メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『自然形体療法』 山田洋 著(1)

2020-10-04 13:44:31 | 
どうせ施術を受けるなら、根底にあるメソッドを知った上で
受けるほうが効果的かと思い、興味を持ってAmazonで注文

古本とあったが新品同様/驚
帯はなかった


【内容抜粋メモ】

人間の体は素晴らしい自然治癒力を備えている

自然形体療法は即効性があり
根本的な原因を取り除くことができる
不具合の原因を探り当てて取り除けば
根本治療がもたらされる

現在の医療の主流である西洋医学
表面に出てくる症状ばかりに注目して取り除き、薬に頼る
薬学で対処しきれないと
外科手術で体の一部を切り取ってしまう

カイロプラクティックや整体など
人が人に対して用いるほとんどの技は
攻撃の性格を有する

自然形体療法はそれと同じ物理療法だが
思想や理論が全く異なる
軽く触れて体を動かしたり、軽く牽引したりするだけ
10分程度

人間の体は常に治りたがっている
打撲や捻挫もその場で痛みが消え
脚を引きずっていた人が走れるようになる

世の中の様々な体の不調は
未だに何が原因かはっきりしない

私は過去にあらゆる痛みに苦しめられた
病院で痛み止めの薬をもらっても
一時的に誤魔化しているに過ぎず
失望を幾度も経験するうち
対症療法に飽き足らない思いを持ち
新たな治療法の確立に挑む道に入った

(この辺の経緯は緩消法の坂戸さんと似てる


自然と名付けたのは体にとって
自然な方法であり無害で安全だから

なぜ治せるのか合理的に理論に基づいて説明することができるので
元の痛かった状態に戻すこともできる(驚

現代医学は完治が難しいとされる症状が多い



第1章 自然形体療法とは何か

心の脳と身体の脳
人間の特色は高度な思索を巡らせることができる
これを「心の脳」と呼ぶことにする 大脳新皮質

体の動きはほとんどが無意識に行われる
気温が上がれば体温を下げるため自動的に汗が出る
これを恒常性(ホメオスタシス)と言う

これは心の脳が命令しているわけではない
体についてはまるで無力な存在
内臓でコントロールできるのは肺臓ぐらい

生命活動をコントロールしているのが
小脳、間脳、延髄という部分
これらは生命脳と呼ばれる
これを「身体の脳」と呼ぶことにする


体が暴走する時
身体の脳は、環境に何か変化があると危険として受け止める
体の脳が命令を下して、各部はこれを受けて作戦を実行する
危険が去ったと心の脳がみなせば
緊張を解いて良いと命令を下し健康が維持されている

体の脳には言葉が通じないため時々暴走する
危険が去ったのに環境に危険を感じて保護するため
緊張が解けないままになることがある
結果生じる体の歪みが不調の原因

(パニック障害に似てるな


痛みの多くは危険信号であり
それが続くと体が疲弊し様々な不調が生じる
その命令を解除しなければならない

手技を通じて「もう心配ない 緊張を解いても平気だ」と体の脳に教えてやる


原因不明とされる不具合

痛みには2種類ある

1つは伝染病や事故の外傷に伴う痛み
これには西洋医学を基礎とする現代医学が有効

もう1つは肩こりや神経痛などの原因がはっきりしない痛み
これは自然形体療法の守備範囲

体がねじれて背中がガチガチに凝っていたら
内臓にも影響を及ぼす

病院では最先端の医療機器が揃っている
レントゲン 、CT、 MRI
これらで本当に何でも分かるのか?

外科で診てもらい検査で問題が発見できないと
「気のせいだ」「年のせいだ」などと言われる


心筋梗塞はなぜ起きるのか
現代医学では原因がわからないにも関わらず
病名のように用いられている用語が多い
股関節症、腱鞘炎など「症、症候群、痛、炎」などとつくもの

日本には健康保険制度があり
医者は診断したら病名をつけなければならないため

(これも緩消法で習った


例えば股関節症は筋肉疲労であり
疲労が解消すれば痛みはその場でなくなる

痛風は腰椎の2番がおかしくなっているのが原因
原因が分かれば数秒で良くなる

(ビールの飲みすぎじゃないんだ

心筋梗塞、狭心症も「病」とついていない
これも状態を表している言葉

肋骨の周りにある筋肉が緊張すると
肋骨が広がらなくなる

肋骨は自ら動けないため呼吸が困難になる
心臓が押さえつけられ不整脈が起きたり
止まってしまったりする

肋骨の不具合はパニック障害を引き起こすこともある
心停止と呼吸停止は死亡の判断材料とされる

(だからあんなに苦しいのか
 純粋な恐怖そのものという感じ
 これは体験してみないとなかなか伝わらない


胸と背中の緊張を取り除くと
十分に呼吸ができるようになり解消される

肋骨が原因なのに薬を処方しても完治するわけがない

(クリニックの担当医にも読ませたいな


ヘルペス(帯状疱疹)の正体
現代医学で真の原因が取り違えられているものもある

例えばアレルギーはアレルゲンというたんぱく質が体内に侵入すると
抗体ができるのがアレルギーの原因と西洋医学は説明する

アレルゲンは血液に混ざり体中を巡っている
花粉症で目や鼻など過敏な部分に症状が出ることに説明がつかない

自然形体療法では、アトピーやアレルギーは5日か6日で改善する

首には全身の神経が通っているから
ここが悪くなると全身に症状が出る可能性はある


(私はやっぱり首かなあ?!


ヘルペス、帯状疱疹は体の片側にだけ症状が現れる
原因は椎間板の劣化、収縮
椎間板が左右均等に劣化せず片側が潰れることが多い


動作転移の発見
西洋医学は解剖学から発展したため
静止した状態で物事を判断する

私は動かした時だけ痛む原因が発生すると考えた
これが動作転移の発見

(私が思うに西洋医学って
 戦争で傷ついたり、亡くなった兵士を
 研究したり解剖したりして発展した黒歴史だと思う


腱鞘炎も動作転移
脳が修復するため血液を多く送り込み炎症が生じる
痛みは「もっと血液を送ってくれ」という信号
靭帯が伸びていなければ1回で痛みが消失することも少なくない

(全然1回で治ってないんだけど???


