【THE BIG ISSUE VOL.351】
【内容抜粋メモ】
アーティストは「特別な人」
ましてそれで食べていける人は「稀か天才だけ」が日本の常識
アートを縁遠いものと感じている人
アートで生きていきたい人に届ける特集
●檻之汰鷲(石渡のりお・ちふみ)
石渡のりおは、音楽イベンターを経て、妻・ちふみとともにアート活動を開始
世界5ヶ国に滞在し創作活動を経て、国内の空き家に移住
2017年から北茨城市を拠点に活動中
著作
『生きるための芸術』
『漂流夫婦、空き家暮らしで野生に帰る。』
●「生活芸術商売」(2018)
東京・有楽町のギャラリーには
同じ作者とは思えないほどさまざまな作品が並んでいた
2人がアートユニット「檻之汰鷲」の活動を始めたのは15年前
生活の中で体験したことを題材にした創作活動を「生活芸術」と呼んでいる
●28歳で交通事故、40歳を前に退職し、アートで生きると決意
のりおさん:
28歳の時に交通事故に遭い、身体が動かないかもしれないという怪我をして
自分は何がやりたいかを自問
答えは、小説を書く、絵を描くことでした
高校時代から音楽が好きでバンド活動もした
大学は芸術論を専攻し、卒業後は音楽イベントに関わる仕事に就いた
アートはあくまで趣味の範囲内だったが
退院後、ちふみさんのサポートを受けながら本格的に取り組み始めた
1年後に結婚
ちふみさんも絵を描きはじめた
ちふみさん:
のりおくんのコラージュは引き寄せられるものがあったので
頑張ったら?と言ったんです
●3.11 東日本大震災
原発事故は自分も加担している気持ちになり
今の生活スタイルを変えたいと思った
2013年 30代後半で退職
●「アーティスト・イン・レジデンス」
世界に1000ヶ所ほどあり、滞在しながら創作活動ができる
手当たり次第に手紙を出して、返事がきた5ヶ国で創作活動を開始
スペイン、イタリア、ザンビア、エジプト、モロッコ
●最初の地 スペイン・バルセロナ
ここには古本屋がなく、駅のそばに「雑誌をください」と
看板をかけて箱を置いたら、次の日、雑誌が入っていた
現地調達しながらの創作を「サバイバルアート」とも名づけた
ちふみさん:
ヌーディストビーチで年配の方が普通に海を楽しんでいた
私たちの作品に海を題材にしたものが増えた
体験したものを絵にするという形がスタイルになった
●アフリカ・ザンビア
誰もが生きるのに必死で、絵は全然通用しなかった
モノがない中でも工夫する人たちを見て
「ないことを楽しむ それが生活から生まれる芸術だと感じて“リビングアート”と名づけた」
●現地式の家づくりに挑戦
「インディペンデンスハウス」2013 ザンビア
泥の壁、かやぶきの屋根
現地の人は軽々と作業するが、相当な肉体労働
僕たちが家も建てられず、野菜も育てられないのを見て
「お前たちは日本でどう生きてきたんだ?」と聞かれた
「会社で働いて、お金をもらうから大丈夫だ」
「お前、ここでは死ぬぞ」と大爆笑された
言われて初めて、日本で生きているつもりだったけど
生きていなかったのでは、と思えてきた
アートは本来、生きることの中にある技術では、と思うようになった
●エジプト
大規模な反政府デモでムバラク政権が崩壊した「エジプト革命」後まもない時期
混乱の中でも人々は日々の暮らしを営んでいた
Q:あなたの理想の暮らしは? に50の回答が集まり
「誰かの幸せのために生きること」「持続可能な社会」など
心が豊かで、思いやる気持ちに感動した
そこで描いたアートは「社会彫刻」と呼び
「理想の暮らし」を1枚の絵にした
「社会彫刻」2014 エジプト
●旅を終えて、価値観が大きく変わった
帰国後の目標は、海のそばに暮らし、
ボートを手づくりし、絵を描きながら暮らすこと
もはや東京にいる必要はないと、愛知県の古民家に移住
大家さんと築80年の家を改修
●空き家から空き家へ住まいを移す
壁の奥から土塀、天井から梁が現れ
日本人の生活技術を目にしたことで
今度は神奈川・湯河原など国内で空き家の旅が始まった
岐阜・中津川では森の暮らし、
三重・志摩では漁師町の暮らしを学んだ
●北茨城市へ移住(2017)
わずか12世帯の「限界集落」で古民家を改修した
アトリエ&ギャラリー「ARIGATEE」が拠点
桃源郷芸術祭/Arigatee(ありがてえ)
「お金」は生きるために必要
芸術で生きていけるかの答えはイエスだが、現実はまだもう少しw
日本ではアート売買は敷居が高いと思われがちだが
野菜を作って売るのとさほど変わらないと思う
