売を発表したため、炎上に至るという設定のミステリー。第61回メフィスト賞受賞作。
手の届くところにいるアイドルとして、CD等の購入により握手券等を配布してお話や握手等の接触ができることを売りに、売名と利益確保を図るアイドル商法の下で、アイドル間、アイドルとファン、アンチの間の愛憎、思い上がり、錯覚等が描かれています。ファンの側の勘違い、思い上がりの見苦しさが目につきますが、その錯覚をさせることで、そういう人たちをターゲットに商売をしている者の存在を考えると、そう簡単な話でもないように思えます。
比較的シンプルな構造のミステリーなので、どんでん返し部分を書いてしまうのはよろしくないと思います。しかし、ミステリーとしては、ちょっと反則気味に見えますし、ラストは今ひとつスッキリしない感が残ります。
真下みこと 講談社 2020年2月10日発行
手の届くところにいるアイドルとして、CD等の購入により握手券等を配布してお話や握手等の接触ができることを売りに、売名と利益確保を図るアイドル商法の下で、アイドル間、アイドルとファン、アンチの間の愛憎、思い上がり、錯覚等が描かれています。ファンの側の勘違い、思い上がりの見苦しさが目につきますが、その錯覚をさせることで、そういう人たちをターゲットに商売をしている者の存在を考えると、そう簡単な話でもないように思えます。
比較的シンプルな構造のミステリーなので、どんでん返し部分を書いてしまうのはよろしくないと思います。しかし、ミステリーとしては、ちょっと反則気味に見えますし、ラストは今ひとつスッキリしない感が残ります。
真下みこと 講談社 2020年2月10日発行