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Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

明日の朝まで雨

2018年06月20日 22時18分13秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 午後いったん雨が上がったもののすぐに再び降り出した。明日の朝まで雨は続くらしい。

 午後から組合の会館にて、写真展示の準備。額には入れないで、印画紙を厚紙に貼り付ける方法をとった。B2程度の大きさの紙にA4を3枚一組で貼り付ける。それが3組。結局厚紙が1枚足りなくて、完成は来週にずれ込んだ。
 夜は展示作品一覧表(A4二つ折り)の作成。一部情報未集約のため80%程度で本日は終了。明日最終確認で出来上がる。これも印刷は来週に持ち越し。

 明日は午後から関内で会議、そのあと打合せ。夜は後援会で帰宅は遅くなる。

「月のヒント」(吉野弘)

2018年06月20日 12時25分39秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 月のヒント        吉野弘

二枚貝の貝柱を綺麗に剥がすには
片方の貝殻の縁(へり)で貝柱の根もとをこそぐのが一番
箸やフォークやナイフでは
なぜか、綺麗に剥がすことができない
(略)
貝柱が貝殻で綺麗に剥がされるのは
貝柱が貝自身の言葉に応答するからだ
木や金属でうまく剥がすことができないのは
木や金属の言葉に貝が応答できないからだ

人間も、人間の言葉に応答できるが
人間を超えるものの言葉には、うまく応答できない
(略)
言葉が少しの生涯にも出会わずあるものに届く
同質の世界があるのだ
(略)
人間が、人間の至らなさを恥じ
人間を超えるものの言葉にたえず耳を傾け
しかし、なぜかその言葉に充分に応答できないまま
永い永い年月を経てきたのも
考えてみれば、理由のあること

貝柱が納得するのは
他でもない、貝自身の言葉によってなのだ
生きている間だけではない
死んだあとでさえも--

人間が無数の異質に囲まれ
それらの言葉を古くから謙虚に気候としてきたことも
勿論、私は知っている
(略)
それら異質の言葉を、不完全にせよ常々聞くことで
人間の言葉の根が枯れないことも、知っている

それにもかかわらず
貝柱を綺麗に剥がす貝殻の
間然とするところのない言葉に憧憬するのはなぜか


 日本語だけでなく、人間というものが持つ言語が人間のコミュニケーションを無限に深くし、さらに一個の人間の思考を無窮に拡げてきた。それは生者と死者をも繋いできた。
 だが、それだけではない。人は、異質なもの、生物や無生物、無機質なものからも言葉という触手を感じ取る。この言葉を聴こうとする。そして自己の思考をまたさらに拡げる。
 人は人間同士のコミュニケーションに疲れると、異質な言葉に耳を傾けて、そして再生をしようとする。何とも不思議で、器用で、たくましい生物なのであろうか。その割には私の思考は弱々しく、不器用である。

上限の半月

2018年06月20日 10時28分01秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 南西から北東に雨の区域が異動している。かなりの速さである。地上は南南東の風で5メートルの標示。雨の区域の移動方向と地上の風の向きが合わない。
 レインアイよこはまの画面を見ると西から時間雨量30ミリの強い雨の区域が押し寄せてきている。
 本日は、組合の会館に出向いて土・日の展示の下準備をするつもりでいた。予想以上に強い雨なので明日にするか悩んでいる。明日も雨の予報だが降水確率は10%まで低下する。

 昨晩見た月は今夜は上限の半月となって深夜の0時過ぎに没する。予報では雨、難しいと思われる。駄目となるとそのものに無性に惹かれる場合がある。そのものと会話ならざる会話をしたくなるのである。月は何も言葉を発しないが、月を前にボーっと立っていると何かの会話をしたように感ずることがある。

 ふとこんな文章が目に留まった。

異質の言葉を、不完全にせよ常々聞くことで
人間の言葉の根がかれないことも、知っている

         (吉野弘、「月のヒント」から)