アトリエを取材
お手製のチョークで大きな作品を作る
この型紙を元に布を染め上げていく
ユノキ:
広い公園で木に裏側から光が当たると
死んでいない生命力のようなものを感じるんですね
木のような気持ちになって
木と共鳴しあうというか
お互いに話をするような感じで
木は黙っているけれども
「俺にはこんな長い寿命があったんだよ」って
木が言っているような気がするんです
日本民芸館
ユノキさんは布に模様を施す型染めの制作を70年続けてきました
模様はささやかな日常から生まれます
「爪文帯地」指の爪の模様
ユノキ:
伝票の裏側に黒い墨がついている
この形を見ていると面白いと思って
日常的に見える形っていうのは
僕らのとてもヒントになる
嬉しければいいんだよ
なんでも面白いなと思って
不機嫌だったり、悩みがあったり
頭がそっちのほうにいってる時は
そういうことを感じないんだよ
だけど仮に天気が良くて、日曜日だったり
誰でもなんでもいいじゃない
日常のものはそういう風に見えたら楽しいじゃない
ユノキさんが染色に出会ったのは岡山県倉敷市
戦後間もなく大原美術館に就職した時のこと
ユノキ:
このカレンダーが大原美術館の絵葉書売り場に
12枚飾られているのを最初に見た時ショックを受けました
文字でもない
絵でもない
今考えると模様というものに初めて開眼した記念すべき出会いだった
後に人間国宝となる染色家・芹沢銈介の作品
細やかな型染めの技法で作られたカレンダー
芹沢本人と対面し、弟子入りを志願したユノキさん
ユノキさんは芹沢の勧めに従い
江戸時代から続く染物家に住み込み修行を始めます
そして2年目 ユノキさん初めての作品「紅型風型染布」
沖縄の伝統的な染物紅型の模様を自分流にアレンジしたもの
このデビュー作が一人の人物の目に止まります
柳宗悦 日本民藝館 初代館長
柳が創設した日本民藝館にユノキさんのデビュー作が収められた
長年、ユノキさんの型染めの制作を支えてきた中込理晴さん
中込:こんなでかいのやるとは思わなかったw
中込さんの工房
型紙を工房に持ち帰り
まず取り掛かるのは染めない部分に染料が入るのを防ぐためノリを置く作業
ノリを十分乾かしてから次の作業に入ります
今回染める色は黒
60年来の阿吽の呼吸でユノキさんのイメージを形にしていきます
(ものづくりって楽しそうだなぁ!
16年前に妻を亡くして以来
家族やヘルパーのサポートを受けながら一人暮らしを続けてきたユノキさん
95歳になった今、家事ひとつとっても容易ではありません
それでも時間をかけて作れるものは自分で作ります
(生野菜とパン
ユノキ:
パンを切るナイフも長年使ったからこういうカーブができて
器とかナイフとかそういうものと語り合う
というような時間が楽しいですね
何をやってても楽しいんだね
いよいよ新作が出来上がる日
ユノキさんが中込さんの工房を訪れました
ユノキ:できたてほやほや よく染まったね
中込:面白かった
ユノキ:でっかいのをやらないと
中込:まさかこんなにでかいのやるとは思わなかったw
ユノキ:面白くなきゃできないよ
2m40cmもの大作「いのちの樹」(素敵すぎ!
松本市美術館
このドット模様は草間彌生ちゃん! カワイイ
この4月から長野県の松本市美術館でユノキさんの展覧会が予定されていました
しかしまだ開くことはできていません
設営済みの展覧会を特別にご紹介いたします
入るとすぐに最新作
表現したのは何かが弾ける元気の素のようなもの
「2019年 無題」
今を生きているということ
これでおしまいじゃなくて
これからも続くんだという
未来を見つめるユノキさんの気持ちが形になりました
先ほどご紹介した「いのちの樹」も展示されています
新作「木漏れ陽」は、大きな樹が作り出す光と影に心を奪われたそうです
木々の生命力が響き合うかのようです
今は自宅で一日一枚絵を描いて過ごすというユノキさんから
メッセージをいただきました
公園には燃えるような木々がたくさんある
もったいないくらいの光と空気がある
それはみんなの心の中にもある
閉塞感のほうへ行かないで
閉じてしまわないで
心の広がり
人と人とのつながりを取り戻してほしい
心持ちを開いて
松本市美術館では市内在住の方に限り予約制で見てもらう予定です
(いいなあ
千葉県の市川市芳澤ガーデンギャラリーでは
ユノキさんの絵本の仕事を中心にした展覧会を予定しています
(絵本も可愛い! 最初の立体の動物は何だったんだろう?
