メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(2001.1~ part1)

2013-12-13 10:18:12 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はジョン・クリーズが覗いてる茶色のノートからご紹介
前回のノートとの間の2000年が抜けてるけど、ルーズリーフのほうかな?

  

photo1:ノートを開くと、丸い窓の部分の下はシリーウォークw
photo2:コートドールのチョコレートにハマって全種類制覇した。
photo3:この頃にすでにいろんな庭園巡りしてたんだな。

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『トイ・ストーリー2』(1999)
監督:ジョン・ラセター 声出演:ティム・アレン、トム・ハンクス ほか
子どもが成長して、捨てられてしまうオモチャの運命を考えさせられる。バズが大活躍。


『ターザン』(1999)
監督:ケヴィン・リマ、クリス・バック 声出演:トニー・ゴールドウィン、グレン・クローズ ほか
フィル・コリンズのテーマ曲フリップ付き。吹替えの金城武もナイスキャスティング。
かなりアクロバティックな動きにビックリ 手と手を合わせるシーンには感動。
森の描写も美しく奥行きがあってリアル。ヒロインもコケティッシュで楽しい。


『麦秋』(1951)

監督:小津安二郎 出演:原節子、笠智衆、杉村春子 ほか
久々ほっこりさせてもらった。特別、事件が起きたり、劇的なわけでもなく、どこかにある日常の家族の風景でいて、
笑って和んで、寂しいような、懐かしいような、感動の余韻が残る。
昭和初期の日本を知る材料としても貴重。間のとり方も小津流の演出。
笠智衆がいつもの父役だったらどうだったろうと考える。

富豪の次男の縁談がいたく気に入って、噂を聞いたりして、妻にもそれとなし打診するようすすめる期待を隠せないシーンが可笑しい。
「いつまでも家族そろっていたいが、そうもいくまい」
「私たちはいいほうだよ」「本当に幸せでした」
このセリフ、小津作品の随所に出てくるがこだわりだろうか?

「女が強くなって困る」
「今でやっと対等になれたのよ」
「結婚できないんじゃなくて、しないんです!」
なんて、まるで今の時代の女性と同じことを言ってるのに驚く。
ケーキが1ホール900円で「高ーい!」ていってる時代なのにw

銀座でタイピングやらやる秘書ならいいところのお嬢さまだよね。
「ペンディングしといて」なんて今のオフィスと変わりないし。

「40で結婚もしてないなんて信用できない。まだ子どもいるくらいのほうが安心」とは結構考えた上の決心じゃん。

「俺の欠点ばっか似て困る」「そんなもんだよ。難しいもんだ」
親だって悩みながら子どもを育てているんだな。この老夫婦みたく最後に幸せだったといえるのは理想的。
息子の1人が戦争に行って帰ってこないというくだりも影の部分を含んでいる。

子どもの自然な姿を撮ろうとした小津の苦心もうかがえる。
じいちゃんの耳の遠さをからかったり、電車のオモチャを友だちに自慢したくて
父の土産のパンを間違えて起こられて家出したり・・・それぞれの年代の人々が一緒に共感できるのが小津ドラマ。


『ビリー』
字幕なしだからイマイチ細かいところは分からなかったけど、細かい芸なんてないもろアメリカンコメディ。
どーしてコレをとったのか、アメリカ人は笑えるんだろーか?
タダのバカならまだ救われるのに、父が金持ちだからスネてるニセバカってのもなんかムカツク。


『Monty Python's Flying Circus 2』

これもまだ見ていないお初の第1シーズンのつづき。
前巻同様詳しいギャグは『大全』参照のこと。
プリンみたいな洋菓子ブラマンジェがウィンブルドン優勝のため、
イギリス人をスコットランド人に変身させちゃうSFものの長編。
有名なウィゾーチョコのスケッチ、インディアンが芝居好きだったり、
マフィアが綿密に時計を買う計画を立てて、駐車オーバーでリオへ「高飛びだっ!」(こーゆーの好き)、
なぜかテリーやチャップマンの熱烈ラブシーンも多くてビックリ!
長ーーーーーーーい名を早口で言うメンバーの多芸にもビックリ!
"you're not fun anymore"を連発。やっぱこーしてすべてのつなぎも含めて見れるのが何より嬉しい。
8巻の吹替えしかなかったのは実際の声で聴けるかな?


