メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

シャーロック=ホームズ全集 10 シャーロック=ホームズの帰還 下 コナン=ドイル/著 偕成社

2021-09-19 17:52:54 | 
中上守 ほか/訳 市川英夫&プラスB/装丁 シドニー・バッジェット/挿絵
1984年初版 1989年8刷

「ジュヴェナイル」カテゴリー内に追加します


うちの近所の図書館ではホームズシリーズが閉架って残念なことだなあ
棚に並んでなかったら、ないも同じ

レチェスター広場の地球の模型(ロンドンニュース 1851年の挿絵より)







【内容抜粋メモ】

六つのナポレオン像
レストレード警部は時々、事務所に雑談しに来るが
この日はフシギな事件について話し始める





すべて同じ原型から作られた
雑貨屋で買われた安物のナポレオン像が
次々と粉々に破壊された

神経症のたぐいかと思っていたが
セントラル通信社のハーカー記者が持つ
像が破壊されただけでなく
身元の分からぬ男が無残に殺される事件が起きた
手には醜い顔の男の写真が握られていた

ホームズは像がすべて灯りの下で壊されていることを指摘
(像の中に何か隠されてるって分かるよね





レストレードは男の身元を調べ
ホームズらは像を売った2つの店をあたり
夕方6時に会う約束をする

モース・ハドスンの店主は「破壊主義者、過激派の仕業に違いない!」と決めつける
ゲルダー商会から仕入れて、写真の男はベッポというイタリア人
事件の2日前に店を辞めた

ゲルダー商会は貧民窟ステプニーにあり
そこでは同じ石膏像を何百と作っている

主人にベッポの写真を見せると激怒する
腕はいいが、イタリア人を刺して、警察沙汰を起こした
いとこが同じ工場にいる

ホームズは記者に狂人の仕業だと書かせて
それを読んで笑う

ホームズ:
新聞は、その利用の仕方さえ知っていれば
こんなに便利なものはないよ


レストレードは自慢気に男の身元を調べた話をする
イタリア人専門の警部に死体を見せたら
ベネッチィというマフィアの一員
今すぐイタリア人街へ行こうと言うと

ホームズは特急のメッセンジャーボーイに手紙を託してから
犯人が残りの2つの像を壊しに来るのを3人で待ち伏せようと言う

1つの像を持つ男の住む荘で隠れていると
ベッポが侵入し、像を壊しているところを捕まえる

玄関からホームズが手紙を出したこの家の主人ブラウンが出てくる
また殺人が起きないよう手紙で忠告したため






再びレストレードを事務所に呼び
残りの1つの像を持つ男がやって来る






15シリングで買った像を10ポンドで買う代わりに
すべての権利を譲るという紙にサインをさせて帰らせる

その直後、像を粉々に割るホームズ
中からは今、世界にある真珠でもっとも有名な
ボルジア家の黒真珠が出て来る

鮮やかな解決ぶりにレストレードとワトソンが拍手を贈ると
普段は推理する機械のような顔を赤らめて
舞台の劇作家のように頭をさげて喜ぶ
このような人間らしさを見せるのはこんな時しかない

公爵夫人づきの女中のイタリア人には
ロンドンにいる兄がいて、殺されたピエトロ
ベッポと組んでいたのかは分からない

ベッポが事件を起こした時に慌てて真珠を
乾いていない像の中に隠して1年の刑を受けた後
どこに卸されたか、誰が買ったか調べて
1個ずつ盗んでは壊して探した

ピエトロに尾けられて、争った挙句に殺した
もう2つも探しに来るだろうと推理し
まずは近くのロンドンで見張った

レストレード:
そういうお方ではないのは知っていますが
明日、警視庁においでになれば、一番年配から若い巡査まで
あなたに握手を求めるに違いない

ホームズ:
ありがとう!
真珠は金庫にしまってくれ
それから偽造事件の書類を出してくれ

ホームズはまた冷静な推理の機械のような顔に戻ってしまう


三人の学生
関係者が分からないように書かれる事件が多くて、これもその1つ
でも、名前を出したらバレバレだよね?