●今まで付き合ってきた人たちが買ってくれるのが商売の原点
あるおばあさんは
「自分のほうが先に死んでしまうから本物のネコは飼えない
人形のネコは死なないし、餌もあげなくていいからいい」
とネコのオブジェを買ってくれた
今回の「生活芸術商売」でも、集落の風景を描いた作品を地域の人が購入
人類の歴史の中で、芸術がずっと担ってきた役割は
人を豊かにすること
ペットボトルで筏を作り、北茨城市の二ツ島の穴をくぐる冒険を実践
著 松岡理絵
***
「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”
[ホームレスの仕事をつくり自立を応援する]
「ビッグイシュー」は、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年、ロンドンで始まった 創設者はジョン・バード氏
住まいを得ることは、単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎない
[仕組み]
1.販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取る
2.売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売 180円を収入にする
[条件]
顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて売る
このほか「8つの行動規範」に基づいて販売している
【ブログ内関連記事】
「ボブとジェームズ、東京へ行く」@ビッグイシュー
「猫のボブが私をホームレスから一人の人間にしてくれた」@ビッグイシュー
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(A Street Cat Named Bob)』(2016 ネタバレ注意)
バックナンバーのご注文
“バックナンバーのご注文は、販売者まで、お気軽にお問い合わせください。
販売者から購入できない方はバックナンバーに限り、
3冊以上から送付販売をさせていただいております。”
【内容抜粋メモ】
アーティストは「特別な人」
ましてそれで食べていける人は「稀か天才だけ」が日本の常識
アートを縁遠いものと感じている人
アートで生きていきたい人に届ける特集
●檻之汰鷲(石渡のりお・ちふみ)
石渡のりおは、音楽イベンターを経て、妻・ちふみとともにアート活動を開始
世界5ヶ国に滞在し創作活動を経て、国内の空き家に移住
2017年から北茨城市を拠点に活動中
著作
『生きるための芸術』
『漂流夫婦、空き家暮らしで野生に帰る。』
●「生活芸術商売」(2018)
東京・有楽町のギャラリーには
同じ作者とは思えないほどさまざまな作品が並んでいた
2人がアートユニット「檻之汰鷲」の活動を始めたのは15年前
生活の中で体験したことを題材にした創作活動を「生活芸術」と呼んでいる
●28歳で交通事故、40歳を前に退職し、アートで生きると決意
のりおさん:
28歳の時に交通事故に遭い、身体が動かないかもしれないという怪我をして
自分は何がやりたいかを自問
答えは、小説を書く、絵を描くことでした
高校時代から音楽が好きでバンド活動もした
大学は芸術論を専攻し、卒業後は音楽イベントに関わる仕事に就いた
アートはあくまで趣味の範囲内だったが
退院後、ちふみさんのサポートを受けながら本格的に取り組み始めた
1年後に結婚
ちふみさんも絵を描きはじめた
ちふみさん:
のりおくんのコラージュは引き寄せられるものがあったので
頑張ったら?と言ったんです
●3.11 東日本大震災
原発事故は自分も加担している気持ちになり
今の生活スタイルを変えたいと思った
2013年 30代後半で退職
●「アーティスト・イン・レジデンス」
世界に1000ヶ所ほどあり、滞在しながら創作活動ができる
手当たり次第に手紙を出して、返事がきた5ヶ国で創作活動を開始
スペイン、イタリア、ザンビア、エジプト、モロッコ
●最初の地 スペイン・バルセロナ
ここには古本屋がなく、駅のそばに「雑誌をください」と
看板をかけて箱を置いたら、次の日、雑誌が入っていた
現地調達しながらの創作を「サバイバルアート」とも名づけた
ちふみさん:
ヌーディストビーチで年配の方が普通に海を楽しんでいた
私たちの作品に海を題材にしたものが増えた