『出来ごころ』(1933)

監督:小津安二郎 出演:坂本武、伏見信子、大日方伝、飯田蝶子、突貫小僧、谷麗光 ほか
「I.V.Cクラシック・フィルム・コレクション 映画生誕100年記念特別企画」
『世界クラシック名画100撰集 1895年~第1期黄金期時代』
総監修:淀川長治 「松田春翠追悼特別企画 小津安二郎の世界」
活弁:松田春翠

昭和8年といったら父が生まれた年。“モダーン”さを知りはじめた戦後日本の貴重な記録でもあって興味深い。
浅草の江戸っ子の父一人子一人ってゆう人情もの。
当時の庶民の日常生活と、シンプルながら変わらない親子愛のテーマが共感を呼んで涙と笑いを誘う。

「手の指はなぜ5本ある」「4本なら手袋が1本余るから」
「海の水はなぜ塩辛い」「サケがいるから」

ナンセンギャグなんだけど学のない父が「うまいことできてやがる!」と納得するくだりもほのぼのしててイイ。
低賃金で、人々の暮らしは苦しく、ノミがいたりする悪環境でも、力強く生きて助け合ってゆく人間関係があった頃。
活弁の軽妙な喋りでトーキーと変わらない感動。


『ネプチューンコント2000』
2000年7月にやった毎年恒例になったお笑いライヴ。ビデオもシリーズ化しつつある。
自分らの番組もあって超過密スケジュールの中、新ネタを作って練習するのは大変。
セリフとちったりして、毎年のパターンも見えてきたけど安定した笑い?と意外性がまざってドラマの演技も上達した?
(ギャグ省略)
ほんとネプの眼のつけどころって親近感ある。“顔ダニ”とかCMネタとかw
♪日本人は胃腸が弱い も最初に入ってる。


『SNOW WHITE』(1937)
監督:デイヴィッド・ハンド 声出演:アドリアナ・カセロッティ ほか
友だちから借りてたディズニービデオのラスト。ディズニー最初のカラーアニメだっけ?
とは思えない美しさと、たくさんの動物の複雑な動き、お姫さまの柔らかいなめらかな仕草。
♪ハイホーハイホー仕事が好き~(口笛)の歌も全部聴けたし、歴史に残る1作だね。

継母が自分より美しい継子を殺させる、本当にグリム童話ってよく考えると残酷でドロドロな話。
で友だちの言う通り、ラストは雷で成敗される。

白馬の王子様は姫の歌声に惹かれてひと目惚れ。
ファーストキスで眠りから覚めるっていうロマンス部分はいたってシンプルながら
女の子には強烈な刷り込みがされるんだよね。

7人の小人は森の精霊なのかな。怒りんぼ、sleepy、sneeze、恥ずかしがり屋、happy、
口のきけない子、博士くん、パイが作れるってだけで大喜びしちゃうところなんて
男性が女性に抱く気持ちの原点かも


『ジョー・ブラックをよろしく』(1998)

監督:マーティン・ブレスト、アラン・スミシー 出演:ブラッド・ピット ほか
ここまでイイ人も珍しいけど、ここまで自分の死を快く迎えられた人も幸運だ。

“恋愛は情熱だ、そして人生を生きる意味だ”

何も悔いなくその日を迎えられたら本望。喜びも悲しみもあってこその人生なんだな。
実は友だちと観る観ないでいつも話に出てた1本。
こんな感動作なら早く観ときゃよかったかな。今観たってことにも意味があるのかも。

「なにかあの世へ持ってゆくいい思い出があれば幸運」
「愛とは思いやり、支え合い、何より相手を傷つけないこと、永遠に」と定義。

「お互いのことを知らないわ」「時間はたっぷりあるさ」
「この先どうなるの?」「時に任せよう」

『アメリカン・ゴシック』ほかイイ人役のイメージが強い彼が悪役を一生懸命やってるかんじ。
死は何千年、何万年?もこの世の歴史、人間模様を見てきただろうに、
人間生活に興味をもつってコメディだし、女性と初体験を楽しむってシーンも可笑しい
悪魔や死神と違ってすべてを悟ったイイ奴なのかも?

