前回まで興味深く見ていた番組がリニューアルされて
太田光が担当することになって
さらに深掘りしてくれそう
第1回から予録しているけれども
経済のことが気になったのでこちらを先に見てみた
太田さんはリモートで参加
アナウンサーの英語の発音が流暢で
ツイートを読み&和訳する
4月1日アメリカのつぶやき
46年間飲食界で働いていた女性から
「私たちを魅了してきた外食産業は、この危機を経てどこに行き着くのだろうか?」
新型コロナウイルスの感染拡大により
世界経済はマイナス成長になると予測されています
そんな中、世界の経済学者たちによる議論も SNS で始まっています
ゲスト:
国際経済課専門の櫻井玲子解説委員
経済・国際金融担当 2008年から4年間ワシントン勤務
12年前のリーマンショック直前の映像
櫻井:2008年ワシントン経済の先行き不安から株が売られ…
櫻井:
この後、100年に1度の経済危機になるとは思わず
まだのどかな雰囲気で収録している感じです
第一報を書いたのを今でも記憶に残っています
世界各国からの投稿を紹介
3月28日 サンピエトロ広場
フランシスコ教皇が祈りを捧げている様子
通常は参列者でいっぱいになる場所だが誰もいない
「ドラマティックで、驚異的で、忘れられない瞬間だ」
アメリカ 4月3日
「なんて残念な割引なんだ」
「コロナディスカウント」と書いてある
おそらく「コロナ割引」というような意味合い
売り上げが伸びないので、なんとかお客さんに来て頂きたいということで
コロナ割引セールみたいなのをしている店もあるということかと思われます
アメリカ 3月30日
「セールだと誘惑しておいて、今度は閉店なんて言うのかい」
窓に張り紙があって「新型コロナウイルスのために休業」とある
櫻井:
「コロナウイルス危機」の本質をとらえた投稿だと思います
本来であれば危機で売上が減っていて
セールを行うことで売上を挽回したいが
人々が買い物に行けなくなっている
当座の生活を維持する方が精一杯で買い物にも出かけなくなる
いわゆる
消費喚起策と言われるような対応策がなかなか効果が出ない
対応の難しさを表していると思います
コロナウイルス危機1
セールで売上を挽回できず、消費喚起策が効かない矛盾
トルコ 最大都市イスタンブール
「同じ場所 新型コロナウイルスのビフォー・アフター」
2週間でこれだけ町の景色が変わってしまった
トルコも急激に感染者が増えている国の一つ
3月21日 インド北部のある町の様子の動画
「全ての店が閉まりました 家にいて、そして安全にしてください」
アナ:太田さんの周りの環境、
お笑いライブとかにも大きな影響はありますか?
太田:
もちろん
うちのライブも今月やるはずだったのが中止になりました
お笑いって喋るので、いくら観客の間隔を開けてもらっても
こっちは喋らないわけにいかないし
もっとひどいのは、お客さんに笑わないようにしてくださいって言われた時には
どうしようかと思いますね
<櫻井さんの注目する世界の経済学者の投稿を紹介>
アメリカの経済学者ヌリエル・ルービニさん
ルービニさんは、2006年リーマンショックが起きる
2年前に各国が集まる大会で
リーマンショックのような世界的な金融危機が起きる
と警鐘を鳴らしたことで有名なんです
「リーマンショックを予告した男」としても知られています
今回のコロナ危機に対しても頻繁にツイートされている
3月29日
「リーマンショックよりも大きな景気後退か
それとも
世界大恐慌を上回る恐慌か?」
櫻井:
1929年のアメリカの株価大暴落から始まった世界大恐慌を上回る
恐慌になるんじゃないか
今回の世界経済へのインパクトを大変心配されている
リーマンショックはバブルがはじけて起きた金融危機
身の丈に合わない借金をしたり
儲けようと思って巨額の資金を投じたり
それがバブルになっていたのが弾けてしまった
今回のコロナウイルス危機というのは
原因はウイルスですので
コロナウイルスさえなければ
普通に仕事をしたり、事業を続けたりすることができた人たちが
今打撃を被っている
そういう意味では、過去の金融危機の教訓から学ぶ必要もあるんですけれども
どちらかと言うと世界的な災害だと思ったほうがいいのではないかと
コロナウイルス危機2
バブル崩壊など経済的要因だけでなく
世界的な災害としてとらえるべき
太田:
この後 V 字回復しないまま恐慌が起きた場合
リーマンショックの時は「リーマンの貸付のせいだ」
ということになったけれども
今はだんだん中国とアメリカ、あるいはヨーロッパなどが
「中国のせいだ」という風にささくれ立ってきてる
そういう危機感も、もしかしたらこの人は
持っているのかなという気がする
櫻井:
本来であれば感染拡大が収束すれば V 字型回復になるはずですが
今の大方のエコノミストはよくても U 字型
悪ければ L 字型
つまりズドンと落ちて、ずっと悪い状態が続くのではないかという風に言われています
今、正念場を迎えていて、私たちが正しい対応をすれば
これが緩やかなU字とかで済むかもしれない
対応を間違えると L 字型になってしまう
そして米中対立というような対応の難しさがあると思います
<Tom's Economics in English>
ネイティブ講師のトム・ケインさん登場
(全員、人が変わっちゃったんだね
トム:今日は覚えておくと便利な経済英語を紹介したいと思います
「景気がいい boom」
日本語でもよく使いますね→ブーム 急上昇という意味
例:The economy is booming.(経済が上昇している
「景気が悪い slump」
これも日本で言いますよね→スランプ
元々の意味は、辛い状況が続く
例:The economy is slumping.(経済が落ち込んでいる
「不況 depression」
真ん中がプレス(押す)ですよね
下に押されてへこんでいるというイメージ
<この後の収録に登場する単語>
emerge 出現する
institute 協会・機関・学会
global coordination 国際協調
<世界のお金の流れがわかるアカウント紹介>
「IIF」
世界70ヶ国から450の民間金融機関が加盟する国際金融協会
経済危機に対応するための対策なども行ったりしている
世界的なお金の流れ、資金の動きを見られるアカウント
IIFの3月に17日の投稿
このグラフは、
新興国から流出しているお金の量とスピードを表したもの
横軸が危機が始まって以来の時間軸、日数
縦軸は流れ出たお金の資金量
水色の線は2008年のリーマンショックの時の資金の流れ
赤い線が今回のコロナウイルス危機で
文字通り新興国からお金が蒸発してしまったような形を見せている
先進国以上に経済状況が心配されている新興国
ブラジル、トルコ、南アフリカ、ロシアなどの
株、債券、通貨を米ドルに変える動きが加速している
(ロシアも!?