医学が見逃してきたこと
未だに治療困難とされる難病、奇病が多数ある
耳鳴り、椎間板ヘルニア、ドライアイ、自律神経失調症、不眠症などなど

不調の根本的な原因は内臓などではなく
骨格や筋の異常である

体の歪みが不具合の原因
これを軽んじ、内部ばかりに病気の原因を求めてきた


物理と化学
人間の体内では毎日大量にがん細胞が発生しているが
全員ががんになるわけではない

「医聖」と称される古代ギリシャのヒポクラテスは自然治癒力を重視した
今の一般医療も人間が本来備えている
抵抗力、免疫力に着目するようになっている

自然形体療法は物理学の視点で人体を捉える
今の医学は化学、すなわち薬を優先するため無理が生じ
有効でないどころか、治療が余計困難になってしまうことが起きる

(薬害の話も緩消法と重なる


例えば椎間板ヘルニアは椎間板から軟骨が飛び出しているため痛みをもたらす
なぜ軟骨が飛び出したのか原因が分かってないという意味で
西洋医学も一見科学的に見えて中途半端だ

(本当に同感


コルセットはただのつっかえ棒
筋力が弱まり、他の部分への負担を大きくさせる
原因が未解明のままでは問題は完全に解決しない

ヘルニアの根本原因は疲労
筋肉の疲労と体の歪みを取れば血行が改善し
睡眠を十分取れば回復する


家の柱が傾いたら
現代医療は病原菌のようなミクロばかりに目を向けているきらいがある

人体を家に例えれば、骨格や筋肉は屋根、柱、壁だ
臓器はとても柔らかいため
骨格にゆがみが生じれば影響をまともに受ける

血液、リンパ液は生命活動に不可欠な酸素や栄養素を運び
老廃物を体外に出すという重要な役割を担っている


体の歪みはほんのちょっとしたことでも生じる
一旦歪むと自力では簡単に治せない

現実は西洋医学の権威が世界中でまかり通り
化学療法が医療の中心になっている

物事には原因があり結果がある
原因不明とされる不具合の多くは物理的なことが原因だ


進化と不具合
様々な不具合が生じるのは人間の体の構造が歪みやすいから
人類の進化に根源がある

人類を含めた多様な生物が発生したのは海
陸上に進出し、地球の重力に耐えなければならなかった

大きな役割をはたしたのは背骨
ところが生物の体は2本足で歩くようには設計されていない

さらに人類は脳を巨大化させた
成人の頭は5 kg ~6 kg もある
これを支える首は実に華奢だ

人間の首は細いが4足歩行の動物よりは太い
頭を吊り下げる形になっているため負担はかからない(吊り下げる?

首は文字通り人体のネックなのである

自律神経失調症も首に問題があることが多い


第2章 現代医学のどこが駄目か

病気になるのは健康でないから
細菌やウイルスに接触したからといって
すべての人が発症するわけではない
つまり真の原因はウイルスではないということ
体が本来備えている防御能力が衰えているから病気になってしまう

(今のコロナも同じじゃない?


講演会で平均年齢40代半ばの方々に
「これまで一度もインフルエンザにかかったことがない人?」と聞くと6割の方が手をあげた

インフルエンザは毎年のように流行し
そのたび大きく報じられる
70歳であればかかる確率が70回あったことになるが実際はそうではない

人類の長い歴史の中でこれまで幾度となく伝染病が大流行した
太古にも疫病があったが人類は滅亡することなく生き抜いてきた
その子孫が我々現代人である

医学はむしろ健康な人を研究すべき
不健康を未然に防ぐ方向に力を注げば
根本治療の体系を確立していたかもしれない

しかし医学の歴史は病気を治すことばかりに労力を費やした結果
対処療法が主流となっている

自然形体療法が通用するのは人だけではない
以前ハワイに行った時
感染症で耳が腫れ上がっている犬に手技を使い治してやることができた

(すごい!
 生き物すべて薬や手術なしに治すことができる!


痛みは危険信号
押さえつけるのではなく警告として重視すべき
現代医療は痛みを敵のように制圧し
ペインクリニックなども広まっている

痛みだけごまかしても完治は望めない


西洋医学の対症療法
ヒポクラテスは「治せなくてもせめて壊すな」と言った

現代医学は対症療法が主体であり
副作用のある薬や大きな負担のある外科手術
医療過誤などの治療法

体内に入った薬の成分は肝臓に負担をかける
手術は生身の身体を切り刻むという破壊行為

(私は毎年区の健康診断でオールAと言われるが
 肝臓が少し弱いといつも言われるのは
 服薬のせいだという気がしている


ようやく西洋医学でも「侵襲」(ダメージを伴う治療はできるだけ避けるべき)という考えが広まりつつある

キリスト教の思想は、肉体は魂の仮の容れ物とみなしている

(それには同感


ウイルスと闘ってきた歴史があるため
薬を用いる方法が染みついているのだろう
だが副作用のせいで、うつ病の薬の副作用がうつ病という例があるほど

しかし一般人は「これこそ最先端の科学だ」と言われれば素直に信じてしまう

医師を批判しようというのではない
真面目に頑張っているお医者さんがほとんど
しかし学んだ医学に間違いがあるからおかしなことになっている

患者は何とか苦しみから逃れたいとすがっているのに
「病気と上手く付き合って下さい」
などとも言うのは職務怠慢である

(これも同感
 貴重な時間とお金を払っているのに
 真面目でいい人だけでは対価が合わない


がんの三大治療は、手術、放射線、抗がん剤
これらで正常な細胞も大量に破壊される
こうした反省から自然治癒力の偉大さが理解されつつあり
免疫療法が脚光を浴びつつある

がん細胞は毎日大量に発生しているが
健康で免疫システムがちゃんと機能していれば退治してくれる


東洋医学は身体に優しいか
東洋医学の代表格である鍼灸も体を傷つける
鍼を打ち込み、皮膚をお灸であぶる
強く揉んだり叩いたりして内部組織に傷がつく

漢方薬も副作用がないと思われているが
効き目が緩やかだと副作用も緩やかなため気づきにくいだけ

東洋医学も対処療法である
理屈をきちんと科学的に説明していない


整体やカイロプラクティックの問題
私自身かつて学んだことがあるからわかるが
不具合の原因が体の歪みにあるとするのは正しい
しかし強制的に歪みを解消する、無理やり伸ばすのは違う

特にカイロプラクティックは西洋医学的な考え方
元来骨格ががっしりした西洋人には力を信奉するところがある
根本の原因までさかのぼることをしない

腕を動かすのは骨格ではなく脳
曲がったまま動かないのであれば
脳がそうするように命令しているということ

身体の脳が腕を伸ばしたいと思えばスッと伸びる
力やスピードに頼らないこと

他にも骨盤や仙骨の歪みに不具合の原因を求める理論もある
打撲や筋肉痛などで体の一部分が傷んだだけでも
身体の各部分は連携しているため
全身の歪みが生じることがある


結果があれば原因がある
自然形体療法の目標は、症状の緩和ではなく
症状を引き起こしている原因を解消することにある


そもそも原因不明とされる症状がたくさんあるのがおかしい
意味なく発症しているわけはない

私はなぜそうなったのかを知りたいという欲求が人一倍強い

治らなかったのなら前提とした原因が違っていたのか
適応する治療法が違っていたか
治療法が正しければその場で結果が出るはず

自転車を修理に出した時
「直せるかどうか分かりません とりあえず様子を見てみましょう」
などと言われたら客は怒るだろう

だが医療の世界では平気で行われている
「薬を出しますから1週間飲んでみて様子を見てみましょう」

本来ならこう言うべき
「あなたの不具合の原因はこうです
 この薬はこう効きますから、何日後にこうなります」

(治らなかったら全額返してほしいよね
 薬も全部返すから


今や医療過誤の訴訟を恐れて
余計はっきりものを言わなくなっているような気がする



第3章 自然形体療法の手法

基準は「健康体ならどうか」
私のもとに来るのはどこに行っても治らないという方が多い
尺度は、健康体の人と比べて
この人はどこがおかしいかと考え、健康体としての姿に近づける