Hみたく最後に世話になった人、愛する人に感謝して
「あっという間だったけど、悔いはない。皆に同じ幸運を与えたい」なんて言える人生を歩みたい。
パーティでかかる♪What a wonderful world や、ラストのレゲエ調の♪Over the rainbow ほか音楽の演出もイイ


『東京暮色』(1957)

監督・脚本:小津安二郎 出演:有馬稲子、原節子、山田五十鈴、笠智衆、杉村春子、浦辺粂子 ほか
小津作品には珍しいシリアスでミステリーを含んだ薄暗い人間ドラマ。
でも都会だけじゃなく、どこかでこういう現実がよく起こっているんだろうな。

中絶に3000円!(今の30万円くらいか?!)
麻酔で2~3時間、あと家で安静にしてるだけなんて、随分簡単。怪しい治療してたんだろうなあ

いつもおっとりした裕福な家の父と娘の設定は変わらない。その父娘関係にこだわる理由は何だろう?
飲み屋も雀荘も安いアパートも、いろんな人が関わっている下町の人情も感じられると同時に、
血のつながった親子でも頼れない個々の深刻な悩みを抱えてあてなくさまよう孤独も描かれる。

コメント

notes and movies(2001.1~ part2)

2013-12-13 10:18:11 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『Monty Python's Flying Circus 3』

1st シリーズラストの3回分。これがMPの産声だったのか。
ベスト版に入ってるスケッチもちらほら。好きなのは高低、早口しか聞き取れない警官のスケッチw
ライヴでやってた「あほうどり売り」もちゃんとオリジナルが放映されてたわけだ。
「Undertaker(葬儀屋)」も大活躍。

こうして大全を読んでから復習するとイギリス人の性格や日常生活、歴史、笑いのツボが学べる(他のことを学べって?
幻聴でフォークソングが聴こえる男の腹の中に“スクオッターズ”(他人の家を占拠して住んでしまう人)がいたってゆーのも笑える。

キャロル・クリーブランドもまるでMPのメンバとして毎回出演してたのね。
かなりセクシーバディを駆使してコメディ演技もガンバってる。
各スケッチのリンク以外にもちょっとした言葉(“ノトロブ”←ボルトンの逆さ言葉で前出)や
キャラが回を通じて顔を出すのもシリーズならでは。隠れキャラ探しも面白い。


『早春』(1956)

監督・脚本:小津安二郎 出演:淡島千景、池部良、岸惠子、笠智衆、浦辺粂子 ほか
ちょうど親が若かりし頃、サラリーマンってそんなしがない職業だったのか
ここまで悲観しなくても・・・当時の東京駅と丸の内の会社員の生活がうかがえる。

自営業になった者は「定時働けば定給、ボーナスの安定した暮らし、ゆくゆくは重役さん」
サラリーマンは「腕に職あればどこでも通用する。我々はクビになったら路頭に迷う。
満員電車に乗らないだけマシ」と互いに相手をうらやましがる。
中年夫婦の倦怠期をじっくり描いた長編。若々しい岸恵子がハツラツ。

仲人の「いろんなことを経て夫婦になっていく」って言葉も残る。
はじめから不安のない人なんていないんだ。
でも、やっぱ体だけの関係をもって妻を傷つけ、愛人も捨てちゃう男の気持ちって分からない。

サラリーマンでも生活は厳しかったのね。しかも当時から通勤ラッシュだなんてJRって進歩なし
当時でサラリーマン定年組もいたんだ。でも仕組みや愚痴が今と変わってないのが哀しすぎ。
国民の生活を楽にするはずの政治も大して変わってないとみえる。

「子どもなんて、できて初めて可愛く思えるもんなんだ」
「倒れて死んじゃうような子ならいらねえや」なんて軽薄すぎ/怒


『お茶漬の味』(1952)

監督・脚本:小津安二郎 出演:佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、津島恵子、淡島千景、三宅邦子 ほか
前回観た『麦秋』の同スタッフで撮られた同テーマ(中年夫婦の倦怠期)を描いた。
戦争の影も薄れ、サラリーマンの妻は安定して、家事の負担も減った分、より互いを意識し始めた時代。
“モダンさ”が今見ると面白い。パチンコや競輪、温泉旅行 etc、ほとんど今に近い。
笠智衆がいつもの品のいいサラリーマンでなく、戦友でパチンコ屋のおやじ役なのが面白いw

