昼直後に上田秋成の雨月物語の最初の1編「白峰」を岩波文庫の最新版で読み終わった。解説には「崇徳院をシテ、西行をワキとする能のような劇的構成は謡曲の「松山天狗」に示唆された可能性‥。」とある。残念ながら私の持つ新潮社の日本古典集成の「謡曲集」全3巻にはこの謡曲は収録されていない。
また「王道と覇道、天意と人道の対立をはじめとする思想的課題を取り入れた」「西行の論には国学・儒学・仏教が混ざり合って、賀茂真淵、熊沢藩山の影響も見える」とあるように、崇徳院と西行の対決はとても劇的である。
高校生の頃はよく理解できなくて、1回読み飛ばしてそのまま放置していたが、この歳までいつかは読みたいと心には残っていた書物である。ようやくじっくりと読むことが出来た。
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