先ほど突然ごく近くの距離で雷が鳴って、雨が降り始めた。大雨洪水警報、雷注意報が発令され、横浜市から豪雨情報がメールで来た。雷があまりに近いので用心のためパソコンの電源を落としてコンセントも遮断した。
ようやく雨も小降りになり、雷鳴も遠くなったので再びパソコンを立ち上げてみた。しかし雷鳴が空に反射して長く鳴り響いている。
この間にテレビで「美の巨人たち」でヴァロットンを取り上げていたので見ていた。三菱一号館美術館でのヴァロットン展のチラシでも取り上げられた「ボール」という作品の解釈についてアプローチを試みていた。土がむき出しのところで黒い雲のように影を後ろにして赤いボールを追いかける少女と、草地の向こうの大人の女二人の世界。これを大人の世界と子供の世界、あるいはヴァロットンの結婚前の画家仲間との世界と、ブルジョアの階層の女性との結婚後の世界との落差に対する画家の戸惑いを描いている、というような解釈をほのめかせて番組は終わっている。
この解釈が妥当かどうか、結論はつけていない。また赤いボールが危険の象徴のような示唆があったが、これは説明が私には尻切れトンボのようではっきりしなかった。私の聞き方が悪かったのだろうか。
支店の違う二枚の写真の構図の合成によって、何とも不思議で、不気味な世界というヴァロットン展での説明はどうも得心がいかなかった。今回のテレビでの解説も参考にしながらこれからまたこだわって考えてみたい。
本日の講座の時に教えてもらったが、少女の後ろの雲のような影が津波のように迫っているという恐怖感、これは私は気が付かなかった。この影のようなものは、少女の上を覆っている樹木の影とばかり思っていた。樹木と影の方向が、少女とその影とは反対であることの不思議な感じばかりに目を奪われていた。そういわれて再度樹木をみると少女の上の大きな枝のような緑も不気味である。画面から浮き出た生き物のようにも見える。
この絵の解釈には悩まされそうである。