「結婚したくないのにムリしてさせても仕方ない。オレたちみたいな夫婦がもう1組増えるだけだ」

「普段は甲羅干ししてる亀みたいだけど、外ではウサギとかけっこもしてる。
 夫の一部分しか見てない。あんないい旦那はいない。
 彼も“一緒になって、こんな幸せに思ったのは初めてだ”って言うの」
「そうだよ、男は背広の良し悪しじゃない。頼りになるかどうかだ」

「見合いもいい。オレなら顔だけ見てみるな。それでよかったら好きになる。
 愛情なんて後からだってつくもんさ。大きな神さまにとっちゃどっちだって同じなんだよ」

て、Aが急にまともな哲学を言うところが可笑しいw
“自分の気持ちをちっとも分かってくれない”って思ってる時ほど、相手の気持ちを汲んであげなきゃいけない。
男女の仲って難しいけど、面白い。
でも、こんなイイ旦那も珍しいよな。ぬかみそをきる妻の袂を持ったりする気づかいとか、細かい心配りに女は弱いんだ。


『ソフィの世界』(1999)
監督:エリック・グスタヴソン 出演:シルエ・ストルスティン ほか
美しい映像が中世と現代、夢と現実を行き来して、あれよあれよと展開。
どーなってんだって結末で、なるほどと納得。
ヒロインの素朴な美しさも光る。哲学をファンタジーにした原作はどんなか興味あり。

「君は誰?」「世界はどこから来た?」

自分は見えていないと知りショックを受けるが、死んでもいないと気づき、元の世界へ戻り、
この世界こそ無限で終わりがないことを知る。


『去年マリエンバートで』(1960)
監督:アラン・レネ 出演:デルフィーヌ・セイリグ ほか
なんでこんなハッキリしない繰り返しの作品が賞をとったのか??
夢の中にいるような(実際、何度も眠りに落ちた)、結局なんだったのか分からない。
分かりすぎるハリウッド映画を観て疲れるよりマシだけど。

「憶えていますか? 去年会ったのを」

安いありがちなくどき文句もここまでしつこくされちゃストーカーだ。
人間味のない夫と一緒にいるよりいいかもしれないけど。
人間味のなさという点では女も男も、その他のキャラも同じ。

いろんな思い出話もでっちあげ? まるで♪ホテル・カルフォルニア の歌詞にあるような
一度入ったら二度と出れない死人のホテルのよう。
繰り返されるモノローグとホテルの風景。モノクロがくりかえし、くりかえし、くりかえし、、、


『シェルブールの雨傘』(1964)
監督:ジャック・ドゥミ 出演:カトリーヌ・ドヌーブ ほか
なんかフツーの話だった。兄はこれを観て泣いて感動したとか言ってなかったっけ??
カトリーヌ・ドヌーブのデビュー作かな? 今作で一躍スターに駆け上がっていったらしい。
とにかく初々しい。それにしてもセリフを全部歌にしなくても
フランスといえどミュージカルブームは無視できなかったのか?

「1人の女を愛したが嫌われ、忘れるため、世界を旅したが空しくJらに会って人生が変わった」
「恋と愛(結婚)は違うわ。わたしを信じて、あなたは若すぎる。愛を知ったつもりでいるの?」
「彼なしじゃ生きられないと思ったのに、死ななかったのはなぜ?」
名曲がいろんなセリフで歌われる。


『彼岸花』(1958)

監督・脚本:小津安二郎 出演:有馬稲子、山本富士子、久我美子、佐田啓二、笠智衆 ほか

「結婚なんて金だと思ったら真鍮だった。するもんじゃない」

ラストはどことなく訪問を楽しみにして歌を口ずさむ父の姿が微笑ましい。
フルキャストでの今作もかなり豪華な顔ぶれ。近所のレンタル屋にある小津作品はこれで全部。
でも、まだ彼の撮った作品は他にもありそうで全部観てみたい。
ほとんどが結婚を交えた父と娘の関係の話なんだけどね


『南太平洋』(1958)
監督:ジョシュア・ローガン 出演:ミッツィ・ゲイナー、ロッサノ・ブラッツィ、ジョン・カー ほか
製作のオスカー・ハマースタイン2ってMPがギャグにしてたハリウッド映画当時の超ワンマンボスかな?
フルカラーが嬉しいのか、“金色の西陽”が画面にフィルタかけたように黄色や、
幻想的な演出効果で真っ赤になっちゃったり、かなりサイケな作品w