患者の体の動きや形を観察して推理していく
可能性のあることをひとつずつ取り去る

症状が多ければ時間がかかるが
普通は10分程度で終わる

目標は健康 健康を科学的に分析する


肩こりを消す方法
世の中には湿布や磁気を利用した商品が数多く出回っているが
根本的な原因を取り除くものではない
人は肩がこるものと思い込んでいるようだ

強く叩いたり揉んだりするのも
痛みや不快感を他の感覚にすり替えているだけ

(蚊に食われて痒いところをばってんにして
 痛くすることによっていったん解消するみたいなものかな


マスコミなどでよく言われるのが
「血行が悪くなるため肩がこる」という説

しかしこれはあべこべで
「肩が凝っているから血行が悪く」なる

整体やカイロは肩こりの原因を体の歪みと考える
強い痛みを伴う治療を受けると
身体の脳はますます危険を感じて緊張を高める

肩こりの原因は主に2つ
脳による不要な姿勢の学習
長時間机に向かっていると、少し肩を上げた状態が続く

これを毎日繰り返すと
脳がこの姿勢を維持しなければならないと学習する

机から離れても筋肉が弛緩せず緊張が続き
血管が収縮し、血流が不足する
筋肉が疲労し腫れが生じるという悪循環

首から脳に上がる血行が悪くなると
頭痛、めまい、眼精疲労などの症状が現れる

肩こりのもう一つの原因は過剰警戒反応
強いストレスを受けたりすると体が緊張し
無意識のうちに肩を上げ、すぐに動ける体勢をとる

ストレスに満ちた現代社会に生きていると
日常からこの体勢になりやすい
その影響が集中的に現れやすいのが肩

自然形体療法では
「今は危険な状態ではない こうすれば楽になるから、こうしてみなさい」と教えてあげる
体が心地よく感じて安心できるから緊張が解ける

背中の筋肉の緊張で内臓の不調が起きる
交感神経と副交感神経の関係している
副交感神経が司るのは心臓をのぞく内臓全て(驚


痛みの種類と原因
現代医学では治らない痛みがある

痛みの原因は大きく分けると5種類
神経痛、剥離痛、収束痛、幻痛、緊張痛

さらに細かく分ければ20種類になる
種類が同じでも原因が異なることがある
身体の脳に働きかける手法は現在6000種類ほどある(!

「神経痛」
神経への直接の刺激で生じる痛み
身体の歪みが別の痛みによって引き起こされていることもある

「剥離痛」
患部の炎症で周辺の組織が押し広げられ
剥離が生じ、心臓の鼓動とともにズキンズキンと痛む
筋肉痛もこの一種

「筋肉痛」
体に力が入ったまま解けなくなっている状態
5つの痛みのうち治療が最も難しい

(私はこれかも 常に過緊張だし

「収束痛」
痛みが末端に出たもの
実際の原因は中央部にある

「幻痛」
脳が勝手に作る痛み
身体の脳が過去の痛みの記憶に基づいて
左右同じ状態にしようとする痛みがある場合
ここが痛いと言われて触ってみても原因がない

(耳鳴りも体の作る音と考えるとフシギ


痛みをかき出す
私は現代医学の定説に対してさまざまな疑問を持つようになった
仮説と実証を積み重ねて原因を解明し解消法を開発してきた

誰もが経験する身近な筋肉痛ですら
本当の原因は理解されていない
定説らしく語られているのは「筋肉繊維の断裂による痛み」

朝起きた時に症状があっても
仕事を始めると痛みを感じなくなっていく
繊維の断裂なら動くほど痛みは増すはずだ

平成4年 プールでクロールで泳いでいて
その後両肩が膨れて痛くなった

突き詰めて考えて、筋肉痛は老廃物が隙間に溜まり
筋肉が剥離しているから痛いとわかり、その場で解消した
この方法を「指撫法」と名付けた

さらに考えを進め、手でこすってかき出すより
筋肉を両側から張れば
老廃物は血管内に押し戻せるのではないか
やってみたらこのほうが早く治せた
これを「振張法」と名付けた

若いうちは肉体を酷使した翌日に筋肉痛になる
年を取ると遅れて現れる

体力は年齢とともに衰えるから
中年以降のほうが筋肉の損傷が大きいはずだが現実は逆

元気な若者の体は即時にダメージの修復に取り掛かる
痛みは肉体の修復作業に伴う現象なのだ


筋肉と筋膜の関係
癒着について
(ここは今の症状に一番関連していると思われる

筋肉は筋膜に取り囲まれて保護されている
筋肉は収縮できるが伸長はできない
逆側の筋肉の引っ張る力によって伸ばされる

筋膜はそれ自体で動かない
筋膜は筋肉よりも丈夫な組織で網のような構造

筋肉と筋膜が擦れ合う動きが続くと
摩擦で筋肉表面の細胞組織が傷む
筋膜は変形できなくなり伸縮性を失う
すると筋肉も動けなくなる

(この辺は専門的でよくわからなかった


引っ掛かり(筋膜損傷の作用)
引っ掛かりを感じる場所はほぼ一定で
同じ動作で同じ位置に生じる筋膜の毛羽立ち
癒着ではないので手で比較的簡単に解消することができる


筋肉の変形
骨格と同様、触診が微細に行われるようになると
筋肉の変形が具体的に分かるようになる

筋肉の変形は全身に存在し
骨格の変形に直結するが
だいたい1日5、6時間練習すると
早くて3日間で習得できる

触るだけなので治療が非常に簡単
しかも立った状態でも治療ができる


(うつ伏せに寝なくても済むんだ


自然形体(療法を含む)の総合的完成
現在は自己治療法、ストレッチ法、トレーニング法なども包含している

「触診法と整形法」
筋肉だけにそっと触れて歪みや変形を直すことで骨格全体を整える
自然な状態に返れば、野生のような柔軟、強靭、活力があふれる体になる

(春日さんが「静圧」と言っていたのはコレか?


部位別の実例
こうすればいいのかと分かれば
身体の脳は自力で自らを癒す
回復力を助けることで完治を期待できる

自然形体療法の手技は、触ったり牽引したり
ポイントはあくまでも優しく行うこと

強く、速く動かしたり
強く捻ったり、揉んだり、叩いたり
すれば
身体の脳は危険と認識する
この構えこそが歪みの元

痛みや症状は千差万別
それぞれに応じてやることが異なる

全身を観察し、症部(症状が発現している部分)の状態から細部を判断する
こういう姿勢をとると痛いというような話を聞き、痛みの原因を推理する
可能性のある問題を手法によって1つずつ取り除き根本原因を取り除く


「五十肩」
肩甲骨、上腕、鎖骨が筋肉の癒着で動かなくなった状態
癒着を手技で解消すれば1時間半もあれば治る

(治らなかったが?

