Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

危機管理の基本がなっていない

2021年08月27日 22時24分56秒 | 思いつき・エッセイ・・・

 災害という事態に対処する心構えについては仕事柄いつも自問自答していた。いろいろな教訓はあるが、共通して言えることは、行政の立場としては、楽観的な予測に頼ってはいけないということ。悲観的な予測の上に、待機人員の割り当て、行動計画、指示、在庫確認、食事計画などを立てるべきだということである。そしてもう一つの大切なことは、無駄といわれようが、早い処置と決断である。避難してもらって、何事も起きなくとも、避難して被害が出るよりもずっと優れている。
 私は仕事がら、大雨や雪などの自然災害を相手に、道路・下水・公園管理が主な仕事であった。大雨注意報はこのまま解除されるかもしれない、ではなく、大雨警報になるかもしれない、ということで計画や心づもりが必要である。そうでないと、いざひどい状況になった時に対処できない。災害対応は、災害が発生してから対応を準備していては遅い。それは先輩からきつく言われ続けた。

 今回のコロナ禍、政府の、特に首相の対応はいつも「明るい見通し」に頼りすぎる傾向が続く。見通しが明るいという状況判断は口に出したり、それを実行してはいけないのである。少なくとも現状維持か精いっぱい、あるいは第〇波がすぐそこに来ているかもしれない、強力な変異株が表れるかもしれない、医療がひっ迫して耐えられないかもしれない、というところで対応をつねに考えるのが責任者の役割である。つねに手綱は強めに引いていなければいけない。それが災害対策の基本である。
 安倍前首相が、中国地方の大雨災害時に宴会を催すような愚行をして以来、そのような政府の後手後手の対応が、当たり前になっている。為政者として、行政のトップとしてもっとも適さない思考がまかり通っている。

 今度のアフガニスタン退避でも、米軍が8月いっぱいで撤退、と表明した時点で、大使館関係者を責任者にして、日本への帰国がスムーズに行くように、企業・NPOなどの関係者と家族と具体的な退避計画を立てていなければならないのである。しかし大使館員が先に帰国してしまうという自体が起きてしまっている。何のための大使館だったのか、外務省は厳しく責任が問われなければならない。
 多分米国もその点の抜かりがあったのでかなりあたふたしている。そんな場合でも韓国も含め、それなりの対応は出来ているようだが、報道を見る限り、日本が一番後手に回っている印象が強い。
 危機管理が出来ない日本という国、これからますます外交・内政が行き詰ると思う。「国を強くする」という保守政治家がもっとも「国を弱く」している、という背理に気が付いてほしい。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。