『ザ・ビーチ』みたいな禁断の楽園バラハイ島って実在? 皆の歓迎ぶりが異常。
アメリカ人の憧れる南の島と、そこの人々のイメージを映像化した感じで、
現実には不自然な点も多い。しかも戦争の敵が日本人だしね
一応平和をうたってるけど、あまりいい気はしない。

♪女ほどいいものはない~~~ って大声でコーラスしちゃうのはどーかと。ほとんどコメディのノリw
そこで違法商売してる怪しいおばちゃんメアリー(異常に歌が上手い)に見初められ、
♪ほら、島が呼んでる。あなたのものだと、おいでよ、バラハイ~と熱唱される。

たっぷり愛し合った末「僕は結婚できない」なぜかって「肌の色が違うから」 差別丸出し。
AもDが地元民と結婚し、子ども持ちだというので大ショック。
自由でオープンが自慢のアメリカ人の差別意識って根強い。


『恋の手ほどき』(1958)
監督:ビンセント・ミネリ 出演:レスリー・キャロン、モーリス・シュバリエ ほか
『マイ・フェア・レディ』のパリ版。ヘップバーンの代わりにキャロンが初々しい演技。
ミュージカルのコテコテっぽさはなく、陽気なロマンス作品として楽しめる娯楽映画。
唯一、皆わざわざフランス訛りっぽい英語にしなくてもいいのに!

♪I remember it well は『That's Entertainment』の名シーンで観た。
恋の喜びも悲しみも苦しみも素晴らしさも、熟知した者同士のイイ味が出てる。
♪もう若くなくて幸せ~ なんて歌える老人てスゴイ。

タータンの洋服ではしゃぐ少女から、急に純白のドレスの大人になる。
男にしてみればほんとに劇的に変わる奇跡に近いのかもしれない。


『ゼロの焦点』(1961)
原作:松本清張 監督:野村芳太郎 出演:久我美子 ほか
モノクロで男女の愛憎、人間模様を描いた今シリーズ、“火曜サスペンス劇場”系なんだけど、
なんといっても大ファンになってしまった久我美子がドラマを引き締めている。
新婚にして夫を失ったヒロインが、からくりの真相を突き止めてゆく過程が引きこまれる。
探偵のようなキビキビとした調べっぷりがお見事。
上品で芯が通った久我の魅力、他の作品もみんな観てみたい。


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notes and movies(2001.1~ part3)

2013-12-13 10:18:10 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづきで茶色のノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ブーベの恋人』(1963)
監督:スイジ・コメンチーニ 出演:クラウディア・カルディナーレ、ジョージ・チャキリス ほか
政治事情が絡んでくると弱いんだが・・・とにかく可愛いCCと
『ウエストサイド物語』でスターになったチャキリスの若々しい魅力でいっぱい。
最初は小生意気な娘が愛を知って、次第に女性へと成長していく様子をCCが見せる。
貧しい田舎娘が街でヒールを買ってもらったり、レストランでパイをほおばったりする無邪気なシーンも印象的。


『秋日和』(1960)

監督・脚本:小津安二郎 出演:原節子、司葉子、岡田茉莉子、佐田啓二、佐分利信 ほか
新宿TSUTAYAにまだまだ小津と、それぞれの俳優のいい作品がいっぱいあって嬉しい
今作品は、原が母親役を演じ、映画最後を飾った作品じゃないかな?
母と娘の微妙な心のやりとりと、3人の男のそれぞれキャラがハッキリしてて
笑いもあり、『東京物語』の感動に通じる余韻の残る秀作。

1人残された母は狭いアパートに1人の寝床を敷いて
すっかり静かになったが、娘の幸せを願う微笑みを浮かべる。
この寂しさと喜びの複雑な微笑みがまた素晴らしく印象に残る。

知人の話だとまだ時々鎌倉でひっそり暮らす原がフォーカスされるというがスゴイ!
華のある素晴らしい演技をたくさん残しながら40代ですっぱりと女優を辞めて、隠遁生活なんて不思議な魅力を持つスターだ。


『あの手この手』(1938)

監督:市川崑 出演:久我美子森雅之 ほか
久我と森のステキな共演 ずいぶん前の作品なのに、話していることとか考え方が今と同じ。
昔がモダンだったのか、今が進歩していないのか
軽妙なやりとりのコメディ、でも市川崑監督って金田一耕助シリーズとかの重いテーマの映画が多いんじゃなかったっけ?

