なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ174

2018年09月02日 05時14分07秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

9月2日、日曜日です。

9月に入りました。
8月は、暑さと豪雨で大変な夏となりました。
異常気象も毎年起これば異常とは呼べません。
気候変動が進行し、熱帯雨林のようなスコールが起こる国になってしまったようです。
一旦集中豪雨に見舞われると、急峻な斜面の多いこの国では、土砂崩れ河川の氾濫が付き物のように襲ってきます。
その原因が地球温暖化にあり、その要因が人間が排出する二酸化炭素だということはもう疑いようのないことですから、人間社会の生活スタイルとエネルギー変革をすぐにでも始めないと、益々災害規模は大きくなるのだろう思われます。

さて、先週1週間で上映会が2回ありました。
その一つは最上町で8月26日、私も監事で関わっているNPO法人やまなみ主催のアニメ映画『この世界の片隅で』でした。
戦時中の広島・呉を舞台に、1人の平凡な女性が生きた普通の生活を描きます。
しかし、戦争は、平凡な普通の女性が当たり前に生きることすら許してくれませんでした。
やわらかいアニメの絵が、淡々とさりげなく激化していく戦争の下で暮らす人々を描いていきます。
やわらかいだけにかえって悲しみが深く染みるようでした。
軍港呉は米軍機による爆撃の標的となり、そして広島に原爆が投下されます。
そんな最も激しかった空の下でも人々は懸命に生きていました。ただ普通に生活したいという願いだけで。
ストーリーの中に二人の女の子が登場します。
1人は義姉の娘はるみ。
主人公すずと手をつないで歩いている時空襲に遭います。
時限式の爆弾が爆発し、つないでいたすずの右手ごとはるみは消えてしまいます。
もう一人は、原爆投下後の広島で、亡くなった母親の傍で蠅と蛆を追い払っていた娘。
すずが転がした海苔巻きを拾い食べようとしますが、見つかって返そうとします。
不憫に思いすずは娘を呉に連れて帰ります。
この二人の娘の人生が胸に突き刺さりました。
『火垂るの墓』の節子同様、生涯心に残る存在となるでしょう。

もう一つの映画は、昨日河北町でありました。
河北町環境を考える会主催の『おだやかな革命』の上映会です。
監督は、鶴岡市出身在住で『よみがえりのレシピ』を手がけられた渡辺智史監督。
今、日本の地方で始まっている民間による静かなエネルギー革命にライトを当てます。
それは持続可能なエネルギーの形であり、本当の豊かさとは何かを問いかけるものでもあります。
拳を突き上げて声高に主義主張を叫ぶ革命ではなく、自らの生き方と生活を足下から見つめ、そこにある資源に気づいていく。
それを自らやってみることで、その可能性が周囲に広がり人々を巻き込んでいく。
そんなおだやかだけどしっかりとした「革命」が今始まっていることを伝えるドキュメンタリー映画です。
昨日は上映前に監督によるトークがあり、作品に込めた思いを語っていただきました。
今後益々中央集中が進み過疎化が激化する地方。
しかし、地方にこそある資源を発見し活用することで、地方に生きる意味と豊かさを見つけることができる、とこの作品は呼びかけています。

どちらの作品もやわらかでおだやかな作品です。
しかしそれは、強いことでもあります。
おだやかでやわらかい強さこそが、国を静かに着実に動かす力だと望みます。
気候も同じく、おだやかでやわらかくあってほしいと願います。


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。