メランコリア

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「変われ、スポーツと社会」@ビッグイシュー

2020-10-30 12:43:03 | 
【THE BIG ISSUE VOL.393】

「オフグリッドな暮らし」@ビッグイシュー



【内容抜粋メモ】

「スポーツは社会を映す鏡」

警官による黒人射殺事件などに抗議するため
2016年8月から試合前の国歌斉唱で起立を拒否し始めた
アメリカンフットボールのコリン・キャパニック選手(右)






「データ革命」






勝利のために選手やチームの膨大なデータを収集
AIなどで分析、予測
その結果、個性的なプレーが縛られてしまう

そんな動きのなか、社会学者の山本敦久さんにスポーツの今と未来について聞いた


「イチロー 引退会見で“主人公は選手からデータに”」






イチロー:
2001年にアメリカに来てから
2019年の野球は全く違うものになりました
頭を使わなくてもできてしまう
どうにも気持ち悪い


山本:
スポーツの世界はここ10年ほどでビッグデータの分析と
先端テクノロジーの融合により劇的に変わりました

特に MLB では軍事技術を応用したトラッキングシステムにより
選手の打球速度など全てがリアルタイムで解析されています

(最先端技術と呼ばれるものは、大体軍事からのお下がりだな



「フライボール革命」
膨大な集積データの結果、フライを打ち上げることが
より高い確率で得点に貢献するという打撃理論

投手との粘り強い、駆け引きなどは少なくなり
簡単に初球を打ち上げてアウトにする

アメリカでは選手もスタンドもあまり気にしない
むしろビッグデータに基づいてプレーしている選手は
有能だとする新しい価値観ができつつある

その風潮は日本にも及び、今では強豪校の高校球児たちも
積極的にフライを打ち上げるようになっている


選手たちは小型の GPS 端末をつけてプレーする
試合やトレーニング中に限らず
栄養、睡眠などの生活スタイル、生体データに至るまで
アスリートが24時間管理される流れは
スポーツを根本から変えつつある


ヤンキースの田中将大投手は、データによるフィードバックと
指先の微妙な感覚を組み合わせることでボールの回転数などを
コントロールできるようになっているという


もはや肉体の開発が限界に近づく中
最後のフロンティアとして
いかに即座に正しい判断ができるかという
脳機能や神経伝達の分野に関心が移ってきている


「eスポーツ」もどんどん競技性を高め
その境界線は自然になくなりつつある

ゲームで金メダル? 世界が熱狂!eスポーツ@週刊ニュース深読み


「サイバスロン」





身体に障害のある人達が先端のロボット技術による義手や義足などを使い
日常生活に必要な動作の正確さや速さを競い合う
2016年にスイスで初めて世界大会が開催された

オリンピックでは、義足のアスリートや金メダリストが
競技から締め出され物議を醸す事件も発生した



「ポスト・スポーツの時代」
これまで親しんできたスポーツの概念を覆す新たな動きで
近代スポーツの歴史の中で最も大きな変化







データ革命、テクノロジーの進歩だけではない
テニスプレイヤーの大坂なおみやコリン・キャパニックなど
社会問題にコミットするソーシャルのアスリートたちの出現も大きい

よくスポーツは政治とは無縁と言われるが
歴史を振り返ると、公権力から遠ざけられてきた黒人の女性達にとって
スポーツは自分たちの存在を証明できる
重要な社会的回路としてあり続けてきた

公民権運動をはじめとする60年代のブラックパワームーブメントでは
スポーツが社会運動の中心的役割を果たしたこともあった


その後、スポンサーである大企業の影響力が増す中
スポーツは「ナショナリズム」「資本主義(グローバル企業)」「家族」
3つの中にだけに収まり、「社会」がすっぽり抜け落ちた


女性達の#Me Too 運動と連結して
グローバルなうねりとなったことに着目した山本さん

山本さん:
アスリートたちは国家や企業に縛られず
一人の人間として差別や不平等を解きほぐし
多様な人々が多様なままに生きていける世界を
提示しようとしているのではないか