聖ルーク学寮の講師ヒルトン・ソウムズはうろたえてホームズを頼る
世間の噂になると学寮の信用が落ちるため





ソウムズ:
明日はフォーテスキュー奨学資金試験の1日目で、私は試験委員の1人
試験用紙の校正刷りをチェックしていて
1時間ほど部屋を出ている間に
用紙が荒らされて見られたことを知った

召使のバニスターは正直な男で疑いはない
テーブルには鉛筆の削りカス
机には切り傷、、黒い粘土のような塊があった

明日、試験をしたらいいのかどうか分からない

ホームズらは早速学寮を見に行く
教師の部屋は1階
その上に各階1人ずつ3人の学生が住んでいる

ホームズ:
この鉛筆の削りカスにNNとある
よく知られている製造会社ヨーハンのものだ(!

ソウムズの書斎の隣りが寝室で
用紙を書き写した犯人はここに隠れたと推理する

探偵という身分は隠して3人の学生1人ずつに会う
鉛筆でメモしてわざと芯を折り、貸してもらう

2階のギルクリストは礼儀正しく
3階のインド人はせわしなく歩き回っているのが怪しい
4階の学生は普段から素行が悪い






翌日の早朝に再び学寮に来る
3人がいかめしく並び、まずはバニスターを呼ぶ

気が転倒して椅子に座ったのは、犯人に関するモノを隠すため
寝室に隠れていた犯人を逃がしたと推理を話すとかたくなに否定する

次にギルクリストを呼び、ここでの会話は誰にも漏らさないと約束すると
泣きだしてしまい、彼の代わりに事の次第を話すホームズ






ホームズ:
この窓を通りかかって中の用紙が見えたのは背の高い者だ
イスに手袋を置き、用紙を書き写している時に講師が戻り
慌てて寝室に隠れた
黒い粘土は、運動場にもあり、彼の履いていたスパイクについていた

ギルクリスト:
僕は昨晩寝ずに手紙を書いた
この試験は受けずに、警察に就職するため南アフリカに行くつもりだと

バニスター:
私はギルクリストの父君の執事をしていた
手袋に見覚えがあり、イスに座って誤魔化した
隠れていた彼を諭した

ホームズ:
ソウムズさんの問題は解決した
ギルクリスト君は、いったん低い所へ落ちた
将来、どんな高い所までのぼれるか楽しみにしていよう




金縁の鼻めがね
1894年もあらゆる事件を解決して
フランス大統領からレジョン・ドヌール勲章までもらったホームズ

ひどい嵐の晩の事件
(外国人ってどんなに雨が強くても傘をささないイメージがある
 ここでも外套、襟巻、オーバーシューズ、レインコートしか出てこない

ホームズが期待しているスタンリー・ホプキンズ刑事が来て
事件の相談をする






ヨクスリーの古屋敷をコラム教授が買い取り
病身のため、ほとんど家から出なかった
ほかには家政婦と女中のスーザンだけ

3番目に雇われた有能な秘書ウイロビー・スミスが
今朝、教授の書斎で殺されていた

机にあった封蝋用のナイフで首を刺された様子
スーザンはスミスが死に際に「あの女です・・・」と言ったのを聞いたが
誰のことか分からない
足跡もなく、唯一、死体が握っていた金縁の鼻メガネが犯人のものと思われる

ホームズはすぐに犯人像を話す様は
今の警察のプロファイリングみたいだ

ホームズ:
メガネくらい推理に役立つものはない
女性用で、金製のため立派な身なりだ
目が寄っていて、ひどい近眼には特有の肉体的特徴がある
額、まぶた、肩、猫背とか(そうなんだ

目的は書斎のビューローの中にあった
鍵をこじ開けた跡を見つけるホームズ チャブ式錠って何だろう?






教授はとても風変りな容姿でものすごい愛煙家
特注しているタバコを1000本ずつ送ってもらい
2週間ごとに注文している

それを勧められて、4本も吸うホームズを見て
余程気に入ったと思われる

教授:
スーザンの聞いたのはうわごとで
スミスは自殺したのだと思う
ビューローにあったのは、家族の記録や妻の手紙などで特別なものじゃない

ホームズはその気になれば、女性にとりいる腕も大したもので
すぐに家政婦の心を掴み、殺人があったのにも関わらず
教授は今朝からたっぷり食事をとったことを聞き出す(2人分だな