その結果、今まで新興国に出回っていたお金が急になくなってしまう
辛い状況になっている
太田:
本来だったら
国際赤十字や国境なき医師団などが救済に行く
先進国がやるべきことを、いま自分の国で精一杯になってるから
新興国のこれからの状態はちょっと恐ろしいような気がします
櫻井:
その新興国から流れ出たお金というのは日本円にして約9兆円
リーマンショックの2倍以上の速さと量で流れ出ていると言われている
これが世界各地にも影響を及ぼしている
コロナウイルス危機3
新興国から流出した資金は約9兆円
リーマンショックの2倍以上と言われている
アメリカのツイート
「低価格のガソリン代 でも行くところがない」
アメリカのガソリンスタンド
普通アメリカのガソリンは2ドル、3ドルが当たり前
今は数週間で半分近くになっている
コロナウイルス危機4
原油の需要が減り、価格が半分ほどに
原油を輸出する新興国の収入も激減
(車の排気ガスは減るね
石油の取り合いの駆け引きもなくなるし
櫻井:
世界の工場が止まり、需要も減っている
なので原油がそこまで必要ではなくなった
産油国、資源国、いわゆる新興国の首を絞める事になってしまう
今まで出回っていたお金もなくなっている上
輸出でも稼げなくなっている状況
(これまでずっと石油を掘りまくって
資源枯渇を心配していたから
地球にとっては良いことでは?
石油製品も減って、ゴミも減る
アメリカの経済学者 アダム・ポーゼン
コロナクライシスについて SNS で頻繁に発信を続けています
各国が足並み揃わない現状を踏まえての指摘が注目を集めています
「国際協調を通して経済的なウイルスを閉じ込める」
各国が
「自国第一主義」に走る現状に警鐘を鳴らしている
先進国も自国の危機の対応に追われている
新興国、途上国への目配りの余裕を失いがち
(これまでも同じ 武器を送って戦争を長引かせて
その余裕もなくなれば、内戦も終息しないかなあ
さらに今までの
保護主義の流れで
例えばマスクが足りない、医療費が足りないとかになると
じゃあその医療品を輸出する制限をかけようという動きが
今 EU やアメリカでも起きている
でも実際に原則として困っている人に必要な支援をする
世界単位でやっていかないと経済の面でも大きな影響が長引く形になるので
ここは各国共通で頑張って欲しいなという意味合いを込めたメッセージ
太田:
「アメリカファースト」とか
「ファースト」っていう響きが
すごく耳障りがいいと言うか
どこの国でも流行った感じがあったけど
よくよく考えると、なんとかファーストっていう言葉は
思考停止というか
それってどこに向かっているんだろうっていう
今まで「グローバル」って言ってた割には
「分断」が広がっていった感じがします
そうじゃないほうにもう1回考え直そうよってなれば
コロナもひとつのきっかけになるかもしれない
どうも今のところ中国とアメリカが言い争ってたりするのを見ると
ちょっと心配ではありますね
アナ:
本来ならここでハリウッドのトピックが入るのですが
映画の公開も見通しがつかなくなってしまったという連絡があった
XXCLUBの2人もハリウッドスターにインタビューする日に備えて
今は自宅で勉強中です
太田:
運が無さすぎますね、彼らはw
今見てきたものを見ると
なんとなくこの先明るい気持ちには
なかなかなれない状況がわかった気がするけど
それを先取りして手を打つというか
なるべく分断しないように
そういう気持ちが大事だなと思いますけど
<太田さんのつぶやき>
@nhk_snsenglish で世界に発信中
太田:
今「Social Distance」物理的な距離は離れているけど
精神的な距離というのはむしろ逆に
倍ぐらい近づかないと乗り越えられないのではないか
「世界経済 心は濃厚接触」
(さすがいい言葉で締めるなあv