適者生存・自然淘汰されるはずなのに、なぜ個体の生存に不利なはずの遺伝子を持つ者が生き残っているか(著者の問題提起では、なぜ自分のように「足の遅い」遺伝子がこの世にあるのか)を、論じた本。
仮説としてですが、弱い存在である故に集団で助け合ったホモ・サピエンスがより強者のネアンデルタール人よりも生き延びた、障害者や老人がいる集団が知恵を集めて生き延びた、障害者が一定割合いることにはきっと意味があるはずという主張には、論として魅力を感じます。
ただ、本としては、著者が植物学者にしては、自然科学的な知識なり研究成果の記述に乏しく、哲学者の本かと思いますし、同じことの繰り返しがあまりにも多い。いつしか繰り返しのリズムで読ませる「童話」かもと思ってしまうほど。そして、今どきの本はつかみが命のはずですが、最初の方の書きぶりのスネ方あるいは開き直り方が、かなり印象が悪く、スルスル読める(ビジネス書っぽい内容の薄さということですが)にもかかわらず初期に投げたくなりました。
稲垣栄洋 朝日新書 2024年11月30日発行
仮説としてですが、弱い存在である故に集団で助け合ったホモ・サピエンスがより強者のネアンデルタール人よりも生き延びた、障害者や老人がいる集団が知恵を集めて生き延びた、障害者が一定割合いることにはきっと意味があるはずという主張には、論として魅力を感じます。
ただ、本としては、著者が植物学者にしては、自然科学的な知識なり研究成果の記述に乏しく、哲学者の本かと思いますし、同じことの繰り返しがあまりにも多い。いつしか繰り返しのリズムで読ませる「童話」かもと思ってしまうほど。そして、今どきの本はつかみが命のはずですが、最初の方の書きぶりのスネ方あるいは開き直り方が、かなり印象が悪く、スルスル読める(ビジネス書っぽい内容の薄さということですが)にもかかわらず初期に投げたくなりました。
稲垣栄洋 朝日新書 2024年11月30日発行