●#アートシェア
***
ミニシアターパークのことも書いたけれども
美術館・博物館・記念館なども自粛で観客が来なければ
小さなギャラリーはとくに大変だろう
先々までスケジュールが決まっていて
今まさに美術館でセッティングされたままの作品もあれば
人の目に触れないまま片付けられた作品もある
別のニュースでは、神保町の古書街が危機にあると知った
●東京 神田神保町の古書店 約9割が休業継続 新型コロナ | NHKニュース
古書店の店主も組合員も高齢者が多い
世界でも珍しい古書街を守るにも
これまで古書を愛してきた人々の力が必要
人々は衣食住があれば生きていけるが
「文化」がなければ生きていけない生き物なんだ
お手製のチョークで大きな作品を作る
この型紙を元に布を染め上げていく
ユノキ:
広い公園で木に裏側から光が当たると
死んでいない生命力のようなものを感じるんですね
木のような気持ちになって
木と共鳴しあうというか
お互いに話をするような感じで
木は黙っているけれども
「俺にはこんな長い寿命があったんだよ」って
木が言っているような気がするんです
日本民芸館
ユノキさんは布に模様を施す型染めの制作を70年続けてきました
模様はささやかな日常から生まれます
「爪文帯地」指の爪の模様
ユノキ:
伝票の裏側に黒い墨がついている
この形を見ていると面白いと思って
日常的に見える形っていうのは
僕らのとてもヒントになる
嬉しければいいんだよ
なんでも面白いなと思って
不機嫌だったり、悩みがあったり
頭がそっちのほうにいってる時は
そういうことを感じないんだよ
だけど仮に天気が良くて、日曜日だったり
誰でもなんでもいいじゃない
日常のものはそういう風に見えたら楽しいじゃない
ユノキさんが染色に出会ったのは岡山県倉敷市
戦後間もなく大原美術館に就職した時のこと
ユノキ:
このカレンダーが大原美術館の絵葉書売り場に
12枚飾られているのを最初に見た時ショックを受けました
文字でもない
絵でもない
今考えると模様というものに初めて開眼した記念すべき出会いだった
後に人間国宝となる染色家・芹沢銈介の作品
細やかな型染めの技法で作られたカレンダー
芹沢本人と対面し、弟子入りを志願したユノキさん
ユノキさんは芹沢の勧めに従い
江戸時代から続く染物家に住み込み修行を始めます
そして2年目 ユノキさん初めての作品「紅型風型染布」
沖縄の伝統的な染物紅型の模様を自分流にアレンジしたもの
このデビュー作が一人の人物の目に止まります
柳宗悦 日本民藝館 初代館長
柳が創設した日本民藝館にユノキさんのデビュー作が収められた
長年、ユノキさんの型染めの制作を支えてきた中込理晴さん
中込:こんなでかいのやるとは思わなかったw
中込さんの工房
型紙を工房に持ち帰り
まず取り掛かるのは染めない部分に染料が入るのを防ぐためノリを置く作業
ノリを十分乾かしてから次の作業に入ります
今回染める色は黒
60年来の阿吽の呼吸でユノキさんのイメージを形にしていきます
(ものづくりって楽しそうだなぁ!
16年前に妻を亡くして以来
家族やヘルパーのサポートを受けながら一人暮らしを続けてきたユノキさん
95歳になった今、家事ひとつとっても容易ではありません
それでも時間をかけて作れるものは自分で作ります
(生野菜とパン
ユノキ:
パンを切るナイフも長年使ったからこういうカーブができて
器とかナイフとかそういうものと語り合う
というような時間が楽しいですね
何をやってても楽しいんだね
いよいよ新作が出来上がる日
ユノキさんが中込さんの工房を訪れました
ユノキ:できたてほやほや よく染まったね
中込:面白かった
ユノキ:でっかいのをやらないと
中込:まさかこんなにでかいのやるとは思わなかったw
ユノキ:面白くなきゃできないよ
2m40cmもの大作「いのちの樹」(素敵すぎ!
松本市美術館
このドット模様は草間彌生ちゃん! カワイイ
この4月から長野県の松本市美術館でユノキさんの展覧会が予定されていました
しかしまだ開くことはできていません
設営済みの展覧会を特別にご紹介いたします
入るとすぐに最新作
表現したのは何かが弾ける元気の素のようなもの
「2019年 無題」
今を生きているということ
これでおしまいじゃなくて
これからも続くんだという
未来を見つめるユノキさんの気持ちが形になりました
先ほどご紹介した「いのちの樹」も展示されています
新作「木漏れ陽」は、大きな樹が作り出す光と影に心を奪われたそうです
木々の生命力が響き合うかのようです
今は自宅で一日一枚絵を描いて過ごすというユノキさんから
メッセージをいただきました
公園には燃えるような木々がたくさんある
もったいないくらいの光と空気がある
それはみんなの心の中にもある
閉塞感のほうへ行かないで
閉じてしまわないで
心の広がり
人と人とのつながりを取り戻してほしい
心持ちを開いて
松本市美術館では市内在住の方に限り予約制で見てもらう予定です
(いいなあ
千葉県の市川市芳澤ガーデンギャラリーでは
ユノキさんの絵本の仕事を中心にした展覧会を予定しています
(絵本も可愛い! 最初の立体の動物は何だったんだろう?
●#アートシェア
***
ミニシアターパークのことも書いたけれども
美術館・博物館・記念館なども自粛で観客が来なければ
小さなギャラリーはとくに大変だろう
先々までスケジュールが決まっていて
今まさに美術館でセッティングされたままの作品もあれば
人の目に触れないまま片付けられた作品もある
別のニュースでは、神保町の古書街が危機にあると知った
●東京 神田神保町の古書店 約9割が休業継続 新型コロナ | NHKニュース
古書店の店主も組合員も高齢者が多い
世界でも珍しい古書街を守るにも
これまで古書を愛してきた人々の力が必要
人々は衣食住があれば生きていけるが
「文化」がなければ生きていけない生き物なんだ