「中年男の魅力が分かってきた」とちょっと意味深。
そりゃ森さんみたいなおじさまがいたら、毎日でも訪ねに行きたいよ。
久我はへんてこりんなヘアスタイル。


『夕やけ雲』(1956)

監督:木下恵介 出演:久我美子、田村高広 ほか
16歳という微妙な歳の少年が、大人に成長するまさにターニングポイントを数々の別れを通して描いた。
久我は貧乏が嫌で器量良しなのをバネに、なんとか玉の輿に乗ろうとする姉役。
久我自身、お嬢さまから家のために働かなきゃならなかった境遇があるから、共感する部分もあったのかも?

「苦労したけど幸せだ」と親が互いをいたわりあう心、長男のプレッシャーを考えて慰める母の心、
「絶対迎えに行くから待ってろよ!」と妹にいって見送った兄の心、家族を助けるために静かに家を出る妹の心。

「大人は何でも自由でいいなあ」
「自由なのは子どものうちだけ。大人になったら度胸を持たなきゃ」

いろんな責任、重圧も、金に変えられない、守るべき人、愛し支え合って、
日々一生懸命生きてゆくことの尊さにはかえられない。

「人生始まったら、もう後戻りはできないんだから」

苦労も含めて幸せとして感じいるものなのかもしれない。


『父ありき』(1942)

監督:小津安二郎 出演:笠智衆、佐野周二、佐分利信 ほか
不思議だよなあ。小津作品って、なんてことない日常を淡々と描いていて、
静止画の堅い動き、どっちかというと不自然なくらい、なんというか格式ばった動きなんだけど、
ラストにぶわあああっと感動が押し寄せて、余韻が残る
上品で節を重んじた昔の日本人の生き方、一本筋の通った生き方というのが、笠智衆のキャラとともに心に染み入る。

「学校出たらまた一緒に暮らそう。ライスカレー食べるか?
「出来るかぎりのことをして、一つの仕事を続けて初めて良さが分かる」

だいぶ古くてフィルムの雑音と傷みの激しいのが残念。聞き取れないセリフもあった。
息子役は大仏顔で腹話術みたいで可笑しいw
初めて息子からの小遣いをありがたく頂く父、母の霊前で立派に線香をあげる姿を頼もしく見つめる父。
短い時間の中に、父を慕う息子と、子を想う親の愛情があふれんばかりに描かれている。


『女の園』(1954)
監督・脚本:木下恵介 出演:高峰三枝子、高峰秀子、岸恵子、久我美子 ほか
かなりガチガチの社会派ドラマだった。
でも彼らの学生運動、女性解放運動の努力がなかったら、今の状態はなかっただろうけど。
今もお嬢さま学校はあって、校風や校則はこの作品とちっとも変わっていないだろうし、
今の教育だって、もっと学生本人が叫ばなきゃ、時代に合わせてどんどん進化するのが本来のあるべき姿つーか、
十分変わったとは言い切れない。

「アタックNO1」みたいに、世の中の悲運を全部背負ってるみたいなヨシコの濃い~キャラが重くて、
反対に怨念に憑かれた女能役者みたいな寮母役の高峰の迫力がスゴイ!
リーダー格なんだけど、財閥の娘っていうのが久我にハマってる。音楽もほとんど葬送曲。

その後どのくらい変化したか、しなかったかが描かれていないのは残念。本当の教育は難しい。
校風をゆるめると援助交際、ドラッグなどの問題も起きるしね。
自由と責任、心の教育のできる教師が一体何人いるか。教師から教わる子どもへの影響は大きいから、
やはり大人から教育し直さなきゃいけないのかな?