再び屋敷を訪ねた時、ホームズはうっかりタバコの缶を落としたフリでなにか調べる

ホームズ:
謎は解けました 今、この時に
犯人の女性は書斎に入り、秘書に見られて不幸な殺人が起きた

その時メガネをなくしたと気づき
庭に出る廊下と教授の寝室に行く廊下が似ているために間違えて入った
そして、教授は逃亡を助けた
犯人は本棚にいます

本棚はくるりと回り、女性アンナが出て来る

アンナ:
すべてお話します
あの青年を殺したのは私ですが事故でした

私は教授の妻です
結婚した時、彼は50歳、私は20歳

私たちは世を変えようとした革命家ですが
夫は莫大な賞金に目がくらみ、妻と仲間を売った
絞首刑になった者もいれば、シベリア送りになった者もいる
夫はその金でイギリスで暮らしていた

私の心の友はいまだにシベリアで岩塩を掘っている!
私の手紙と日記があれば無罪が証明できる

私立探偵を雇い、秘書として働かせ、書類は書棚にあると分かった
勇気を出して書類を取りに来た

だが、その前に屋敷の住所を聞いたのが秘書だとは知らなかった
だから死に際に「あの女」と言った

夫は私を隠れ場に押し込んだ
友人を救うために、この日記をロシア大使館に渡してください・・・

毒を飲んだ女はその場で息絶える






ホームズ:
近眼の犯人が足跡を残さず細い道を歩いたとは思えない
1つだけ本が積んでいない書棚が怪しいとにらみ
タバコをたくさん吸って灰を落としておいた(!
缶を拾う時、足跡を見つけて隠れ場所が分かった

ワトソンとともにロシア大使館に向かうホームズ



スリークォーター失踪事件
ワトソンは、何年もかかって、ホームズの麻薬愛好のクセを治そうとした
一度は素晴らしい経歴を台無しにしそうな時もあった

ホームズは面白い事件がないと、薬物に頼る代わりに苦行僧のように目がくもる

事務所にはおかしな電報がよく来るが
オーバトンというケンブリッジ大学のラグビー選手が来た時
ワトソンは歓迎した

ゴドフリ・ストーントンというチームの要が行方不明になり
明日の試合をどうしたらいいかといきなり尋ねる

ホームズがラグビーと縁のない生活のため
この名を知らないことに驚くオーバトン

オーバトン:
5回も国際試合に出た名スリークォーターの名を知らないなんて
あなたは一体どこにいたのですか?(ww

ホームズ:君は僕と違う楽しくて健康な世界に住んでいるのですよ





オーバトン:
私はラグビーチームのキャプテンで
明日、オックスフォードとの対抗試合があります

昨日ロンドンに来て、宿に泊まった時、ゴドフリは青ざめていた
その後、無教養な男が来て、走るように出たまま戻らない
もう二度と会えない気がするのです

ゴドフリは孤児で、マウント・ジェームズ卿に電報を打った
イギリスきっての大金持ちだが、ひどいケチでゴドフリには一文もくれないが
財産相続人ではある

ホームズは電報を届けたボーイから時間を聞く
使ったのは宿の頼信紙

鉛筆なら跡が残るが羽ペンで書いたため
吸い取り紙の跡を見ると「われらをぜひ助けられたし」という部分だけが読める
この宛先が誰か、郵便局では他人の控えは見せてくれないため一策を考える

そこにマウント・ジェームズ卿が現れ
この事件には一文も払わないと宣言するが
ゴドフリが誘拐されたかもしれないと鎌をかけると10ポンド払うと言う






電報の返事が来ないから、名前を入れ忘れたかもしれないので調べて欲しいと
局の女性に頼むと、宛先が専門医レズリ・アームストロング博士と分かり
早速向かう

ホームズ:
アマチュアスポーツも賭けの対象になっているから
選手を買収した線もある







アームストロング:探偵は快く思わない職業の1つです
ホームズ:その点では、我が国の犯罪者も同意見でしょう(w

ゴドフリが行方不明と聞いて驚く博士
ゴドフリが博士にウナ電(?)を打った領収書を見せると
プライベートなことをかき回していると追い出される

ホームズ:
もし博士が才能をあっちのほうへ向けたら
かの有名なモリアーティ教授亡き後を埋めるのにふさわしい人物だ
(驚

2人は博士の屋敷が見える宿をとって馬車を見張る
自転車で後を尾けると、身を隠す所がないケンブリッジで
博士に「お先にどうぞ」と言われてしまうw

宿にも「これ以上尾行してもムダだ」と手紙が届く

ホームズが注射器を持っているのを見て
また悪癖が戻ったかと思うが馬車にアニス入りの酒をかけて
ビーグルとフォックスハウンドのミックス犬ポンピーに匂いを追わせる(!!