その場で痛みも解消し可動域もほとんど正常にできる
筋肉の癒着の理論を解明し解消できる

1 大腿を左右均等にする
2 骨盤臀部を左右対象にして脊柱の歪みや湾曲を修正する
3 頚椎の歪みや湾曲を修正する
4 最後に頭蓋骨の変形を正しくする

治療はごく軽く触れるだけ
指2本程度の力で十分
しかも10秒程で完了する

左右の肩を触ってみてでこぼこになっていたり
形が異常になっているほうの筋肉を
軽く押したり引いたりしながら
痛いほうを痛くないほうの形に整えてやると痛みが消える


「骨折」
骨接ぎ、整骨院で無理やり合わせようとすると痛い
私は3つに折れた骨を自然形体で治したこともある


「半月板損傷」
ほとんどの場合1回の治療で済む
短時間で痛みも全くない


「痛風」
痛みを感じる場所に原因があるのはたった1種類 筋肉痛だ
三大疼痛の一つに挙げられる痛風も同様
腰椎の2番目、足の親指の横に繋がる神経が圧迫されている
骨がずれて神経を挟んでいる
コツを掴めば自力で治せる


「イボ、タコ」
レーザーで焼き切っても皮膚の奥に根が残っていればまた出てくる
原因は圧迫
靴の中で足にかかっている圧力が均等ではない
強く当たる部分でできる一種の自己防衛
潰れた組織を元に戻せば良い


「小顔」
頭蓋骨は何枚かの骨が組み合わさってできている
それだけズレやすい
頭蓋骨を元に戻せば耳鳴りや頭痛が完治することもある


「がん」
20歳で胃がんになり
医者から「余命10ヶ月」と宣告された女性は
46歳の今もピンピンしている

がんを退治する一つの大きな指針は健康になること

内臓の働きが悪くなったところに無理やり食べ物を詰め込むのは良くない
工場が停止すれば食べ物は腐敗し毒物となり臓器を破壊する

骨格と筋肉は共通している
がん患者は体が歪み、正常な形にすれば防衛力を発揮する

霊芝、アガリスクなどのサプリメント
補助として用いれば有効だと思う

将来的に自然形体療法はがん治療にも応用できると思う
この場合、現代医学の対処療法と互いに補完するものとなるだろう


人の体は1年間でほぼ全ての細胞が新しく入れ替わる
それなら治らない病気はないと思えるが
現実はしつこく長引く症状がある

人間は生きている限り治るということを確信した


理屈と体得の違い
手技を行うものにも身体の脳で行うことが求められる
フォームを意識しなくても反射的にできるようにしなければならない
そのためにはひたすら繰り返すしかない

ゴルフも本を熟読し理論を完璧に理解しても上手くなるはずがない
職人芸も長期間の鍛錬によって出来上がる
頭で理解したというのは入り口に立ったに過ぎない

自然形体療法も一見簡単そうだが
器用な人でも真似してうまくいくこといくことはない

身体の脳レベルで体得するしかない

治療する側の本能を抑えこまなければできない
自分のやりたいようにやると全て攻撃になってしまう

学びたいという方がいて、教えてもなかなかできない
身体の脳が覚えると無意識にできるようになり
他の事を考えながら行うこともできる

覚えたての人が自信を持って音信不通になってしまうことがある
自然形体療法は奥が深く研鑽には終わりはない



第4章 自然のままが最善

あまりに清潔な環境がアレルギーを招く
日本人は度の過ぎた清潔志向がある

殺菌力の強い石鹸で何度も手を洗うと
常在菌まで殺してしまう

細菌やウイルスからガードされた環境で育った子ども達は
免疫力が十分発達せず、大人になってから抵抗力が弱くなる
過保護にすればするほど弱くなってしまう

10年ほど前、東南アジアに旅行した人の間でコレラが発生したことがあり
発症したのは日本人観光客だけだった

国民の衛生観念が極端なのが日本とドイツだという

農業も同じく、昔は土を食べて判断するのが当たり前だった
今では化学肥料や農薬を大量に使った土壌では危険行為になってしまう

怪我をした時のも無理に取り除かなくて良い
膿は細菌と戦った白血球の死骸で害はない

火傷の水ぶくれも無理に潰すことはない
放っておけば自然に破れ
下にはちゃんと新しい皮膚ができている


現代人の飽食
柔らかいものばかり食べていれば歯が悪くなる
あまり噛まないと顎が衰える

日本の若者の顎がどんどん細くなっているのは
硬い物を噛まなくなったため
歯が生えるスペースがなくなり歯並びが悪くなる

よく噛まないと唾液が十分に分泌されない
唾液には免疫力を高める効果がある

昨今の健康ブームは自然から逸脱している
人間の体は必要なものは自然に食べるもの
無性に食べたくなるのは体が欲しているもの

健康のため1日に何十品目食べなければならないと言うがその必要はない
子どもの頃、茄子が取れる季節になれば
朝から晩まで茄子づくしだった
こういう食生活は明治以前の農家では当たり前だった

多くの動物はかなりの偏食だ
ライオンは肉しか食べない
肉食獣の体内では必要な栄養素が作られる
象は草しか食べないが、あれだけ立派な体を保っている

年齢を重ねれば段々省エネで動くことができる
それでもやたら大量に食べ続ける人が多い

栄養がありそうなものをミキサーで混ぜ合わせて飲み込むのは愚の骨頂
ネギにはネギの味がある
味のわからない子どもにするだけだ

(スムージーにも否定的なわけだ
 私が飲んでいる野菜ジュースも同じかなあ
 料理が苦手な人は健康になれないのか?
 1粒で栄養素がすべてとれる自然で安全な食べ物がないかなあ!