『Paris When it sizzles』(1964)
監督:リチャード・クワイン 出演:オードリー・ヘップバーン、ウィリアム・ホールデン、ピーター・セラーズ ほか
ピーター・セラーズがゲスト出演ってことで楽しみにしてたのに結局分からなかったのが残念。
オードリー35歳?とは思えないキュートさ。夢物語のように進む軽いラブコメディで
仮装パーティには、ハーポとかジャズシンガーの黒人に扮した人とか、ちょっとした楽屋落ちが面白い。

実際、今作が大入りになったかは不明。ここまで描いて不作だったら冗談にもならないけど
今作で一番いい思いをしたのはオードリーととにかくキスシーンがいっぱいあったホールデンじゃなかろうか?w
たしか実際に付き合いを申し込んで断られたんだっけ? で、メル・ファーラーが旦那だっけ?
これまたどこに出ていたか分からんかったけど。

トニー・カーティスが端役といいつつ、けっこーおいしいコメディ役だったのが笑いのオチ。
ヌーヴェルバーグ風の役者を臭く演じたり、似たようなセリフにブツクサ言ったり・・・
今の映画界は少しは変わったのかな? 単純なラブストーリーに大スターなら絶対ウケル説はまだ健在!?


『挽歌』(1957)

監督:五所平之助 出演:久我美子森雅之、高峰三枝子 ほか
この組み合わせはパーフェクト 優しくて、時に激しくて、妖しくて、
不倫の恋にも大人の男の責任をとる桂木役の森雅之さん
ちょっと生意気で、泣き虫で、気性の激しい少女と大人の女性の間を行き来する久我さんの
熱くて切ないラブシーンが満載。久々切なく、胸が苦しく高鳴る思いを味わえる。
それだけに、ラストがなんとも辛い。

「無理にでも探して連れ去ろうと思っていたんだ。今夜は帰らないつもりだから君も決心してくれ」
てカッコイイくどき文句
行った先の旅館も、湖畔のなんとも趣味のいいところ。

「会いたくない気持ちは分かるが東京に行く前に今夜だけは残っていてほしい」

(今作での久我のセリフ「わたしをアミにしておいて!」みたいなセリフがステキすぎる。


『浮草物語』(1934)

監督:小津安二郎 出演:坂本武、飯田蝶子、八雲理恵子 ほか
喜八シリーズものでサイレントの弁士つき。前回観た時、体を掻くシーンが目に付いて、
昔はノミとかいて大変だったのかな。エアコンもないしって思ってたけど、
小津独特の演出のひとつだと後で本で読んで知ってから、今作にもたくさん出てくるのが気にならなくなった。
喜八シリーズって寅さんに通じる人情もので、笑いあり、ホロッとくる涙あり、
あったかみのあるキャラクターと人間関係がイイ。


『日本誕生』(1959)
監督:稲垣浩 出演:三船敏郎、上原美佐、原節子、司葉子、鶴田浩二、香川京子 ほか
古事記の神話と、ヤマトタケルノミコトの話を映像化。ヤマタノオロチなんか円谷特撮そのものw
完全版なのか? 誰がどの役かちょっと分かりにくい。
原がイイ役なのにシーンとセリフが少なくて残念。
ごっつい三船が女装してクマソにとりいり、美しいと引き寄せられるシーンは笑える

神話はスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治、アマテラスの岩戸開きまで語られる。
隠れた女神を呼び戻すために巫女が踊って、皆の笑いで何事かと覗いた女神に鏡を見せ、
「私より尊い神とは誰か?」「あなたさま自身です」

かなり豪華なスターの共演。大晦日の夜の特番風。
もっと神話の世界の映像化をふくらませてほしかったな。




【読書感想メモ】
「ターシャ・テューダの世界 ニューイングランドの四季」ターシャ・テューダ著
「大事なことはみーんな猫に教わった」Suzy Becker著 谷川俊太郎訳
「日本映画監督列伝1 小津安二郎の謎」小学館
「7年目のセキララ結婚生活」けらえいこ著
「マンガ日本の古典1 古事記」石ノ森章太郎著
「マンガ日本の古典3 源氏物語」長谷川法也著


【歌詞をメモした曲】
♪LIFE/Des'ree


【イベントメモ】
「新田さんライヴ」@池袋マンホール
「フリーマーケット」@明治公園
「ながの山と花フェスタ」@エムウェーブ
浜離宮恩賜庭園、清澄庭園、深川江戸資料館、深川不動尊、六義園、染井霊園、とげぬき地蔵、相模湖ピクニックランド、東御苑


何冊もあったリングノートもこれがラスト。
次回からはルーズリーフシリーズに入りますv


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