「万太郎の一句 365日入門シリーズ」(小澤實、ふらんす堂)及び、「久保田万太郎句集 こでまり抄」(成瀬櫻桃子編、ふらんす堂)より、私の心に残った38句。
・冴ゆる夜のこころの底にふるるもの
・われとわがつぶやきさむき二月かな
・あたたかやさしかはしたる木々の枝
・落椿夜めにもしろきあはれかな
・うららかにきのふはとほきむかしかな
・春の灯のまたたき合ひてつきしかな
・小でまりの花に風いで来りけり
・神田川祭りの中をながれけり
・短夜のあけゆく水の匂かな
・梅雨ふかし猪口にうきたる泡一つ
・手摺まで闇の来てゐるひとりむし
・さめにけり汗にまみれしひるねより
・持ち古りし夫婦の箸や冷奴
・がてんゆく暑さとなりぬきうりもみ
・秋立つやてぬぐひかけの手拭に
・何もかもあつけらかんと西日中
・ながれゆくものの卂さや秋出水
・露の道また二またにわかれけり
・さざなみをたたみて水の澄みにけり
・死ぬものも生きのこるものも秋の風
・秋風や水に落ちたる空の色
・灯のともるまでのくらさや秋の暮
・冬の灯のいきなりつきしあかるさよ
・古暦水はくらきを流れけり
・鮟鱇もわが身の業も煮ゆるかな
・湯豆腐やいのちのはてのうすあかり
・ゆく年や草の底ゆく水の音
・水鳥や夕日きえゆく風の中
・帯解きてつかれいでたる螢かな
・寒の月しきりに雲をくぐりけり
・鳴く蟲のただしく置ける間なりけり
・人のうへやがてわがうへ螢とぶ
・あさがほを蒔く日神より賜ひし日
・道づれの一人はぐれしとんぼかな
・風鈴のつひにかなしき音をつたへ
・ひとごゑを風ふきちぎる焚火かな
・囀りに木洩日に刻うつりけり
・水打つや一うちづつの土ほこり
久保田万太郎俳句では人の死を悼む句が心惹かれる。身内・友人いろいろあるがどれも惹かれる。
またいわゆる写生句とは違う俳句も多数ある。私の上げた句にもそのような句がたくさん入っている。
どの俳句もわかりやすく、なめらかだ。真似をしたくなるような俳句というのがいい俳句の条件かもしれない。
・冴ゆる夜のこころの底にふるるもの
・われとわがつぶやきさむき二月かな
・あたたかやさしかはしたる木々の枝
・落椿夜めにもしろきあはれかな
・うららかにきのふはとほきむかしかな
・春の灯のまたたき合ひてつきしかな
・小でまりの花に風いで来りけり
・神田川祭りの中をながれけり
・短夜のあけゆく水の匂かな
・梅雨ふかし猪口にうきたる泡一つ
・手摺まで闇の来てゐるひとりむし
・さめにけり汗にまみれしひるねより
・持ち古りし夫婦の箸や冷奴
・がてんゆく暑さとなりぬきうりもみ
・秋立つやてぬぐひかけの手拭に
・何もかもあつけらかんと西日中
・ながれゆくものの卂さや秋出水
・露の道また二またにわかれけり
・さざなみをたたみて水の澄みにけり
・死ぬものも生きのこるものも秋の風
・秋風や水に落ちたる空の色
・灯のともるまでのくらさや秋の暮
・冬の灯のいきなりつきしあかるさよ
・古暦水はくらきを流れけり
・鮟鱇もわが身の業も煮ゆるかな
・湯豆腐やいのちのはてのうすあかり
・ゆく年や草の底ゆく水の音
・水鳥や夕日きえゆく風の中
・帯解きてつかれいでたる螢かな
・寒の月しきりに雲をくぐりけり
・鳴く蟲のただしく置ける間なりけり
・人のうへやがてわがうへ螢とぶ
・あさがほを蒔く日神より賜ひし日
・道づれの一人はぐれしとんぼかな
・風鈴のつひにかなしき音をつたへ
・ひとごゑを風ふきちぎる焚火かな
・囀りに木洩日に刻うつりけり
・水打つや一うちづつの土ほこり
久保田万太郎俳句では人の死を悼む句が心惹かれる。身内・友人いろいろあるがどれも惹かれる。
またいわゆる写生句とは違う俳句も多数ある。私の上げた句にもそのような句がたくさん入っている。
どの俳句もわかりやすく、なめらかだ。真似をしたくなるような俳句というのがいい俳句の条件かもしれない。