食べたものはすべて門脈を通り肝臓に行き
分解され、栄養素として作り替えられる


過食の負担
食べ過ぎると内臓の周囲を脂肪が取り巻き脂肪肝になったりする

人間が毎日3食食べるようになったのはつい最近のこと
毎日色々な食材を摂り続けると内臓に負担がかかる

日本は長寿国だが、お年寄りは戦争などの厳しい時代を経験し粗食に耐えてきた

イスラム教徒は断食を行うが
体内に溜まったカスを出す効果があると思う
消化しきれなかった食べ物は腸にたまる

本来、動物は空腹を感じた時に食事をとるのが自然の姿
現代人は時計通りに動くため
空腹でなくてもほぼ決まった時間に物を食べる


地場のものを食べる
自分が住んでいる地域で採れる
旬のものを食べるのが自然な健康法

「四里四方に病なし」
自分の生活圏でとれる食べ物を摂っていれば健康でいられるという意味

戦後の子どもは学校給食を介して西洋の食生活で育てられた
占領軍は政策としてパン食を普及させ
軍需用で余った脱脂粉乳を与えた

子どもを標的にした政策は見事に成功し
日本人の食生活はすっかり西洋風になった


国内で生産するよりずっと安く調達できるから
外国から大量に輸入している

日本食は食物繊維が多い
皮肉なことに和食が健康に良いと欧米で知られるようになり人気を集める一方
日本人は食事が原因と思われる病気が増えている

アメリカは次の標的を中国と定めたようだ
かつて中国は食料の一大生産国で輸出国だったが、今は輸入国に転じている

1 kg の肉牛を肥育するには
餌としてその11倍の穀物が必要になる


アメリカはバイオエタノールという
とうもろこしを燃料にすることまで始めている

(ここら辺はヴィーガンの話だね


より自然に近い畳の生活
今の子どもはキレやすいと言われる
首の骨の歪みが原因になっていることがある

歪みをもたらすものに椅子とベッドという
西洋風の生活習慣がある

現代のビジネスマンのように
椅子に座ったまま長時間同じ姿勢を維持するのは極めて不自然で
腰痛や肩こりなどの原因となる

畳は地面と同じ自然に近いライフスタイルと言える

椅子やベッドから立ち上がるのは、筋肉を使わなくていいから簡単だ
畳に座った状態から立ち上がるだけで足腰にかなり力を入れることになる
昔の日本人は足腰が丈夫だった

戦後、生活習慣が欧風化し
すぐに転んで骨折する高齢者も増えている気がする

畳で生活をしていた時代の日本人は小柄だが
今では考えられないくらいの体力があった


大東亜戦争の時、大柄な米兵を片手で塹壕から引っ張り上げて連れ去る
翌朝、隣で寝ていた兵士が消えて
米兵にとっては極限の恐怖だったそうだ


西洋のパワー信奉
白人はパワーを信奉するところがある
プロスポーツ選手の筋肉増強剤が問題になったりする

重い筋肉を身に纏えば体のキレは悪くなり、故障の原因にもなる
イチロー選手などむしろスマートなほうだ
彼らは必要な筋肉だけがあればいい


自然鍛錬法
筋肉には2種類ある
収縮速度が速いが疲労しやすい速筋と
収縮速度は遅いが持久力がある遅筋

筋肉は全て連動している
特定の筋肉ばかり鍛えると体の歪みが生じやすくなる

猫や犬は筋トレなどしないが
ヒトの何倍もの運動能力を維持する
生きるための筋肉は自然な動きだけで維持できるようになっている

骨格を維持するための筋肉が衰えると
姿勢を維持しにくくなる


(ヨガのインストラクターさんに
 体を軟らかくするだけじゃなく、筋肉も必要だと言われたな


動物の動きを真似てトレーニングすることで
姿勢を正しく保ち、体の歪みを防ぐことができる
それを自然鍛錬法と名付けた


呼吸法の間違い
有酸素運動が健康にいいというが
これも西洋的な発想

(また鎖国したほうがいい?


腹式呼吸は激しく運動する時のためのもの

女性は生まれながらにして胸式呼吸をしている
胸式呼吸をすると肋骨、肺、心臓もちゃんと動く

酸素は何でも酸化させる
人間の体もまた酸素で錆びる

地球の大気は窒素と酸素の割合がうまく保たれているため
動物が生きることができる


バランスの重要性
中国の村でスズメ退治をした
今年は穀物を食べられずに済むと喜んだが
害虫が大量に発生して穀物は全て食べられてしまった
生態系の重要性が世界的に意識されつつある

何事につけ重要なのはバランスがとれているということ

極論すれば何も考える必要はない
自然のまま、ありのままに生きていけば
最も心身に良いということ



コメント

『自然形体療法』 山田洋 著(2)

2020-10-04 13:44:30 | 
第5章 自然形体療法を創るまで

経験の賜物
私は貧しい家に生まれたため
肉体労働からデスクワークまで多くの職業を経験した

軽作業でも同じことを毎日続けていると
体に意外なほどダメージが蓄積する

ありとあらゆる痛みを味わったが
後年大いに役立った

患者さんが訴える痛みを追体験できるということ
西洋医学の理論や治療法の過ちに気づくことができた

振り返れば過去の経験が全て
自然形体療法の理論構築、手法の開発に役立っている
何か特別な力が働いたのではないかと思えるほどだ

(私も常々思うけど、医者になる人は
 自分も一度同じ病気にかかってみればいいと思う
 そうすれば15分診療などありえない


200 kg の荷をいかに運ぶか
人足として働き、フォークリフトもないから
ほとんど人力だけで荷運びをしていた

当時の荷物は今より重く
1袋50 kg のセメント袋を4袋持つツワモノもいた
重さにして実に200 kg

翌朝、全身が動かないひどい筋肉痛だが
痛みを我慢してしばらく動いていると痛みを感じなくなった

だんだんコツが分かってきた
ようは体の使い方だ

骨格の軸をまっすぐにして
地面に荷物の重みを逃がしてやる
そのコツを会得した途端全く疲れなくなった

筋肉も力を入れたときは一定しているようだが
力を入れたり抜いたりを断続的に繰り返している


むしろ軽い荷が難しい
最も難しいかったのが空のアルミ缶を入れたダンボールだった
慣れた人は一度に20個ほども重ね
見事にバランスをとりながら運ぶ
手のひらの感覚だけでバランスをとる
これも力を抜かないとうまくいかない


環境に適応する身体
体は置かれた環境に適応する

(良くも悪くもだね

雪の降る早朝、上半身裸のまま掃き掃除をしていてひどく驚かれた
私は新潟県で育ち、オンボロ長屋で暖房器具は炬燵だけ
関東平野の冬はまるで寒く感じなかった


肉体改造にともなう痛み
リウマチの原因を突き止めるヒントになったのは
荷運びの仕事で指を痛めた経験

深夜に突然両手に激痛が走り
指は倍くらいに腫れ上がり曲らない
休みたくとも食べていくために仕方なく仕事を続け、疲労も限界で血尿が出た

(こうした苦労話も坂戸さんに似ている


どの仕事も初めて3週間くらいで痛みや疲労のピークがくる
それを超えると3週間くらいで元に戻る
体は最小限の力で無駄なく動くようになる

介護職で腰痛になる人が多い
高齢者がそれほど重くないため
かえって持ち方のコツが分からず
知らず知らずのうちに無理をしているのである

リウマチの本質は人体改造に伴う痛み
体の意思が自分の体を環境に適合させようとして
筋肉に無理のかかるところの関節を一体化または変形させる
それに伴う痛み
工事が終わると痛みはなくなる

進化は突然変異の結果ではない
生物は環境の変化に順応するため
生きながら変化していくものだ


労働を通じて知ったこと
船具商をしていた時、先輩から
「絶対に海に落ちるな 岸壁と船の間に落ちると脱出するのが難しい」と教えられた

この時、重心を崩さない歩き方をマスターした
足の裏、膝、腰を柔軟にしなければならず
力を抜くのがコツだった

化学処理用のタンクの受け皿を製造する作業では
誤差1/1000ミリまで平らにするのが仕事だった
これが自然形体療法で人体の歪みを取るのとよく似ている

治療もやり過ぎれば逆効果となる
重症の人ほど気をつけなければならない



ムチウチ症になった時の発見
20代の頃トランポリンから頭から落ちて
首がグキッとなったことがある
これ以降、肩のコリを感じるようになった

数年後、ムチウチ症になった
頭痛肩、こり、吐き気、目の痛みなどなど

鍼、灸、貼り薬、吸い玉、磁気、あらゆる療法を試したが
その場しのぎでしかなかった

(私もやられたことがあることばかり


エレキバンは1週間貼ったままにしたら皮膚に穴が開いた(
この経験から皮膚は穏やかな圧迫に対して
その部分を緩めて対応することを発見した


栄養失調の経験
働きながら定時制高校に通っていた頃
金が底をつき10日ほど断食する羽目になった

この時の後遺障が1年後に現れた
医者から「若年性糖尿病で治らない」と告げられた
当時22歳 健康を害した人の苦しみが嫌というほどわかった
これをヒントに疲労の問題を解明し
新たな手法を開発できた