例えばサッカーのフォーメーションは分業体制だったが
70年代にオランダサッカーがポジションを流動化させ
全員が攻めて守れる多機能な能力が求められるようになると

産業界でも柔軟な能力が求められるようになってきた
一般の労働現場にも転用されはしないかと危惧しています

人と人が密にコミュニケーションすることで成り立つスポーツは
コロナ禍と非常に相性が悪いが

プレイヤー同士が絶妙な距離をとり続ける「距離の芸術」でもあり
多くのアスリートが SNS を使って繋がろうとしたのは
ポスト・スポーツの一つのあり方でした

競争と勝利に特化したオリンピックは膨大な開催費用がかかり
いずれ「オワコン」(終わったコンテンツ)になると思います

多様なものが多様なままでいられるスポーツのあり方が
これからは主流になる


アフリカの女性スプリンター、キャスター・セメンヤは
男性ホルモンを高めるアンドロゲンの数値が生まれつき高いという理由で
「女性ではない」と判断され
人工的な治療で男性ホルモンの数値を下げることを強いられた

『ポスト・スポーツの時代』山本敦久/著 岩波書店
1970年 長野県長野市出身


***

テニスも昔は優雅なスポーツで、個性的な選手の技を楽しんでいたけれども
今やパワー&スピード、リアルタイムで様々なデータが
うるさいほど画面に出てくるし
コーチやトレーナーも試合より手元のタブレットを見ている時間が増えた

機械のようなプレーヤーのパワー&スピード一辺倒なプレーはつまらない

その動きが産業界、日常、一般の私たちにも浸食してきているというのも分かる
マイナンバーカードは全然機能してないようだけれども
都市伝説の関さんみたく、そのうち体内にチップを埋め込み
あらゆるデータが集積・分析・利用・管理されるようになるのか?

SF映画の世界が現実化したら、それは安全な世界?
息苦しい世界?



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JR東日本・西日本 来春から終電時間30分繰り上げ

2020-10-30 12:30:46 | テレビ・動画配信
首都圏の最終電車を30分程度早める

(たった30分でニュースになるって日本くらいじゃないかな

会社員風男性インタビュー:
今はコロナであまり飲み会がないが
終電が早いほうが早く帰れていいんじゃないですかね


山手線8月 午前0時台の利用者数
去年比 66%減(上野駅~御徒町駅 内回り お盆時期除く平日)


「保線」
線路の点検・補修など
作業は終電後~始発までの間に行われる






JR東日本 鉄道事業本部 課長:
作業に従事する人の数が継続して減少している
一方で必要とするメンテナンスの量は増加傾向にある


(ここでも高度経済成長期のインフラが
 すべてボロくなっていることがわかる



「人手不足の現状は?@千葉・我孫子市」
「夜出」(深夜の勤務)が週末もびっしり入っている








菅原興業専務:
土日祝日じゃないとできない現場なり
平日だけでは作業がはかどらないのが現状
体力の面で厳しいということで辞めていく人が大勢いる

ロッカーやオフィスを新しくして
給与を上げても若い人が定着するのは難しい






保線作業員(JR東日本 管内)30%減
5000人(1987年)→3500人(2020年)

終電を早めることで保線の時間を確保し
作業員の働く環境を改善したい

(ロボット化しちゃえば?


菅原興業専務:
今後入ってくる人達にとって
仕事はあるけれども休みがないという形にならないように
人員を増やしていこうと思う



「インフラの老朽化構造的な問題が背景に」






交通経済学が専門の中央大学 後藤教授:
限られた時間の中で毎日保線をしていくことが
そろそろ限界に来ている

今まで私たち利用者が受けていた利便性は
支えてくれる人たちがいてこそ成り立っている
その辺をどう社会として考えていけるのかが大きな問題



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