博士はうまく巻きながら、畑の中の小屋に向かっていると分かり
先に入ると、ベッドに若い女性が死んでいて、ゴドフリが泣いている

ホームズ:新聞に載れば明らかになるが、私なら配慮し、協力も惜しみません

アームストロング:
誤解していた あなたは立派な方だ
ゴドフリはその娘と結婚したが
養父にバレれば遺産相続ができなくなる
そのうち娘は厄介な肺病になった
私は娘の父に電報を打ったら
ゴドフリに知らせてしまったため宿を飛び出した

真相が分かり、2人は悲しみの家から去る
解決しても何もならない時もあるんだね



アベ荘園
寒い朝にホームズに起こされ、ワトソンはケント地方行きの汽車に乗る
ワトソンの本は、ホームズの探偵術より人情話になっていることに不満を言う

ワトソン:では、なぜ自分で書かない?

ホームズ:
必ず書くよ
僕の晩年は探偵術のすべてを1巻に詰め込んだ教科書作りに捧げるつもりだ

アベ荘園でユーステス卿が殺された事件
凶器の火かき棒が曲がっていたことから相当の力がある犯人と推理

夫人は素晴らしい美人だが、顔は殴り傷で腫れあがり
腕にも虐待のアザがあるが不仲について詳しく話さない






夫人:
結婚にまで拘束力があるのは冒涜 犯罪 非道です
今にこの国は呪われます


夜中に異常がないか家の中を見てまわり
3人の強盗が入り、呼び鈴のひもでイスに縛られた
銀の食器が盗まれた

夫人を生まれた時からずっと世話している
女中テリーサ・ライトの供述も大体同じ

ユーステス卿は大酒飲みで
犬に石油をかけて火をつけたこともある(なんて大罪!

わざわざ呼び鈴のヒモを使ったこと
食器しか盗まなかったこと
ワインの3つのグラスなどにひっかかるホームズは
乗っている列車からワトソンを引きずり降ろす

ホームズ:
僕のあらゆる本能が、すべて間違っていると叫ぶんだ
強盗は立て続けに近い場所で仕事はしない
それもあんなに早い時刻に
となると、夫人と女中がウソをついていることになる

現場の食堂を改めて調べると、マントルピースの上でなにかを見つけて
ホームズ:事件の真相がつかめた 犯人はただ1人だが、恐ろしく手強い奴だ

オークの椅子に血のしみがあるのを見つける





テリーサ:
最初にユーステス卿に会った時は優しかった
肩書とお金、見せかけの物腰で奥さまを獲得したのです

ホームズは夫人に本当のことを話して欲しいと迫るがかたくなに拒まれる
船会社を調べて、ジャック・クローカー船長をつきとめる

ホームズ:
逮捕状が出たら、彼を救うのは不可能だ
僕はこれまで1、2度、犯人を発見したため
犯罪以上にひどい被害を与えた気がしたことがある
今では良心より、イギリスの法を誤魔化すほうがマシだと思うようになった

ホームズの指示で近くの池から盗まれた銀食器が出てきて驚くホプキンズ警部
逃げる時にそこに隠して、後で取りに来ると推理するが
目をつけていた有名な3人の強盗がNYで逮捕されてアテが外れる

ホームズはホプキンズにあるヒントを与えて、真相をふせる

ホームズ:
僕が知っているうちは非公式だが
ホプキンズが知ると公式になる
僕には個人的判断をくだす権利があるが、彼にはない

事務所にこれまでで最も素晴らしい男性の見本のような男がやって来る
クローカー船長にすべての真相を話すよううながすホームズ






クローカー船長:
私はなにも後悔していない
あいつがネコみたいに何度も生まれ変わっても
僕が叩き殺してやる!