奇跡的に健康を取り戻したのは身延山の登山がきっかけ
これ以降、私は神仏の加護を感じた


自然形体療法への第一歩
平成2年 コンピューターソフトを開発する会社を立ち上げたが
親会社が倒産して経営に行き詰まる

以前、台湾に行った時占い師から「軍人か医者に向いている」と言われた

すでに40歳を超えていたため医学部に入学するのもいささか遅すぎる
医者になれなくても痛みに苦しむ人を
助ける仕事ならできるのではないかと考えた

坐骨神経痛になった原因は定時制高校生の時の柔道の練習
病院で痛み止めの注射を打ってもらい
そのうち治るだろうと甘く見ていたのが間違いだった

たまたま骨盤整体の無料体験の募集が目にとまり
行ったところ、その場で痛みが綺麗に取れたことに驚き
すぐに受講の申し込みをした
私はここで整体とカイロプラクティックを学んだ

開業して間もなく脊椎側湾症の小学1年生の男の子が訪れてきた
いくらやっても治らないため先生に聞くと
「8年くらいで治るだろう」と言われて不信感が芽生えた
治らないならそう言えばいい

研修会に出席した時、師匠の一番弟子が
「先生、二人目をやりました」と言い
師匠は「3人やらんと一人前にならん」と答えた
患者さんを植物人間にしてしまった話だった

カイロプラクティックや整体の問題点は
力と速度で治そうとするものだ
ヘタをすれば半身不随、寝たきり、植物人間状態にしてしまう危険性もある

ある勉強会で先生が
「頚椎は検査のために触ると動くことがあるので注意するように」
と言うのを聞いて、乱暴なことをしなくても治せるのではないかと考えた

もうひとつのきっかけは、後輩の女性の先生が
「間違った方法でやったにもかかわらず治った」というのを聞いたことだった

(どんなスクールなんだ!?
 案外どこの医療現場も中に入ってみれば同じかもね


ある患者さんが「手を伸ばしただけでぎっくり腰になった」
という話を聞き、逆の動作をすれば戻せるのではないかと考えた

以前読んだ本に書かれていた無痛バランス療法を思い出し、1ヶ月後の研修会に参加した
最初に覚えたのが平泳ぎ操法という手技
これだけで私は整体の看板をあげた

私は人に聞かれれば知っていることは何でも教える主義だったため
先生や他の理事から糾弾された


ぎっくり腰の女性で開眼する
ぎっくり腰の若い女性がやってきた
ひどく痛がりうつ伏せにもできず、検査すらできない
平泳ぎ操法の原理を応用して
自分なりの方法を試みることにした

とにかく脚の筋肉を動かせば良いと考え
足首を回転させたら痛みがなくなり
その後数回通ってすっかり良くなった

これ以降、平泳ぎ操法で効果のない人に
自分なりの手技を次々と考え出していった

よく効くという噂が近隣に広がり
訪れる人がどんどん増えた

脚を動かす方法「爪先捻転」を覚え
この2つしかやらなかったが評判となった

なぜ痛みが取れないのか真剣に模索しながら治療にあたり
平成9年、「自然形体療法」と命名して現在に至る


第6章 発展する自然形体療法

三位一体の健康法
いつでも自分の好きなところに行き、好きなことができる
それこそ人生を十分に謳歌できるというものだ

平成12年から研究に入り、作り上げたのが自己療法
それに加え、独自の筋力トレーニング法として「自然自己鍛錬法」を開発
寝たままでもできるから寝たきりの状態でも可能


3つの健康法を統合したのが三位一体の健康法

「健康鍛錬法(寝床体操)」
平らな場所に仰向けのままできる体操を開発した
一連の動作を3回繰り返して1セットとする

けして頑張って行うものではない
息を止めずゆっくり行う

首や背中、腰の痛みの原因は
骨折、脊柱の湾曲、変形などが考えられる



マザーキャットとマザーキャットクッション
平成20年、画期的な治療道具の開発に成功
きっかけは膝の痛みについての考察

骨と骨は完全にくっついているわけではなく
ある程度の隙間があるから回転できる
くっつきすぎるから痛みを感じている

哺乳瓶の乳首に用いられる高純度プラチナシリコンが最適だとわかった
数本束ねたものを身体に当てて転がすと
心地よい刺激が得られる
血流、リンパの流れが促進され
筋肉の緊張が解消されることが期待できる

転がすたびに当たるところが異なり
新しい刺激が得られるためマンネリにならず効果が持続する


断面を見ると猫の肉球のように見えるため
マザーキャットと名付けた


MC の使用法
500パターンを超えるが基本は4つ

身体に密着させてコロコロ転がす
体に当ててポンポンとリズミカルに弾ませる
筋肉の細い部分には先端をトントンと弾ませる
痛みの周辺から症状のある部分に向かって行う
骨と骨の間など狭い部分にきりもみ


MC の症状別使用法

「頭痛」
頭全体をポンポンする
後頭部から首にかけてコロコロ転がす
治療時間を短縮できる


さらに大きく脱皮した自然形体療法
骨格は自ら動けず、筋肉によって動かされる
筋肉に命令しているのは脳
脳の誤った命令を解除しなければならない


骨格だけでなく筋肉にも転移があることを発見した
筋肉の形そのものが異なる

本来骨盤は直しにくいが、脚の筋肉をしばらく軽く押すと正常になった
筋肉が変形したままになっている
筋肉を包んでいる筋膜のせいであろう

この時 MC が威力を発揮する
伝わる力が同じにできるため
治療はごく軽く触れるだけ
指2本程度の力で十分なので子どもでも近いことができる
10秒で完了する

(言い切り型が多いが、症状は人それぞれで
 治る期間もそれぞれだと明記してもらわないと困る



第7章 五十ヶ条の治癒理論

根本治療確立のために
将来、自然形体療法の研究が進めば
多くの病を素手だけで予防、治療し
本来の健康状態にできる時代が来るだろう

薬害の心配もない
高額な医療機器もいらない
僻地でも効果をあげられる

これこそ人類が待ち望む治療の在り方だ


治癒理論五十ヶ条解説
私のこれまでに解明した治癒理論を公開する

第1条 自然な動きを助けると可動域が広がる
進化とは、不要になった器官は捨て
利用できるものを発達させる
適者生存こそが全ての生き物を生かすための最高の原則

競争を忌み嫌う平和主義者がいるが
他の生物の生命を奪わなければ
生きていけないことを考えないのだろうか

かつてアフリカで肉食動物の個体数を人為的に制限したところ
草食動物に伝染病が広がり絶滅の危機に瀕したという

野生の世界では、病気や怪我をした草食動物が格好の餌となる
本来なら死んだはずの弱い個体が生き残り
群れに病原菌を撒き散らした結果

人間世界でもやたらと予防接種が多くなった
生き物は過保護にするほど弱くなり
環境への適応能力を失う

インスリンを投与すれば、これを作る体内の機能が落ちる
人工透析をすれば腎臓の機能は低下する
自助努力を促せば、たちまち元気を回復する

環境に適応するのが生存の絶対条件
環境に素直に従い反応すること
それで可動域が広がる
無用な自己防衛を止めることも意味する

すべての神経が通る頚椎の緊張を解消する


「肩こり」
肩には複雑な動きをする筋肉が集中している
肩が上がらない場合、肩甲骨の周辺や脇の下でコロコロ転がす
僧帽筋、胸鎖乳突筋の緊張を解く


「五十肩」
筋肉の癒着の理論を解明し解消できる


「腰痛」
背中を支える筋肉を回復することで軽減できる
痛みの周辺からポンポンしてコロコロで治療を終えるようにする
股関節痛の場合、身体の側面から太ももの付け根をトントン叩く