体験したものを絵にするという形がスタイルになった
●アフリカ・ザンビア
誰もが生きるのに必死で、絵は全然通用しなかった
モノがない中でも工夫する人たちを見て
「ないことを楽しむ それが生活から生まれる芸術だと感じて“リビングアート”と名づけた」
●現地式の家づくりに挑戦
「インディペンデンスハウス」2013 ザンビア
泥の壁、かやぶきの屋根
現地の人は軽々と作業するが、相当な肉体労働
僕たちが家も建てられず、野菜も育てられないのを見て
「お前たちは日本でどう生きてきたんだ?」と聞かれた
「会社で働いて、お金をもらうから大丈夫だ」
「お前、ここでは死ぬぞ」と大爆笑された
言われて初めて、日本で生きているつもりだったけど
生きていなかったのでは、と思えてきた
アートは本来、生きることの中にある技術では、と思うようになった
●エジプト
大規模な反政府デモでムバラク政権が崩壊した「エジプト革命」後まもない時期
混乱の中でも人々は日々の暮らしを営んでいた
Q:あなたの理想の暮らしは? に50の回答が集まり
「誰かの幸せのために生きること」「持続可能な社会」など
心が豊かで、思いやる気持ちに感動した
そこで描いたアートは「社会彫刻」と呼び
「理想の暮らし」を1枚の絵にした
「社会彫刻」2014 エジプト
●旅を終えて、価値観が大きく変わった
帰国後の目標は、海のそばに暮らし、
ボートを手づくりし、絵を描きながら暮らすこと
もはや東京にいる必要はないと、愛知県の古民家に移住
大家さんと築80年の家を改修
●空き家から空き家へ住まいを移す
壁の奥から土塀、天井から梁が現れ
日本人の生活技術を目にしたことで
今度は神奈川・湯河原など国内で空き家の旅が始まった
岐阜・中津川では森の暮らし、
三重・志摩では漁師町の暮らしを学んだ
●北茨城市へ移住(2017)
わずか12世帯の「限界集落」で古民家を改修した
アトリエ&ギャラリー「ARIGATEE」が拠点
桃源郷芸術祭/Arigatee(ありがてえ)
「お金」は生きるために必要
芸術で生きていけるかの答えはイエスだが、現実はまだもう少しw
日本ではアート売買は敷居が高いと思われがちだが
野菜を作って売るのとさほど変わらないと思う
●今まで付き合ってきた人たちが買ってくれるのが商売の原点
あるおばあさんは
「自分のほうが先に死んでしまうから本物のネコは飼えない
人形のネコは死なないし、餌もあげなくていいからいい」
とネコのオブジェを買ってくれた
今回の「生活芸術商売」でも、集落の風景を描いた作品を地域の人が購入
人類の歴史の中で、芸術がずっと担ってきた役割は
人を豊かにすること
ペットボトルで筏を作り、北茨城市の二ツ島の穴をくぐる冒険を実践
著 松岡理絵
***
「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”
[ホームレスの仕事をつくり自立を応援する]
「ビッグイシュー」は、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として
1991年、ロンドンで始まった 創設者はジョン・バード氏
住まいを得ることは、単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎない
[仕組み]
1.販売者は、この雑誌10冊を無料で受け取る
2.売り上げ3500円を元手に、以後は170円で仕入れ、350円で販売 180円を収入にする
[条件]
顔写真つきの販売者番号の入った身分証明書を身につけて売る
このほか「8つの行動規範」に基づいて販売している
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「ボブとジェームズ、東京へ行く」@ビッグイシュー
「猫のボブが私をホームレスから一人の人間にしてくれた」@ビッグイシュー
『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ(A Street Cat Named Bob)』(2016 ネタバレ注意)
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“バックナンバーのご注文は、販売者まで、お気軽にお問い合わせください。
販売者から購入できない方はバックナンバーに限り、
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