昨日までチャイコフスキーの交響曲第4番を聴いた。あと3曲あるチャイコフスキーの交響曲を続けて聴こうと思っていたが、ちょっと一服したい気分になった。大音量の曲は少し避けてみたくなった。
取り出してきたのは、シューベルトの「4つの即興曲(Op.90)」と同じ題名の「4つの即興曲(Op.142・遺作)」。静かにピアノの音に浸ることができる私の好きな曲集である。ピアノはラドゥ・ルプー。1982年6月。
ソナタ形式に縛られない、自由な即興曲がシューベルトに似つかわしい曲だったのかもしれない、と思いながら聴いている。ソナタ形式に近い曲もあるが、どこかでその形式を離れようとしている。
Op.90の第1曲は、いつもどこかで聴いたような錯覚におそわれる。どこか懐かしい曲である。静かで、忘れられない旋律であ。伴奏部が控えめで、単旋律に聴こえる部分が特にいい。変奏曲風。後半の左手の単調なリズムも印象的。
第4曲は一度聴いたら耳から離れない素早い分散和音のパッセージが印象的で軽やかな印象。良く演奏される。
Op.142の第3曲も親しみやすいメロディーで良く演奏される。弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」の第2楽章の主題の変奏曲形式。
第4曲も印象深い。ちょっと足を引きずるようなリズムが「ハンガリー風」ということらしい。
私にとっては癒しの曲集の一つである。