「鬼に金棒」の治療道具
2010年 マザーキャットクッションを開発
背中の痛みや疲労が寝ているだけで取れる
腕や脚に密着させて巻きつけ転がすように動かす「捻転」という治療法を開発

MC を用いることで特殊な技術がなくても
素人でも手順通りにやれば使える

中空構造なので体にとって攻撃にならない
MC は手に勝る柔軟性を持つ

MC を販売し、充分な効果をもたらすため
レッスンの受講をお願いしている
治療院の先生方を対象とした講習会を全国各地で実施している

自然な動きを助ければ可動域が広がる
自然形体の手法でこれが第一の原則


第2条 不自然な動きは体を損ねる

第3条 筋肉、神経は呼気で牽引すると弛緩する
筋肉は緊張して牽引する能力しかない
腕を曲げるとき内側の筋肉が緊張し
外側の筋肉は弛緩して伸びる

筋肉だけでなく神経も同様
自然形体はこの条件反射を応用する

呼吸を利用する
自律神経は内臓を律する
戦闘に備えると人の体は交感神経が緊張し
特に心臓が活発になる
内臓は休息状態

吸気は交感神経の働き
脳への働きの手段として五感の利用が有効
特に目、耳、鼻は脳や精神作用への治療法として重要になるだろう


(理解出来なかった箇所はカットした


第5条
両手を上げると自然に両手首が回内して上がる
回外すれば上がらない
回内もすぎると上げにくくなる


第9条
最後までしっかり治療を継続しなければならない
特に手を離す時が重要
この時、最終的な結果が決まる


第10条
身体の脳は環境の変化を最初は全て攻撃とみなして緊張する
不審なものは全て敵とみなして行動し
敵ではないと確認できた時、初めて緊張を解く

目標は寝たきりの高齢者や障害を持った人が
自力で死ぬまで生活ができるようにすること
これこそが真の健康

あくまで自然な方法で得られなければ意味がない
器械、器具、薬物を用いない
どこでも誰でも簡単にできる

「動物の鍛錬法」
私は犬と猫を飼っている
なぜ猫は筋肉が衰えないのだろう
人間が毎日じっとしていたら
すぐに筋肉が衰弱してまともに歩けなくなる

猫は一日中じっとしているが
眠りから覚めると伸びをする

筋肉に思い切り力を入れるのは自然な鍛錬になっている
ポイントは目いっぱいやること
思い切り力を入れる


「野生動物の運動能力」
猫や犬は実際に使う筋肉しか鍛えない
シンクロナイズドスイミングの選手は大量に食べて脂肪を付け、浮力を得る
練習があまりに激しいため、食べても太らないのが悩みのようだ

野生動物は過酷な大自然の中で
生き抜くために必要な骨格と筋肉をつけている

サラブレッドはただ速く走らせるために
人工的に交配を重ね足が細すぎる体型になり
レースで全力疾走しただけで折れてしまう


狩りをする動物は、狩りのための身体を持ち
逃げる動物は逃げるための身体を持つ
それぞれの生きるための骨格になっている

人間の骨格はかなり特殊な構造
弱々しい人類は、ただ脳をひたすら発達させることで生き残ってきた
そのツケで首に過度な負荷がかかるようになってしまった


第11条
相手が弱くても無用な戦いは避けるのが常
人の体も同様、外部からの刺激には全身で反応する


第12条
身体の脳は外部の環境に休みなく反応し続けている
他の人間も環境の一つ
全てを敵、危険とみなして即応する
ある姿勢を制御するには膨大な情報の処理と筋肉への指令が必要
これらは延髄、小脳、間脳などの生命中枢で行われている


第13条
体の歪みの根源は何か 過剰防衛反応
継続的な悪環境に置かれると自己防衛体制をとる→歪みとなる

体を守ろうとする時、動物も半身の姿勢をとる 攻防両用の構え
体の脳がこの防御姿勢を強く記憶すると
簡単には止められなくなり
恒常的な歪みとなる

体の脳は必要なら自らの体を自在に改造する能力を持つ


「退化と進化は表裏一体」
鳥類は飛ぶ力を得た代わりに前足を失った
体の脳が必要だと誤って判断した部分に適用されると
リウマチ、オスグット病、ガングリオンなどの形で発現すると考えられる


第15条
自分の体に感謝し、敬意を払わなければならない


第16条
脳への報告と指令を待てない時のために脊髄反射がある


第17条
情動 不安を感じると心臓の鼓動が早まり、呼吸も早くなる
理性では危険がないとわかっているのに
恐怖などの感情を抑えきれない

(パニック障害はここら辺が当てはまるんじゃないかな

これは脳の位置に表れている
生命脳は最も深いところにあるが
感情脳はその上、知性の脳である大脳新皮質は最上部
生命脳から最も遠い位置にある


第18条
「自分の体は自分がよく分かっている」
などと思い込みがちだが実際は何も知らない
体を支配しているのは意識の脳ではなく身体の脳


第19条
身体の脳は速さに恐怖を感じる
自分より速いと相手から逃れられないと感じるため
治療はゆったりとした動きが良い
痛みのある人は速さに対して恐怖心が湧きやすく体を硬くして構える

(これもパニック症に通じる
 新幹線に乗ると自分に対応できないスピードと振動で発作が起きる


第20条
早く動くことのできない老人や具合の悪い人は同じスピードでも恐怖を感じる


第21条
事故の経験がある人は、それと似た音や状況で一瞬にして記憶が蘇る
当時の体の状態を再現したりする
これも身体の脳の記憶によるもの


第22条
危険があるとわかると、身体の脳は身を守るため体を硬くして対応する
五十肩、股関節症、膝関節症は
劣悪な環境があり、体が克服できなかった結果
劣悪な環境が継続するほど体は殻に閉じこもった状態になる


第23条
牽引されることで逆に緊張が高まり
強い緊張痛が生じることがある
それは効果があったとも言えるが
一旦緩めて続ければ最終的には緊張を解くことになる


第24条
寒さは危険で厳しい環境
予測に合わない大きな変化が起きると変調をきたす

身体の脳は体温を維持しようと
全身の筋肉を震わせて熱を作る

頸椎の筋肉を緊張させて頭蓋骨を下に引き下げる
特に影響を受けやすいのが目、鼻、喉の粘膜
これが花粉症やアレルギー、アトピーなどの原因となる
頚椎の異常が原因


第25条
筋肉が緊張している時、牽引してもさらに緊張することがある 筋肉痛
靭帯も伸縮しない

筋肉に恒常的な異常緊張が生じると
可動域が極端に制限され
その部分に掛かる荷重に耐え兼ねて
最終的にはその関節は固定化される

緊張している筋肉に対しては
可動域を少し超えた牽引が必要となる

(だから緩消法であんなに回されたのかな
「動かさないと余計固まる」と言われた


第26条
動物を可愛がる時、優しく撫でてやれば緊張を解く
これが弛緩した状態であり治療目的に合致する


第27条
一定の姿勢を長時間続けると子どもでも体の柔軟性はすぐには戻らない


第28条
前記の状態を回復させるには最低5秒~10秒を要する


第29条
痛みは身体を修復する合図でもある
良い例が疲労による筋肉痛
なぜ筋肉を使っている時でなく時間をおいて発生するのか

筋肉の修復や疲労の回復は
体を休めている夜間の睡眠時に行われる

老廃物が完全に排出できないと剥離痛が生じる

筋肉痛の時間差は体の元気さに比例する
剥離痛は朝起きて筋肉を動かし始めると消える
その前段階としてだるさが発生する


第30条
痛みを感じる方向に体を動かすのは危険


第31条
武道における関節技は、そのまま自然形体療法の手法として使用できる
筋肉に最も牽引がかかるから


第32条
恒常性は生き物の自然治癒力を構成する重要な要素
生存のための基礎、根幹と言っていい


第33条
「身体は常に治りたがっている」
これはヒポクラテスの言葉を私なりに言い換えた言葉


第34条
生きてさえいれば必ず治る
治らないとすれば治し方が間違っているか
方法が分からないだけ


(ここを施術者にちゃんと読んで欲しいな


体の細胞は生まれ変わるが
一気に交換するのではなく
徐々に交換するため
新しい細胞に過度の負担がかかれば劣化してしまう


第35条
人類はずっと質素な生活を続けていた
人間のほとんどは偏食だった


第36条
環境に適応したものだけが生き残るのが自然界の掟
全ての動植物はこの大原則から離脱できない
自分が持っている能力を最大限に発揮するしか生きる道はない

外部から熱を与えれば体が熱を作らなくなり
筋肉を使わなければ退化して役に立たなくなる
過保護にすれば自律作用を失い自立できなくなる


第37条
軟組織は長時間の摩擦、圧力、打撲などの
急激な圧力によって損屈を起こすことがある
剥離ではないので3秒以上で十分


第38条
内傷とは体内の傷、剥離と定義する
左右から挟むか横から押さえるようにすると痛みは消える


第39条
内臓病の原因は背部の筋肉の緊張
現代医学では「内臓反射で背部に痛みが生じる」と言うが
原因と結果を逆に捉えている

筋肉は収縮できるが伸びることはできない
自らの意思に反して筋肉が緊張、収縮した状態が解けなくなるのが凝り

血管が収縮し、血行が遅滞する
筋肉は疲労し、老廃物が停滞し
痛みや不快感が発生する

凝りは筋肉の緊張が生み出した結果
脳の命令によって起きる

表裏一体という言葉があるが、背と腹は一体のもの
背部の緊張は腹部の緊張を引き起こす
精神的ストレスの影響が胃腸に出やすいのもこうした理由から

精神的ストレスを受けると
無意識に防御の姿勢を取るため腹部の筋肉が緊張する
怒り、悲しみ、苦しみを感じると
人は身を守ろうとして体を硬くする

肉体的ストレスを受けた時は、後ろ側の筋肉が緊張する

人間の顔、頭は首の前側に位置している
身体前面の緊張は内臓に影響する

背部の筋の緊張も内臓の働きを悪くする

胃も筋肉で出来ている


第40条
虫歯は虫歯菌が神経を刺激するため痛みが発生するのではない
自然形体の治療でその場で痛みをなくせる

(これはにわかに信じがたい/驚
 歯の表面が溶けて神経に当たるから痛いのでは?


第43条
環境に慣れた時、体が反応しなくなることがある
治療はできるだけ短時間で狭い面積の範囲で行うことが重要


第44条
あまり勧めないが、痛みがある時
その部分に力を入れ続けると
緊張が解消される場合がある
これは治療とは言えず
重症の場合、悪化することがあるため注意が必要


第45条
弛緩剥離の原理
それぞれの筋肉には本来の形がある


第46条
体の修復、再生は疲労の度合いが大きいほど
各部の細胞を固定させた状態で行われる
疲労の度合いがひどい場合
睡眠中だけでは足りずに、昼間起きている時も行われる


第48条
筋肉は使った後そのまま放置して休ませると
収縮していく性質がある
ストレッチが効果的
短時間では十分ではない


第49条
骨格の歪みは身体の歪みをもたらす
一般に筋肉は使ったら正常な位置に戻るよう思われているがそうではない

筋肉の静止転位は骨格のように放置していても治らない
動くたび関節付近が痛む場合がある
筋肉そのものが変形している

筋膜には筋肉ほどの柔軟性がない
特に立位の時にその影響が大きく現れる

仙骨の傾きも大腿の筋肉を揃えればその場で改善できる
肩甲骨、上腕なども筋肉に触れるだけで修復できる


第50条 治療にはリズムが重要
動くものにはリズムがある
リズムを壊すと相手を不安に陥れるので
治療は心地よいリズムが必要
心地よいリズムは人により違うため
呼吸の深さや速さに合わせる



【あとがき】

基幹療法確率の責務

エジソンの言葉
「将来、医者は薬を使わず、
 人体の骨格、栄養、病気の原因と予防に
 注意を払うようになるだろう」



私は現代医学を全否定するわけではない
例えば救急医療は西洋医学が威力を発揮する

しかし将来は通常の医療行為のほとんどを
自然形体が担うことになるだろう

体の根幹である骨格や筋肉を統御する脳に着目し
症状を解消する自然形体は医療の8割で採用されるだろう

医療費の削減を通じて国家財政の健全化に貢献する

健康には栄養や心の在り方も深く関わっている
これらの研究が進み、統合されると
さらなる飛躍が期待できる

線維筋痛症などもそれぞれに対応する原因と治療法がある
線維筋痛症は長年の疲労の蓄積
睡眠不足で全身の細胞組織が損傷し、癒着して起こる

皮膚を押して中が痛ければ筋肉痛(剥離痛)
自然形体の指でなでる方法をやれば1分以内に痛みは消える

むち打ち症は、頸椎の歪み、変形が原因
頚椎が変形、ずれている結果
頭蓋骨がずれることもあるので診断は難しい

問題は脳脊髄液減少症
触診してみると明らかな違いが左右にある
これも解消できる方法がある
詳しくは別の機会に紹介することとする

平成23年


最後の著者プロフィールに携帯番号まで載っている/驚
本人は亡くなってるからもう通じないだろうけれども
坂戸さんも初めの頃は携帯番号を公開していたそう


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