パリ暮らしが長い(近年は日本在住だとか)女優岸惠子のエッセイ集。
最初の方は、小説「わりなき恋」とその次に書いた「愛のかたち」がどれほど苦労して書いたか、その割に思ったほど売れなかったという愚痴が書き連ねられています。その後、大怪我をした話や詐欺に遭いかけたとか泥棒の被害の話、装い(和服・洋服等)、言葉などの話題で経験や思いが語られています。
概ねそういう話で終わるのかと思っていたところ、終盤に、昔の国際結婚と離婚、長期の外国暮らしと近年の帰国に絡んで、離婚や娘の戸籍記載とビザ・入管の扱い、母の葬儀と住民票などに関して法律の不合理を述べる文章が続きます。法律、特に戸籍や入国管理などに関するものは、市民の立場ではなく国・行政が管理しやすいこと、役所の都合が優先される度合いが強く、とりわけ著者のように外国暮らしが長いと日本の役所の姿勢・取扱の頑なさ・異常性が目に付くものと思います。ふだん忘れがちではありますが、そういったことは気にとめておきたいところです。
岸惠子 幻冬舎文庫 2022年5月15日発行(単行本は2019年5月)
最初の方は、小説「わりなき恋」とその次に書いた「愛のかたち」がどれほど苦労して書いたか、その割に思ったほど売れなかったという愚痴が書き連ねられています。その後、大怪我をした話や詐欺に遭いかけたとか泥棒の被害の話、装い(和服・洋服等)、言葉などの話題で経験や思いが語られています。
概ねそういう話で終わるのかと思っていたところ、終盤に、昔の国際結婚と離婚、長期の外国暮らしと近年の帰国に絡んで、離婚や娘の戸籍記載とビザ・入管の扱い、母の葬儀と住民票などに関して法律の不合理を述べる文章が続きます。法律、特に戸籍や入国管理などに関するものは、市民の立場ではなく国・行政が管理しやすいこと、役所の都合が優先される度合いが強く、とりわけ著者のように外国暮らしが長いと日本の役所の姿勢・取扱の頑なさ・異常性が目に付くものと思います。ふだん忘れがちではありますが、そういったことは気にとめておきたいところです。
岸惠子 幻冬舎文庫 2022年5月15日発行(単行本は2019年5月)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます