「ちびまる子ちゃん」は昔見ていたが
テレビを見る習慣がなくなってから全然見ていない
以前長野の友だちから
ももこさんのエッセイが面白いと聞いていたけれども
読むのは今回が初めて
「アミシリーズ」を書いたエンリケさんに会いに行く話と聞いて借りてみた
その他の旅の話もあり、オムニバス式
まる子ちゃんのノリの文章で
挿絵にもまるちゃんが出てくる
父・ヒロシさんまで登場w 実際は白髪の優しそうな方
所々吹き出してしまい
病院の待合室で読んでいて
マスクをしていた助かった/爆
ももこさんが突然逝ってしまったのも
別の次元にスライドしただけじゃないかなと今は思う
【内容抜粋メモ】
私はわり徳間の本と縁があった
新潮社から『富士山』という雑誌を作ることになった
そこでアミも紹介させてもらった
その記事を徳間書店の編集者・石井さんが見つけて感激し、事務所に FAX を送った
アミは社内での評判はいまひとつだった
もし可能ならアミの表紙などを描いていただけないでしょうか?
普通は自分の本以外の表紙を描くことはまずないが
アミの本なら前向きに考えてみたいと返事をした
石井さんはこの十数年 UFO や宇宙人など怪しげな本ばかりを作っていたため
他社の雑誌の『トンデモ本ランキング』で
数年間にわたりランキング上位を独占し
「徳間書店の恥」だとまで言われていたと話す
でもさくらさんがアミを取り上げてくれたおかげで
社内の自分を見る目が変わった
徳間書店社員の本間さんとの付き合いも始まった
石井さんの代表作になればいいなという願いも込めて
この本のタイトルにした
ベル博士の謎
石井さんが徳間書店の本で興味があるものがあれば
すぐに送りますと言ってくれたので
早速『プレアデス科学の謎』という本を頼んだ
ちょっとだけ読むつもりが
あまりにキテレツな内容についつい一気に読んでしまった
主人公はムー大陸とかアトランティスの頃から始まった
人類の悪と戦う使命を負っていて
この地球防衛使命系のストーリーが90%は実話だと書いてある
プレアデス星の科学を伝授されたベル博士の略歴は
子どもの頃から天才で、10代前半でミシガン大学に通い
アメリカ空軍でコンピューターを担当というエリート
もし博士の略歴がうちのヒロシと同じで
「だいたい40年ぐらい八百屋のオヤジを勤め、
その後、数年間ぼんやり暮らして現在に至る」
というものだったら
プレアデス星人がどうのこうの言っても誰も聞きゃしないだろう(爆
博士は色々なものを発明して販売しているらしい
カタログには人体のホルモンを整えるペンダントや
小さいピラミッドのようなものが紹介されていた
(Dilaさんと同じじゃん!
友人の山口ミルコが遊びに来ていたので
カタログを見せると「一緒に見に行こうよ」と言い出した
博士はアメリカの西海岸に住んでいる
石井さんに電話をして「ついてきてくれませんか」と言うと声を裏返していた
私は一応さくらプロダクションの社長でありながら
トンデモ本を作っている徳間書店よりよっぽどとんでもない会社だ
そこで真面目に働いてくれるスタッフに疑問を感じた
本の翻訳者ケイ・ミズモリさんにも連絡
『富士山』のスタッフ鈴木さんの4人でロスへ
ラグナ・ビーチという高級リゾート地
翌朝、通訳のトキコさんも同行
街から離れ景色が荒れてきた
ボロい平屋のアパートにショップらしきものがあり
中からボブと名乗る陽気な男性が現れた
ショップというより倉庫兼作業場
店に水晶の塊がゴロゴロと置いてあり
針金をハンダごてでくっつけて
ピラミッド型にしたものがたくさん置かれていた
商品のほとんどをボブが地道に手作りしているようだ
全長108 cm 以上
人間のエネルギーを浄化し
遠く離れた人にも心を伝えられる
戦争をしている国に向かって「平和になれ」と念じるのも
効果がありますと熱っぽく語った
遠くにいる親戚に思いを伝えたければ
電話で済むような、、、という思いが
それぞれの脳裏によぎったが
みんななんとなく黙っていた(ww
ボブ:
特別オーダーも作りますし
日本にも取り付けに参ります
ボブの説明のかなり初期の頃から
私は激しい眠気に襲われていた
購入したグッズの計算をするのに
コンピューターでかなり時間がかかっているボブ
電卓で済むのではないかと言う想いは伝わらず
コンピューターの扱い自体に慣れてないように見受けられた(爆
「博士が皆さんにレーザーショーをお見せします」
と言われて若干テンションが上がる
あまり大きくないボロ屋の一軒家の前に
気味の悪い色のペンキで塗られた
郵便ポスト風のピラミッドがある
地面にいくつもの水晶がゴロゴロと埋められていて
ここに間違いないという確信と軽い絶望がわいた
まるでゲゲゲの鬼太郎の家のような感じだww
薄暗い室内にものすごい量のいろいろなものがごちゃごちゃと置いてある
博士は急に「今から君たちに名前をつけるよ」と言い
ルル、サリー、トム、ローズ、クールと
勝手に命名され、黙って従うしかなかった
ボブ:昔ここに博士のタイムマシンがあったんだ
記念写真を撮ろうと言われるままに撮影した
廊下の隅に大型インコなどの鳥が5、6羽かごに飼われていた
博士は「この鳥たちには全員天使がついている 人間の言葉がわかるのだ」といい
ピーナッツを与えるとギャーギャー鳴きわめき完全に無視した
引っ込みがつかなくなり
近くにいた石井さんに「食べたまえ」と手に握らせた
私はこの鳥たちの中の一羽が毛引き症にかかっているのを見逃さなかった
ストレスを感じると自分の毛をむしるという気の毒な病気なのだ
博士には5人目の妻がいて、その妻の前でミルコを口説いている
薄暗いリビングでシンセサイザーを弾き始めた
肝心のレーザー光線はたったの2本
帰りの車の中で
さくら:何て言うか インチキ臭いオヤジだったよね
と言った途端、全員笑い始めた
今までずっと黙っていたが
ホテルに戻ってからも夜遅くまでみんなで笑った
トム・ブラウン・ジュニアのサバイバルスクールに行く
昔アメリカ原住民でグランドファーザーと呼ばれる男がいた
人間が自然破壊をしながら文明を築く事に非常な悲しみを感じつつ
一生自然の中で瞬間ごとに全面的な喜びと感謝に溢れた人生を送ったのだ
徳間書店から出ている本『グランドファーザー』を読んで頂きたい
トム・ブラウン・ジュニアのサバイバルスクールに行ってみようと決心した
生前のグランドファーザーからたくさんの知恵や
サバイバル方法などを直伝された唯一の人なのだ
みんなからはグレート・トムと呼ばれているらしい
石井さんのほか『トラッカー』という本を翻訳した斉藤さんが同行することになった
斉藤さんは英語がペラペラなのはもちろん
このサバイバルスクールに何回も参加しており
自分でも国内でサバイバルスクールを開いている女性
サバイバルスクールはニューヨークの近くのニューアークというところにある
飛行機で14時間かかってやっと着き
明日からどんなに辛かろうと
ここに1週間いるしかない
周りは森や草原ばかり
まず自分たちが寝るためのテントを組み立てることになった
11月のニューアークの森は昼でも寒い
あまりの寒さに持ってきた服のほとんどを重ねて着た
敷地内には体育館のような建物があり
スクールの受講生は約200名ほど
我々以外に日本人はいない様子
食事は毎回野菜スープらしきものが配られる
変なハーブの匂いが強く野菜はとても固い
グレート・トムはとてもかっこよかった
トム:
初級クラスは基本的なことを学ぶため
つまらないかもしれないが真剣に学んで欲しい
熱い語りの真っ最中私は急に胃腸が痛くなり
山根くんみたいに脇腹に手を当てて深刻になっていた
翌朝6時、「起きろ!」という合図の声で目が覚めた
朝食後、すぐに講義が始まった
英語なので私と石井さんは内容が何もわからず
いきなり超暇人になった
すぐに眠気に襲われ、また昨日と同じ腹痛が襲ってきた
食中毒ならもう少し時間が経ってから痛くなるだろうし
おそらく消化が悪いものを食べたからではないかという結論に達した
デザート用のリンゴは何個食べても良いため
リンゴだけ食べることにした
長い1日が終わり、やっとテントに戻って眠る時間が来た
尿意を感じて、寝袋から手を出しただけで信じられない寒さだとわかる
腕1本出すだけでも30秒以上は無理だった
翌朝、黒板に大きく
“まだ今日は火曜日なんて信じられない”
と落書きがしてあった
このスクールの取材はひと通り体験しないと取材させてもらえないため
途中でやめるのは非常に気まずい
帰ると言っても車もない
野外の授業が始まり火起こしの道具を作ることになった
ももこ:石井さん、午後の授業はエスケープしませんか? と誘いを持ちかけた
石井さん:是非そうしましょう
午後の講義が始まる前にセンターの施設の外に出た
外に出ても相変わらず何もすることもなく
無駄話も尽きてしまった
人間は莫大な暇を与えられると意外と苦痛を感じるものだと悟った
石井さんは「申し訳ない」と言い続け
「僕が火を焚きますからちょっと待ってて下さい」と言い出し
勝手に焚き火を燃やし始めた
外国人の生徒が近づいてきて
「それは何というタバコですか?」と声をかけてきて私は慌てた
極力話しかけられたくないし、目も合わせたくないと思った私は
売店でキャップを買うことにした
帽子のつばで目を隠せば目を合わさずに済むであろう
今日はまだ水曜日
私は朝からリンゴを食べ、授業が始まる前に石井さんとまたセンターの外に出た
同じ服を着たまま風呂にも入らずにいるため、余計に頭がムズムズする
普段は私は1日に2回は風呂に入る
風呂ってありがたいよなァ
風呂で体を清めることの大切さを悟った
生徒たちは歩き方の実習をやっているらしかった
動物に気づかれずに気配を消して忍び寄る「ストーキング」という歩き方の練習
グランドファーザーはストーキングにより
ジャガーに触れることができたという
その後も気づかれないように
そっと離れていかなければならない
ほとんど体を動かさず注意深く少しずつ歩くという
当たり前の方法が説明されていた
想像を絶する遅い歩き方で3分かけて1歩進む感じ
その後はシェルターを作る実習
木の枝や落ち葉を山のように積み上げて
低めのかまくらみたいな形に出来上がる
空気の層により厳しい寒さでも暖かい状態で眠ることができる
願わくばこんなシェルターを作らなければならないような事態に
遭遇する事が一生ありませんようにと強く思うばかりだ
次は動物のフン探しの実習
みんな真剣に地面に這いつくばって動物のフンを探していた
発見すると大喜びして歓声を上げていた
午後はサバイバルクッキング
インストラクターが地面を掘り返して
土の中から焼いた食べ物を取り出した
焼きすぎて異臭を放つかぼちゃや芋類
夜の休憩時間に生徒たちが焚き火の周りで歌や踊りをやり始めた
やっと金曜日
今日さえ終われば土曜日になり
スクールが終了して自由になれると思うと前向きになり
リンゴの味も美味しく感じられた
昼ごろにトムと直接会う機会を得た
トム:
わざわざ日本から取材に来てくれて
本当に嬉しいです 感謝しています
と言われて申し訳ない気持ちでいっぱいになった
午後は野生の動物の足跡を探す授業
野外で動物の足跡を見つけるのは非常に難しい
他の生徒達も全然見つけられなかった
トムは次々と見つけて
「あれはリスの足跡だ くしゃみをして去って行った後」だと
細かいことまで足跡一つで分かるから驚きだ
トムを見ていると自然の中で生き延びるための知恵や注意力、精神力が
いかに大切かがよくわかる
自然の中でぼけっとしていたら死んでしまうのだ
自分も自然の一部になって呼吸して
常に調和を考えていなくてはならない
これは日常生活においても同じことが言えるが
我々の暮らしは目先の便利さや安全性が確保されているように感じるため
大抵の人は常に調和を考えながら生きることをすっかり忘れてしまっている
土曜日の朝
センターの建物に全員が集まりトムの話を聞いた
トム:
わざわざ日本から参加してくれた作家と編集者がいます
心から感謝します
みんなが拍手をして
私は頭の芯から火の出るような恥ずかしさと申し訳なさを感じた
トム:
人生は常に変化に富んでいて、退屈な瞬間などなく
それに気がつけば、いつも喜びと感動、感謝に満たされ
充実した人生を送ることができる
それに気づくか気づかないかの違いは非常に大きい
最後にグランドファーザーから教えてもらったと思われる歌を堂々と歌い上げた
ほとんどの生徒たちが泣き出してしまった
ふと隣を見ると石井さんも目を真っ赤にして
涙をダラダラ流していたのでギョっとした
あんなに授業サボっていたのに
トムさんの話もさっきまで眠っていたのだ(ww
英語ができず、帽子をかぶっていた私には
友人など一人もできなかった
抱き合って別れを惜しむようなドラマチックな場面とも無縁だ
私たちはタクシーに乗り、やっと自由になった
ホテルに着いたら風呂に入りたい
服を着替えたい
美味しいものを食べたい
息子に電話もしたい
ホテルに着き、まっしぐらいに風呂に入った
バスタブのお湯はドロドロに汚れ
大量の垢が浮いた
夕方ルームサービスを取ってみんなでご飯を食べようと約束
すると電話の向こうで斉藤さんが
「ホテルが火事です 貴重品だけ持って避難してください」
私は非常口が部屋を出て右にあることを確認済みだったので
荷物を全部持って部屋を出た
石井さんは逆方向に行こうとしていたため
非常口まで連れて行った
20数階から長い非常階段をひたすら降り続けた
私以外の客は誰も荷物を持っていなかった
40分後、サイレンは誤報だと判明
私は元々緊急事態のような時は
割と冷静に行動をとるほうだ
サバイバルスクールに参加しなくても
町内や社内の防災訓練レベルで十分学べる
自分の住む町以外の町内訓練にも積極的に参加するといいだろう
スクールに参加して日常に対する感謝が
あらゆる局面で実感として湧くようになると思う
本当にサバイバルをやってみたいと真剣に考えている人には
とても学ぶことが多いスクールだと思う
エンリケ・バリオスさんに会う
私が『アミ 小さな宇宙人』を読んで感動したのは1996年の末頃だった
石井さんと知り合ったことでエンリケさんと文通することになった
私はパソコンを使えないし英語も苦手
書いた手紙を翻訳の人に渡してエンリケさんに送ってもらう
エンリケさんの手紙:
アミのイラストを描いてくださり本当にありがとう
アミはももこさんのイラストで生き返りました
いつか近いうちにお会いできると思います
スペインの方の情報では、エンリケさんはインタビューでは寡黙な感じで
何を訪ねても「それは本に書いてある通りです」と言い
人見知りというイメージだそう
あの物語の真髄は UFO とか宇宙人が実在するということは重要ではない
魂で何を感じるかなのだ
興味本位なインタビューに対しては寡黙になり
その答えは実に適切だと思う
理解してもらえない相手に対して
無理な説明をすると誤解を招く恐れがあり
無駄なエネルギーを消耗するだけだ
メンバーは私と石井さん、本間さん
うちの会社の斉藤ゆかり
サバイバルスクールの時に通訳をしてくれた斉藤さんの5人
エンリケさんが急にタスマニアにしばらく滞在することになった
ももこ:タスマニアって何が有名だっけ?
ユカリ:タスマニアンデビルとかいうよくわからない動物…(ww
出発前、本間さんは立派なカメラを奮発して買い
それを飛行機の中に置き忘れて顔面蒼白になった
ようやくカメラが見つかると今度は搭乗券がない!とまた顔色が変わった
その後、搭乗券も無事に見つかりぎりぎり間に合った
空港にはエンリケさんとエンリケさんの知人の日本人で
尾上さんという女性が待っていてくれた
目的地のホテルは住宅街の中にあり
手入れが行き届いている
私とユカリは尾上さんのやっているアロマテラピーを受けに行った
彼女のオイルマッサージは特殊で
肉体と精神を同時に深く解きほぐし回復させるというもの
尾上さん:
ももこさん、タスマニアのスピリットがすごく歓迎している声が聞こえますよ
今までものすごく大変だったでしょう
よく頑張ってきたね
全部体に出てるよ
その後、尾上さんの家でバーベキューをやった
やっぱり自然っていいなと思える
カニや魚のバーベキューを食べて
楽しく夜が過ぎた
ももこ:
アミの話は精神世界の深い事柄を分かりやすく表現してあって
大切なことをたくさん考えるきっかけになります
エンリケ:
そういう風に読んでくれて嬉しい
ももこはとても良いエネルギーを持っている
ももこ:アミはエンリケさんのスピリチュアルマスターなの?
エンリケ:
うん
僕の心のものすごくピュアな部分で話のできる神聖な存在だよ
ももこ:エンリケさんは UFO 見たことがある?
エンリケ:自分ではきっと UFO だと確信しているものを見たことがあるよ
翌日も尾上さんのアロマテラピーを受け
ベッドの上でぐったりしていた時
窓の外の青い空を何かが横切っていった
グレーっぽい色をしていたけれども
UFOかもなあと思った
タスマニアは平和で事件がほとんどないという
新聞には山で行方不明になった男性が
何日ぶりかで戻ってきたという出来事が
何枚にもわたって書かれたという
(そういう新聞なら読みたいかも
地球には毎日恐ろしい事件がいたるところで起こっているが
フランスのアルザス地方に行った時も平和な感じだった
そういう場所には幸せなエネルギーが流れていて
その場にいるだけで幸福感に満たされる
平和ということは人間の為になるのだ
いくら街並みが美しくても
事件が多発するような場所は
エネルギーが悪くてとても疲れる
エンリケ:
皆さんが日本から遊びに来てくれて
この3日間は心から楽しい日々だった
明日皆が帰ってしまうなんて信じられない
途方に暮れてしまうほど寂しいよ
翌日、空港で一人一人と抱き合った
みんな泣いてしまい、エンリケさんも泣いていた
機内でもまたユカリが泣いてしまい
2人でずっと泣き続けていた
幻の漢方薬じいさんを訪ねて
宝石商の岡本さんは冒険家といえるほど色んな所に行っている
宝石の原産地は危険な場所にばかりある
発掘現場を見ようというだけでも相当な勇気がいる
岡本さんがある日
「中国の山奥で漢方薬の研究をしているおじいさんに出会った
見た目も仙人みたいで漢方薬もよく効くんです」
私は非常に興味を持った
独自の健康研究の一環として漢方にも少なからず関心を抱いている
日頃は自然食の健康食品を摂っている
そのおじいさんの漢方薬は白血病、糖尿病などの
難しい病気も治した例があり
ヨーロッパの医学界からも注目されているそうだ
おじいさんの住んでいる村が1999年に大地震に襲われた際には
家族全員で村人の看護にあたり、何百人もの人々を救った
伝染病が流行る前に薬を煎じて無料で配り
何千人もの命を救ったという
おじいさんの住む村は中国の雲南省の麗江という
標高2400 m ぐらいのところにある
現地では香港の知人エルダンが合流する
山奥なのに立派なホテルが次々現れ
ガイドさんが「このホテルは麗江の中でも唯一の五つ星ホテルです」といった
麗江は松茸がたくさん採れるらしく
松茸の蒸し焼きが出てきた
乾燥松茸が安くていっぱい入ってるから
お土産にお勧めだと聞く
私とユカリはトイレのことを気にしていた
中国のトイレ事情はあまり良くないという情報をよく耳にする
(それはうちの親も言ってた
1本の水が流れる溝があり
そこにまたがるんだけど
仕切りがすごく空いているため
座ると前の人のお尻が見えるとか…
バスが山奥の村に入ると
土壁の古い家や店が並んでいてとても風情がある
和士秀先生と息子さんが待っていてくれた
先生も英語がペラペラだが
息子さんは英語と日本語もかなり喋れるようだった
診察室は約10畳ほどの広さ
壁面に設けられた棚にはずらりとポリバケツが並び
その中に粉末の薬草が入っている
マジックで薬草名が記されていて50個以上もある
息子:
これらの薬草は全部この村の雪山から私と父が採ってきます
気候が悪い時期は自分の畑や庭で育てています
父は全ての薬草を自分で食べて研究しました
乾燥させて粉末にし、すり鉢で手作業により
粉末にしていましたが、今は機械を使っています
植物には有毒なものもあり
誤って食べたら死に至るものもある
先生は自分の命をかけてみんなの命を救うため
漢方薬を研究してきたのだ
私は二日酔いの薬のほか、生理痛、頭痛、喉、風邪薬
ポリープ性の大腸炎の友人のための薬も処方を頼んだ
カルテを見ながら息子さんがいろんな薬草の粉末を混ぜている
潰瘍性の大腸炎にかかった友人の薬は混ぜる薬草の種類が特に多かった
「難しい病気ですが、大丈夫、きっと治りますよ」
友人はかかりつけの医者から
「これは一生治らないから
普段の食生活を制限して薬で抑えるしか手段はない」
と言われたそうで辛く不安定な日々を送っている
(いつも思うけど、“治らない”んじゃなくて
“治し方を知らない”だけなんだよね/汗
裏の中庭のテラスに質素なテーブルがあり
野菜をメインにしたヘルシーなお料理が次々と運ばれてきた
息子:
この料理に使われている野菜や植物も
家の庭や畑で採ったものです
食事そのものが薬膳と言える
こういうものを毎日食べていたら
ほっといても長生きするだろうなと思う
テーブルの隅に赤い小さな実を潰したものが入っている皿がひっそり置かれていた
そこにハエが集まり、汁を吸った途端動かなくなって死んだ
ハエ取りの方法も自然の中から考え出された知恵によるものなのだ
私は自分の理想の人生の究極に近いものを感じていた
シンプルで穏やかで明るく楽しく健全な生活の中で
自分のやりがいのある仕事をコツコツやっていく
これが本当に私の求めていることだったんだなと改めて気づかされた
日本人の若者4人がやってきて
先生に差し上げた色紙を見て
「これ本物?! 今日の日付が書いてある
まさか今日さくらももこがここに来たわけ?!」と騒ぎ出した
岡本さんが「そこにいるのがさくらさんですよ」と告げた
若者たちは大変喜んでくれ、パスポートなどにサインをして
みんな素直な良い子達だった
私は先生に「サインして下さい」と頼むと驚いた表情をした
緊張した顔つきで筆で紙に大きく「仁」と書いた
帰る間際、石井さんと本間さんが「トイレを貸してください」とさんに頼んだ
息子:悪いトイレしかありませんが使ってください
戻ってきた2人に聞くと「悪いトイレでした」
と言っていたのでやっぱり悪かったのだろう
その後、世界遺産にも指定された観光スポットに行った
水路沿いの一軒のお茶屋に入り
プーアル茶やジャスミン茶などを飲んだ
麗江は良いお茶の産地らしく
色々な種類が並んでいた
食事の後、麗江に古くから伝わる民族音楽の舞台を鑑賞しに行ったが
私は音楽が始まる前から眠くなり眠ってしまった
目が覚めても楽器が鳴り響いていたが
飽きてしまい途中で会場を抜け出した
酔っ払った本間さんは、眠りながら音楽に合わせて自分も歌っていたという
みんなは本間さんのルーツは麗江にあるのかもしれない
自腹を切ってまで来たいと言ったのも
心の奥に眠る魂に導かれたのだと噂した
その後、麗江で最も大きい漢方薬屋に行ってみた
広い店内には日本で買えば高い漢方薬や
健康食品が格安でゴロゴロ並べられており驚いた
(こういう値段設定って本当に不思議
日本に来るとどうして何万円にもなってしまうんだろう?
その夜、ものすごく疲れていたのによく眠れなかった
朝になっても頭痛がしていたので頭痛の薬を飲んでみた
粉末を小さじスプーン2杯ばかりお湯にといで一気に飲んだ
味は別に苦くもなく、2時間後、頭痛はだいぶ楽になった
ホテル周辺にはたくさん綺麗な店があったが
私たちは貧乏くさい小さなお茶屋に意味もなく入ってしまった
貧乏くさいオヤジが一人で店番をしていた
急に「学生さん?」と声をかけてきたので
嬉しくなり、最終的に合計3万円くらいのお茶を買った(w
3万円といえば中国ではサラリーマンの月収くらいの金額らしい
たったひと言が彼に幸せを運んだのだ
私はロビーに飾ってある民族衣装が気に入ったので
売ってもらえないかと尋ねると
「どうしてもと言うなら50万円で売る」と言われ
それを聞いたエルダンは怒り「10万円がいいところだ」と交渉してくれた
するとスタッフは「30万円でいい」という話になった
エルダンと岡本さんはこういう時に商人が買い手の足元を見て
高く売ろうとするのを熟知している
エルダン:
ホテルを出発前、町の衣装屋に行けば同じレベルのものが
10万円前後であるはずです
翌日の朝8時に衣装屋に行くと、まだ店は開いておらず
エルダン:もしサイズを教えてもらえればオーダーして日本に送る
と親切なことを言ってくれたが、申し訳ないと思い、衣装騒ぎは終了した
日本に戻ってすぐ二日酔いの薬を飲むことになった
これはきっと明日の朝、頭が痛くなるなるだろうなと思うほど呑んだので
二日酔いになる前に漢方薬を飲んだのだ
ちょっとやそっとじゃない殺人的な苦さが喉の奥まで広がったが
翌日二日酔いの症状は何もなくいつも通りの体調だった
スプーン曲げの信州の旅
2000年の秋ごろビートたけしさんの番組に
綾小路鶴太郎と名乗る人がスプーン曲げをやった
これまで見たことないほどのスピードとパワーがありヒロシも感心していた
綾小路さんに会って直接見るため長野県に取材に行った
石井さんと本間さんは吉兆のお弁当を持ってきてくれた(初耳
ヒロシ:こんな弁当、生まれて初めて見るな
吉兆の弁当は私の今までの弁当歴を全て白紙に戻すほどの実力があった
ものすごく美味しい刺身、寿司、立派な松茸まるごと
その他手間のかかったいろいろな料理がぎゅうぎゅうに詰まっていた
綾小路さんは石井さんたちの持参したスプーンを見て
綾小路さん:
これはよくマジックのスプーン曲げに使われるんです
すごく曲がりやすいから
トリックの場合はこんな風に力を入れて曲げるんです とやって見せてくれた
私の持ってきた太いスプーンを手のひらにのせ
「ここを撫でてください」と言われた通りにスプーンの柄を撫でると
私が撫でているのにスプーンが曲がり始めた
綾小路さんはテーブルの上に置いてあった私のタバコを
1本まっすぐ立てて、そのまま手を触れずに15 cm ぐらい平行移動させた
綾小路:
スプーン曲げなんてインチキだって馬鹿にしてたんです
俺にだってできるだろうってやってみたらできたんで
誰にでもできるんじゃないか
それなのにテレビに出て超能力者とか名乗る奴は大げさすぎると思っていた
たまたま去年一度テレビに出たらみんなびっくりして
この1年間取材やあちこち来てくれと言われてものすごく消耗しました
懲り懲りだと思いましたが
これがきっかけでいろんな人に出会えてよかったなと思っています
多くの人々が未知なことに興味を抱いている
まだ知らない何かがあることを期待している
綾小路さんは人間の持つ可能性の豊かさを垣間見せてくれた
歌を上手く歌う能力などと同じように
スプーンを曲げられる能力の場合もある
ぐにゃぐにゃに曲がったスプーンにサインを彫り
上手に絵まで彫ってくれた
絵の才能まであるのだ
私はますます人間の持つ可能性の深さを感じた
(先日読んだ『マラビージャ』では
こうしたテレポーテーションをやろうとして出来なかったけど
こうした“超能力”を持つ人はいるよね
私たちが本来持つ力を発揮できる人と言うべきか
ヒロシは昨夜ホテルのバーで夜通し酒を飲んだにもかかわらず
早起きして本間さんらを誘って善光寺にお参りをしてきたらしい
私とヒロシは長野の地酒を買いに酒屋に走った
井筒長の大吟醸という酒
(お酒も飲まないから知らないなあ?
酒屋に買ったお弁当を置き忘れたため
帰りは車内販売のお弁当を食べた
あとがき
この本の取材は今までと比べて大変なことが多かった
サバイバルスクールに行ったついでに
ニューヨークにも寄りましょうかと石井さんに誘われたが断ってしまった
今にしてみればあの時、世界貿易センターを見ておけば良かったと思う
あんな大きなビルがたった1時間半で消えてしまった
いつどこで何が起こるかわからない
それぞれ個人で対処していくしかない
この世界の変化がとても良い世界の成長に繋がることを祈っている
良い世界になりますようにという想いは
一人でも多いほうが絶対に効果があると思う
エンリケさんも
「多くの人に良くなる世界をイメージしてほしい
毎日少しでもいいから祈りのために時間を使ってほしい」
というメールを送ってくれた
イメージの力は本当に強いものだと感じた
スプーン曲げの力も強いイメージの力なのだ
例えばヒーリングの方法なども
まずはイメージが肝心だと教えられる
人間の想念の力はまだ未知だ
多くの人の想念の力はきっとすごいに違いないという方向を選んでいきたいと思っている
テレビを見る習慣がなくなってから全然見ていない
以前長野の友だちから
ももこさんのエッセイが面白いと聞いていたけれども
読むのは今回が初めて
「アミシリーズ」を書いたエンリケさんに会いに行く話と聞いて借りてみた
その他の旅の話もあり、オムニバス式
まる子ちゃんのノリの文章で
挿絵にもまるちゃんが出てくる
父・ヒロシさんまで登場w 実際は白髪の優しそうな方
所々吹き出してしまい
病院の待合室で読んでいて
マスクをしていた助かった/爆
ももこさんが突然逝ってしまったのも
別の次元にスライドしただけじゃないかなと今は思う
【内容抜粋メモ】
私はわり徳間の本と縁があった
新潮社から『富士山』という雑誌を作ることになった
そこでアミも紹介させてもらった
その記事を徳間書店の編集者・石井さんが見つけて感激し、事務所に FAX を送った
アミは社内での評判はいまひとつだった
もし可能ならアミの表紙などを描いていただけないでしょうか?
普通は自分の本以外の表紙を描くことはまずないが
アミの本なら前向きに考えてみたいと返事をした
石井さんはこの十数年 UFO や宇宙人など怪しげな本ばかりを作っていたため
他社の雑誌の『トンデモ本ランキング』で
数年間にわたりランキング上位を独占し
「徳間書店の恥」だとまで言われていたと話す
でもさくらさんがアミを取り上げてくれたおかげで
社内の自分を見る目が変わった
徳間書店社員の本間さんとの付き合いも始まった
石井さんの代表作になればいいなという願いも込めて
この本のタイトルにした
ベル博士の謎
石井さんが徳間書店の本で興味があるものがあれば
すぐに送りますと言ってくれたので
早速『プレアデス科学の謎』という本を頼んだ
ちょっとだけ読むつもりが
あまりにキテレツな内容についつい一気に読んでしまった
主人公はムー大陸とかアトランティスの頃から始まった
人類の悪と戦う使命を負っていて
この地球防衛使命系のストーリーが90%は実話だと書いてある
プレアデス星の科学を伝授されたベル博士の略歴は
子どもの頃から天才で、10代前半でミシガン大学に通い
アメリカ空軍でコンピューターを担当というエリート
もし博士の略歴がうちのヒロシと同じで
「だいたい40年ぐらい八百屋のオヤジを勤め、
その後、数年間ぼんやり暮らして現在に至る」
というものだったら
プレアデス星人がどうのこうの言っても誰も聞きゃしないだろう(爆
博士は色々なものを発明して販売しているらしい
カタログには人体のホルモンを整えるペンダントや
小さいピラミッドのようなものが紹介されていた
(Dilaさんと同じじゃん!
友人の山口ミルコが遊びに来ていたので
カタログを見せると「一緒に見に行こうよ」と言い出した
博士はアメリカの西海岸に住んでいる
石井さんに電話をして「ついてきてくれませんか」と言うと声を裏返していた
私は一応さくらプロダクションの社長でありながら
トンデモ本を作っている徳間書店よりよっぽどとんでもない会社だ
そこで真面目に働いてくれるスタッフに疑問を感じた
本の翻訳者ケイ・ミズモリさんにも連絡
『富士山』のスタッフ鈴木さんの4人でロスへ
ラグナ・ビーチという高級リゾート地
翌朝、通訳のトキコさんも同行
街から離れ景色が荒れてきた
ボロい平屋のアパートにショップらしきものがあり
中からボブと名乗る陽気な男性が現れた
ショップというより倉庫兼作業場
店に水晶の塊がゴロゴロと置いてあり
針金をハンダごてでくっつけて
ピラミッド型にしたものがたくさん置かれていた
商品のほとんどをボブが地道に手作りしているようだ
全長108 cm 以上
人間のエネルギーを浄化し
遠く離れた人にも心を伝えられる
戦争をしている国に向かって「平和になれ」と念じるのも
効果がありますと熱っぽく語った
遠くにいる親戚に思いを伝えたければ
電話で済むような、、、という思いが
それぞれの脳裏によぎったが
みんななんとなく黙っていた(ww
ボブ:
特別オーダーも作りますし
日本にも取り付けに参ります
ボブの説明のかなり初期の頃から
私は激しい眠気に襲われていた
購入したグッズの計算をするのに
コンピューターでかなり時間がかかっているボブ
電卓で済むのではないかと言う想いは伝わらず
コンピューターの扱い自体に慣れてないように見受けられた(爆
「博士が皆さんにレーザーショーをお見せします」
と言われて若干テンションが上がる
あまり大きくないボロ屋の一軒家の前に
気味の悪い色のペンキで塗られた
郵便ポスト風のピラミッドがある
地面にいくつもの水晶がゴロゴロと埋められていて
ここに間違いないという確信と軽い絶望がわいた
まるでゲゲゲの鬼太郎の家のような感じだww
薄暗い室内にものすごい量のいろいろなものがごちゃごちゃと置いてある
博士は急に「今から君たちに名前をつけるよ」と言い
ルル、サリー、トム、ローズ、クールと
勝手に命名され、黙って従うしかなかった
ボブ:昔ここに博士のタイムマシンがあったんだ
記念写真を撮ろうと言われるままに撮影した
廊下の隅に大型インコなどの鳥が5、6羽かごに飼われていた
博士は「この鳥たちには全員天使がついている 人間の言葉がわかるのだ」といい
ピーナッツを与えるとギャーギャー鳴きわめき完全に無視した
引っ込みがつかなくなり
近くにいた石井さんに「食べたまえ」と手に握らせた
私はこの鳥たちの中の一羽が毛引き症にかかっているのを見逃さなかった
ストレスを感じると自分の毛をむしるという気の毒な病気なのだ
博士には5人目の妻がいて、その妻の前でミルコを口説いている
薄暗いリビングでシンセサイザーを弾き始めた
肝心のレーザー光線はたったの2本
帰りの車の中で
さくら:何て言うか インチキ臭いオヤジだったよね
と言った途端、全員笑い始めた
今までずっと黙っていたが
ホテルに戻ってからも夜遅くまでみんなで笑った
トム・ブラウン・ジュニアのサバイバルスクールに行く
昔アメリカ原住民でグランドファーザーと呼ばれる男がいた
人間が自然破壊をしながら文明を築く事に非常な悲しみを感じつつ
一生自然の中で瞬間ごとに全面的な喜びと感謝に溢れた人生を送ったのだ
徳間書店から出ている本『グランドファーザー』を読んで頂きたい
トム・ブラウン・ジュニアのサバイバルスクールに行ってみようと決心した
生前のグランドファーザーからたくさんの知恵や
サバイバル方法などを直伝された唯一の人なのだ
みんなからはグレート・トムと呼ばれているらしい
石井さんのほか『トラッカー』という本を翻訳した斉藤さんが同行することになった
斉藤さんは英語がペラペラなのはもちろん
このサバイバルスクールに何回も参加しており
自分でも国内でサバイバルスクールを開いている女性
サバイバルスクールはニューヨークの近くのニューアークというところにある
飛行機で14時間かかってやっと着き
明日からどんなに辛かろうと
ここに1週間いるしかない
周りは森や草原ばかり
まず自分たちが寝るためのテントを組み立てることになった
11月のニューアークの森は昼でも寒い
あまりの寒さに持ってきた服のほとんどを重ねて着た
敷地内には体育館のような建物があり
スクールの受講生は約200名ほど
我々以外に日本人はいない様子
食事は毎回野菜スープらしきものが配られる
変なハーブの匂いが強く野菜はとても固い
グレート・トムはとてもかっこよかった
トム:
初級クラスは基本的なことを学ぶため
つまらないかもしれないが真剣に学んで欲しい
熱い語りの真っ最中私は急に胃腸が痛くなり
山根くんみたいに脇腹に手を当てて深刻になっていた
翌朝6時、「起きろ!」という合図の声で目が覚めた
朝食後、すぐに講義が始まった
英語なので私と石井さんは内容が何もわからず
いきなり超暇人になった
すぐに眠気に襲われ、また昨日と同じ腹痛が襲ってきた
食中毒ならもう少し時間が経ってから痛くなるだろうし
おそらく消化が悪いものを食べたからではないかという結論に達した
デザート用のリンゴは何個食べても良いため
リンゴだけ食べることにした
長い1日が終わり、やっとテントに戻って眠る時間が来た
尿意を感じて、寝袋から手を出しただけで信じられない寒さだとわかる
腕1本出すだけでも30秒以上は無理だった
翌朝、黒板に大きく
“まだ今日は火曜日なんて信じられない”
と落書きがしてあった
このスクールの取材はひと通り体験しないと取材させてもらえないため
途中でやめるのは非常に気まずい
帰ると言っても車もない
野外の授業が始まり火起こしの道具を作ることになった
ももこ:石井さん、午後の授業はエスケープしませんか? と誘いを持ちかけた
石井さん:是非そうしましょう
午後の講義が始まる前にセンターの施設の外に出た
外に出ても相変わらず何もすることもなく
無駄話も尽きてしまった
人間は莫大な暇を与えられると意外と苦痛を感じるものだと悟った
石井さんは「申し訳ない」と言い続け
「僕が火を焚きますからちょっと待ってて下さい」と言い出し
勝手に焚き火を燃やし始めた
外国人の生徒が近づいてきて
「それは何というタバコですか?」と声をかけてきて私は慌てた
極力話しかけられたくないし、目も合わせたくないと思った私は
売店でキャップを買うことにした
帽子のつばで目を隠せば目を合わさずに済むであろう
今日はまだ水曜日
私は朝からリンゴを食べ、授業が始まる前に石井さんとまたセンターの外に出た
同じ服を着たまま風呂にも入らずにいるため、余計に頭がムズムズする
普段は私は1日に2回は風呂に入る
風呂ってありがたいよなァ
風呂で体を清めることの大切さを悟った
生徒たちは歩き方の実習をやっているらしかった
動物に気づかれずに気配を消して忍び寄る「ストーキング」という歩き方の練習
グランドファーザーはストーキングにより
ジャガーに触れることができたという
その後も気づかれないように
そっと離れていかなければならない
ほとんど体を動かさず注意深く少しずつ歩くという
当たり前の方法が説明されていた
想像を絶する遅い歩き方で3分かけて1歩進む感じ
その後はシェルターを作る実習
木の枝や落ち葉を山のように積み上げて
低めのかまくらみたいな形に出来上がる
空気の層により厳しい寒さでも暖かい状態で眠ることができる
願わくばこんなシェルターを作らなければならないような事態に
遭遇する事が一生ありませんようにと強く思うばかりだ
次は動物のフン探しの実習
みんな真剣に地面に這いつくばって動物のフンを探していた
発見すると大喜びして歓声を上げていた
午後はサバイバルクッキング
インストラクターが地面を掘り返して
土の中から焼いた食べ物を取り出した
焼きすぎて異臭を放つかぼちゃや芋類
夜の休憩時間に生徒たちが焚き火の周りで歌や踊りをやり始めた
やっと金曜日
今日さえ終われば土曜日になり
スクールが終了して自由になれると思うと前向きになり
リンゴの味も美味しく感じられた
昼ごろにトムと直接会う機会を得た
トム:
わざわざ日本から取材に来てくれて
本当に嬉しいです 感謝しています
と言われて申し訳ない気持ちでいっぱいになった
午後は野生の動物の足跡を探す授業
野外で動物の足跡を見つけるのは非常に難しい
他の生徒達も全然見つけられなかった
トムは次々と見つけて
「あれはリスの足跡だ くしゃみをして去って行った後」だと
細かいことまで足跡一つで分かるから驚きだ
トムを見ていると自然の中で生き延びるための知恵や注意力、精神力が
いかに大切かがよくわかる
自然の中でぼけっとしていたら死んでしまうのだ
自分も自然の一部になって呼吸して
常に調和を考えていなくてはならない
これは日常生活においても同じことが言えるが
我々の暮らしは目先の便利さや安全性が確保されているように感じるため
大抵の人は常に調和を考えながら生きることをすっかり忘れてしまっている
土曜日の朝
センターの建物に全員が集まりトムの話を聞いた
トム:
わざわざ日本から参加してくれた作家と編集者がいます
心から感謝します
みんなが拍手をして
私は頭の芯から火の出るような恥ずかしさと申し訳なさを感じた
トム:
人生は常に変化に富んでいて、退屈な瞬間などなく
それに気がつけば、いつも喜びと感動、感謝に満たされ
充実した人生を送ることができる
それに気づくか気づかないかの違いは非常に大きい
最後にグランドファーザーから教えてもらったと思われる歌を堂々と歌い上げた
ほとんどの生徒たちが泣き出してしまった
ふと隣を見ると石井さんも目を真っ赤にして
涙をダラダラ流していたのでギョっとした
あんなに授業サボっていたのに
トムさんの話もさっきまで眠っていたのだ(ww
英語ができず、帽子をかぶっていた私には
友人など一人もできなかった
抱き合って別れを惜しむようなドラマチックな場面とも無縁だ
私たちはタクシーに乗り、やっと自由になった
ホテルに着いたら風呂に入りたい
服を着替えたい
美味しいものを食べたい
息子に電話もしたい
ホテルに着き、まっしぐらいに風呂に入った
バスタブのお湯はドロドロに汚れ
大量の垢が浮いた
夕方ルームサービスを取ってみんなでご飯を食べようと約束
すると電話の向こうで斉藤さんが
「ホテルが火事です 貴重品だけ持って避難してください」
私は非常口が部屋を出て右にあることを確認済みだったので
荷物を全部持って部屋を出た
石井さんは逆方向に行こうとしていたため
非常口まで連れて行った
20数階から長い非常階段をひたすら降り続けた
私以外の客は誰も荷物を持っていなかった
40分後、サイレンは誤報だと判明
私は元々緊急事態のような時は
割と冷静に行動をとるほうだ
サバイバルスクールに参加しなくても
町内や社内の防災訓練レベルで十分学べる
自分の住む町以外の町内訓練にも積極的に参加するといいだろう
スクールに参加して日常に対する感謝が
あらゆる局面で実感として湧くようになると思う
本当にサバイバルをやってみたいと真剣に考えている人には
とても学ぶことが多いスクールだと思う
エンリケ・バリオスさんに会う
私が『アミ 小さな宇宙人』を読んで感動したのは1996年の末頃だった
石井さんと知り合ったことでエンリケさんと文通することになった
私はパソコンを使えないし英語も苦手
書いた手紙を翻訳の人に渡してエンリケさんに送ってもらう
エンリケさんの手紙:
アミのイラストを描いてくださり本当にありがとう
アミはももこさんのイラストで生き返りました
いつか近いうちにお会いできると思います
スペインの方の情報では、エンリケさんはインタビューでは寡黙な感じで
何を訪ねても「それは本に書いてある通りです」と言い
人見知りというイメージだそう
あの物語の真髄は UFO とか宇宙人が実在するということは重要ではない
魂で何を感じるかなのだ
興味本位なインタビューに対しては寡黙になり
その答えは実に適切だと思う
理解してもらえない相手に対して
無理な説明をすると誤解を招く恐れがあり
無駄なエネルギーを消耗するだけだ
メンバーは私と石井さん、本間さん
うちの会社の斉藤ゆかり
サバイバルスクールの時に通訳をしてくれた斉藤さんの5人
エンリケさんが急にタスマニアにしばらく滞在することになった
ももこ:タスマニアって何が有名だっけ?
ユカリ:タスマニアンデビルとかいうよくわからない動物…(ww
出発前、本間さんは立派なカメラを奮発して買い
それを飛行機の中に置き忘れて顔面蒼白になった
ようやくカメラが見つかると今度は搭乗券がない!とまた顔色が変わった
その後、搭乗券も無事に見つかりぎりぎり間に合った
空港にはエンリケさんとエンリケさんの知人の日本人で
尾上さんという女性が待っていてくれた
目的地のホテルは住宅街の中にあり
手入れが行き届いている
私とユカリは尾上さんのやっているアロマテラピーを受けに行った
彼女のオイルマッサージは特殊で
肉体と精神を同時に深く解きほぐし回復させるというもの
尾上さん:
ももこさん、タスマニアのスピリットがすごく歓迎している声が聞こえますよ
今までものすごく大変だったでしょう
よく頑張ってきたね
全部体に出てるよ
その後、尾上さんの家でバーベキューをやった
やっぱり自然っていいなと思える
カニや魚のバーベキューを食べて
楽しく夜が過ぎた
ももこ:
アミの話は精神世界の深い事柄を分かりやすく表現してあって
大切なことをたくさん考えるきっかけになります
エンリケ:
そういう風に読んでくれて嬉しい
ももこはとても良いエネルギーを持っている
ももこ:アミはエンリケさんのスピリチュアルマスターなの?
エンリケ:
うん
僕の心のものすごくピュアな部分で話のできる神聖な存在だよ
ももこ:エンリケさんは UFO 見たことがある?
エンリケ:自分ではきっと UFO だと確信しているものを見たことがあるよ
翌日も尾上さんのアロマテラピーを受け
ベッドの上でぐったりしていた時
窓の外の青い空を何かが横切っていった
グレーっぽい色をしていたけれども
UFOかもなあと思った
タスマニアは平和で事件がほとんどないという
新聞には山で行方不明になった男性が
何日ぶりかで戻ってきたという出来事が
何枚にもわたって書かれたという
(そういう新聞なら読みたいかも
地球には毎日恐ろしい事件がいたるところで起こっているが
フランスのアルザス地方に行った時も平和な感じだった
そういう場所には幸せなエネルギーが流れていて
その場にいるだけで幸福感に満たされる
平和ということは人間の為になるのだ
いくら街並みが美しくても
事件が多発するような場所は
エネルギーが悪くてとても疲れる
エンリケ:
皆さんが日本から遊びに来てくれて
この3日間は心から楽しい日々だった
明日皆が帰ってしまうなんて信じられない
途方に暮れてしまうほど寂しいよ
翌日、空港で一人一人と抱き合った
みんな泣いてしまい、エンリケさんも泣いていた
機内でもまたユカリが泣いてしまい
2人でずっと泣き続けていた
幻の漢方薬じいさんを訪ねて
宝石商の岡本さんは冒険家といえるほど色んな所に行っている
宝石の原産地は危険な場所にばかりある
発掘現場を見ようというだけでも相当な勇気がいる
岡本さんがある日
「中国の山奥で漢方薬の研究をしているおじいさんに出会った
見た目も仙人みたいで漢方薬もよく効くんです」
私は非常に興味を持った
独自の健康研究の一環として漢方にも少なからず関心を抱いている
日頃は自然食の健康食品を摂っている
そのおじいさんの漢方薬は白血病、糖尿病などの
難しい病気も治した例があり
ヨーロッパの医学界からも注目されているそうだ
おじいさんの住んでいる村が1999年に大地震に襲われた際には
家族全員で村人の看護にあたり、何百人もの人々を救った
伝染病が流行る前に薬を煎じて無料で配り
何千人もの命を救ったという
おじいさんの住む村は中国の雲南省の麗江という
標高2400 m ぐらいのところにある
現地では香港の知人エルダンが合流する
山奥なのに立派なホテルが次々現れ
ガイドさんが「このホテルは麗江の中でも唯一の五つ星ホテルです」といった
麗江は松茸がたくさん採れるらしく
松茸の蒸し焼きが出てきた
乾燥松茸が安くていっぱい入ってるから
お土産にお勧めだと聞く
私とユカリはトイレのことを気にしていた
中国のトイレ事情はあまり良くないという情報をよく耳にする
(それはうちの親も言ってた
1本の水が流れる溝があり
そこにまたがるんだけど
仕切りがすごく空いているため
座ると前の人のお尻が見えるとか…
バスが山奥の村に入ると
土壁の古い家や店が並んでいてとても風情がある
和士秀先生と息子さんが待っていてくれた
先生も英語がペラペラだが
息子さんは英語と日本語もかなり喋れるようだった
診察室は約10畳ほどの広さ
壁面に設けられた棚にはずらりとポリバケツが並び
その中に粉末の薬草が入っている
マジックで薬草名が記されていて50個以上もある
息子:
これらの薬草は全部この村の雪山から私と父が採ってきます
気候が悪い時期は自分の畑や庭で育てています
父は全ての薬草を自分で食べて研究しました
乾燥させて粉末にし、すり鉢で手作業により
粉末にしていましたが、今は機械を使っています
植物には有毒なものもあり
誤って食べたら死に至るものもある
先生は自分の命をかけてみんなの命を救うため
漢方薬を研究してきたのだ
私は二日酔いの薬のほか、生理痛、頭痛、喉、風邪薬
ポリープ性の大腸炎の友人のための薬も処方を頼んだ
カルテを見ながら息子さんがいろんな薬草の粉末を混ぜている
潰瘍性の大腸炎にかかった友人の薬は混ぜる薬草の種類が特に多かった
「難しい病気ですが、大丈夫、きっと治りますよ」
友人はかかりつけの医者から
「これは一生治らないから
普段の食生活を制限して薬で抑えるしか手段はない」
と言われたそうで辛く不安定な日々を送っている
(いつも思うけど、“治らない”んじゃなくて
“治し方を知らない”だけなんだよね/汗
裏の中庭のテラスに質素なテーブルがあり
野菜をメインにしたヘルシーなお料理が次々と運ばれてきた
息子:
この料理に使われている野菜や植物も
家の庭や畑で採ったものです
食事そのものが薬膳と言える
こういうものを毎日食べていたら
ほっといても長生きするだろうなと思う
テーブルの隅に赤い小さな実を潰したものが入っている皿がひっそり置かれていた
そこにハエが集まり、汁を吸った途端動かなくなって死んだ
ハエ取りの方法も自然の中から考え出された知恵によるものなのだ
私は自分の理想の人生の究極に近いものを感じていた
シンプルで穏やかで明るく楽しく健全な生活の中で
自分のやりがいのある仕事をコツコツやっていく
これが本当に私の求めていることだったんだなと改めて気づかされた
日本人の若者4人がやってきて
先生に差し上げた色紙を見て
「これ本物?! 今日の日付が書いてある
まさか今日さくらももこがここに来たわけ?!」と騒ぎ出した
岡本さんが「そこにいるのがさくらさんですよ」と告げた
若者たちは大変喜んでくれ、パスポートなどにサインをして
みんな素直な良い子達だった
私は先生に「サインして下さい」と頼むと驚いた表情をした
緊張した顔つきで筆で紙に大きく「仁」と書いた
帰る間際、石井さんと本間さんが「トイレを貸してください」とさんに頼んだ
息子:悪いトイレしかありませんが使ってください
戻ってきた2人に聞くと「悪いトイレでした」
と言っていたのでやっぱり悪かったのだろう
その後、世界遺産にも指定された観光スポットに行った
水路沿いの一軒のお茶屋に入り
プーアル茶やジャスミン茶などを飲んだ
麗江は良いお茶の産地らしく
色々な種類が並んでいた
食事の後、麗江に古くから伝わる民族音楽の舞台を鑑賞しに行ったが
私は音楽が始まる前から眠くなり眠ってしまった
目が覚めても楽器が鳴り響いていたが
飽きてしまい途中で会場を抜け出した
酔っ払った本間さんは、眠りながら音楽に合わせて自分も歌っていたという
みんなは本間さんのルーツは麗江にあるのかもしれない
自腹を切ってまで来たいと言ったのも
心の奥に眠る魂に導かれたのだと噂した
その後、麗江で最も大きい漢方薬屋に行ってみた
広い店内には日本で買えば高い漢方薬や
健康食品が格安でゴロゴロ並べられており驚いた
(こういう値段設定って本当に不思議
日本に来るとどうして何万円にもなってしまうんだろう?
その夜、ものすごく疲れていたのによく眠れなかった
朝になっても頭痛がしていたので頭痛の薬を飲んでみた
粉末を小さじスプーン2杯ばかりお湯にといで一気に飲んだ
味は別に苦くもなく、2時間後、頭痛はだいぶ楽になった
ホテル周辺にはたくさん綺麗な店があったが
私たちは貧乏くさい小さなお茶屋に意味もなく入ってしまった
貧乏くさいオヤジが一人で店番をしていた
急に「学生さん?」と声をかけてきたので
嬉しくなり、最終的に合計3万円くらいのお茶を買った(w
3万円といえば中国ではサラリーマンの月収くらいの金額らしい
たったひと言が彼に幸せを運んだのだ
私はロビーに飾ってある民族衣装が気に入ったので
売ってもらえないかと尋ねると
「どうしてもと言うなら50万円で売る」と言われ
それを聞いたエルダンは怒り「10万円がいいところだ」と交渉してくれた
するとスタッフは「30万円でいい」という話になった
エルダンと岡本さんはこういう時に商人が買い手の足元を見て
高く売ろうとするのを熟知している
エルダン:
ホテルを出発前、町の衣装屋に行けば同じレベルのものが
10万円前後であるはずです
翌日の朝8時に衣装屋に行くと、まだ店は開いておらず
エルダン:もしサイズを教えてもらえればオーダーして日本に送る
と親切なことを言ってくれたが、申し訳ないと思い、衣装騒ぎは終了した
日本に戻ってすぐ二日酔いの薬を飲むことになった
これはきっと明日の朝、頭が痛くなるなるだろうなと思うほど呑んだので
二日酔いになる前に漢方薬を飲んだのだ
ちょっとやそっとじゃない殺人的な苦さが喉の奥まで広がったが
翌日二日酔いの症状は何もなくいつも通りの体調だった
スプーン曲げの信州の旅
2000年の秋ごろビートたけしさんの番組に
綾小路鶴太郎と名乗る人がスプーン曲げをやった
これまで見たことないほどのスピードとパワーがありヒロシも感心していた
綾小路さんに会って直接見るため長野県に取材に行った
石井さんと本間さんは吉兆のお弁当を持ってきてくれた(初耳
ヒロシ:こんな弁当、生まれて初めて見るな
吉兆の弁当は私の今までの弁当歴を全て白紙に戻すほどの実力があった
ものすごく美味しい刺身、寿司、立派な松茸まるごと
その他手間のかかったいろいろな料理がぎゅうぎゅうに詰まっていた
綾小路さんは石井さんたちの持参したスプーンを見て
綾小路さん:
これはよくマジックのスプーン曲げに使われるんです
すごく曲がりやすいから
トリックの場合はこんな風に力を入れて曲げるんです とやって見せてくれた
私の持ってきた太いスプーンを手のひらにのせ
「ここを撫でてください」と言われた通りにスプーンの柄を撫でると
私が撫でているのにスプーンが曲がり始めた
綾小路さんはテーブルの上に置いてあった私のタバコを
1本まっすぐ立てて、そのまま手を触れずに15 cm ぐらい平行移動させた
綾小路:
スプーン曲げなんてインチキだって馬鹿にしてたんです
俺にだってできるだろうってやってみたらできたんで
誰にでもできるんじゃないか
それなのにテレビに出て超能力者とか名乗る奴は大げさすぎると思っていた
たまたま去年一度テレビに出たらみんなびっくりして
この1年間取材やあちこち来てくれと言われてものすごく消耗しました
懲り懲りだと思いましたが
これがきっかけでいろんな人に出会えてよかったなと思っています
多くの人々が未知なことに興味を抱いている
まだ知らない何かがあることを期待している
綾小路さんは人間の持つ可能性の豊かさを垣間見せてくれた
歌を上手く歌う能力などと同じように
スプーンを曲げられる能力の場合もある
ぐにゃぐにゃに曲がったスプーンにサインを彫り
上手に絵まで彫ってくれた
絵の才能まであるのだ
私はますます人間の持つ可能性の深さを感じた
(先日読んだ『マラビージャ』では
こうしたテレポーテーションをやろうとして出来なかったけど
こうした“超能力”を持つ人はいるよね
私たちが本来持つ力を発揮できる人と言うべきか
ヒロシは昨夜ホテルのバーで夜通し酒を飲んだにもかかわらず
早起きして本間さんらを誘って善光寺にお参りをしてきたらしい
私とヒロシは長野の地酒を買いに酒屋に走った
井筒長の大吟醸という酒
(お酒も飲まないから知らないなあ?
酒屋に買ったお弁当を置き忘れたため
帰りは車内販売のお弁当を食べた
あとがき
この本の取材は今までと比べて大変なことが多かった
サバイバルスクールに行ったついでに
ニューヨークにも寄りましょうかと石井さんに誘われたが断ってしまった
今にしてみればあの時、世界貿易センターを見ておけば良かったと思う
あんな大きなビルがたった1時間半で消えてしまった
いつどこで何が起こるかわからない
それぞれ個人で対処していくしかない
この世界の変化がとても良い世界の成長に繋がることを祈っている
良い世界になりますようにという想いは
一人でも多いほうが絶対に効果があると思う
エンリケさんも
「多くの人に良くなる世界をイメージしてほしい
毎日少しでもいいから祈りのために時間を使ってほしい」
というメールを送ってくれた
イメージの力は本当に強いものだと感じた
スプーン曲げの力も強いイメージの力なのだ
例えばヒーリングの方法なども
まずはイメージが肝心だと教えられる
人間の想念の力はまだ未知だ
多くの人の想念の力はきっとすごいに違いないという方向を選んでいきたいと思っている