初めてメアリと会ったのは船の上
彼女が結婚したと聞いた時も
相手が一文なしの船乗りでないのを喜んだ

だがテリーサに偶然出会い、話を聞いて気が狂いそうになった
メアリにも会ったが、その後会ってくれない

出航前にもう一度だけ会いに行き
彼女もひそかに僕を愛しているのを知った

その時、あの男が気違いみたいに飛び込んできて彼女の顔を殴った
僕は火かき棒で戦った
あいつが死ななければ、彼女が死ぬところでした

泥棒の筋書きは僕とテリーサで考えた

ホームズ:
イスのヒモの結び方で船乗りと気づいた
君の行為が正当防衛とみなされるか分からない
今から24時間以内に姿を消すなら誰も邪魔しないと約束しよう

ホプキンズには最高のヒントを与えたのだから
それを利用できないなら何もやりようがない

君は被告で、ワトソンは陪審員、私は判事だ
被告は有罪ですか、無罪ですか

ワトソン:無罪です 裁判長

ホームズ:
民の声は神の声なり(ボクス・ポピュリ・ボクス・デイ)
1年経ったら、あの女性のもとに戻りたまえ
彼女と君の未来が、私たちの判決が正しいと証明してるよう祈る!

(もとは、裁判って、私たち一般市民の良心が決めるものだよね
 この最後の文章にとても感動した
 ワトソンが即答しているのもステキ




第二のしみ
『アベ荘園』を最後にホームズの手柄話を発表するのを止めようと決めた
ネタ切れになった、読者が飽きたという理由ではなく
本人が嫌ったからだ

今ではサセックスの丘陵地帯に引っ越し
学究とミツバチを飼うことに身を入れているから
(!
有名であるのは不都合なのだ

だが、この最も重要な国際的事件で終わるのがふさわしいと指摘し
苦労の末、発表を許してもらった

ヨーロッパで知られる有名人2人が事務所に来た
イギリス首相を2度つとめたベリンジャー卿と
最も将来を約束された若手政治家トレローニ・ホープ

とある国の有職者からの最重要の国家機密となる手紙が盗まれた
奪った狙いは内容をばらすことだろうし
そうなれば戦争になるのは間違いない

書類箱に入れて、寝室に置いたが、4時間ほど空けた間に盗まれた
閣僚のほかに手紙を知る者は3人ほど





内容は、とある外国君主が、わがイギリス植民地の動静に心を痛め
非常に刺激的な文句もあり、公表されれば世論がわき大戦となるのはたしか

ヨーロッパは武装した兵のキャンプ地のようなもの
今は2つの陣営で軍事力のバランスがとれている
イギリスは中立を保っている
一方に参戦すれば有利となる

ホームズ:
では戦争の準備を
手紙は欲しがっている所へ急送されたに違いない
国際スパイか秘密諜報員で名を聞けば分かる主な者が3人いる
オーバスタイン、ラ・ロティエール、エドゥアルド・ルーカス

この連中は独立して仕事をするから大使館との関係はよくない
結局は金目当てだ

ワトソンは朝刊を読んで、ルーカスが昨夜、自宅で殺されたことを教える
「社交界で名の通った人物で、心臓を刺されて即死」

ホームズ:2つの事件はつながっているに違いない

トレローニ・ホープ夫人が夫に内緒で事務所に来る
手紙がなくなったことで夫の経歴に傷がつくことを恐れているが
国家機密でもあり話せないと言われると立ち去る





(どれもそうだけど「ものすごい美人」とあるのに
 挿画はそう描かれていないのが残念

被害者の使用人が逮捕されるが、アリバイがあって釈放される
アンリ・フルネという狂った夫人が当日現場付近で目撃されている

現場を調べると、カーペットに血のしみがあるのに
それをめくると床にしみがなく、別の所にある
誰かがカーペットを動かしたと分かる

ホームズはレストレードに見張りの警官が現場に誰か入れたことを教えて
叱っている間に、カーペットを調べて、床の穴から何か引き出して、元に戻す





昨夜、トレローニ・ホープ夫人が現場を見に来て失神し
介抱するためのブランデーを持って来る間に消えたと話す警官

ホームズ:戦争は起こらない ホープの経歴に傷はつかない


夫人に例の手紙を返して欲しいと頼む
話さないと夫を呼ぶと執事を呼び、15分の間に封筒を渡して
事情を泣いて話し、助けを求める夫人






夫人:
私ほど夫を愛している女はいません
結婚前に書いた軽はずみな手紙をルーカスが手に入れ
主人に渡されたくなければ、書類箱の書類を渡せと脅された

何の手紙かも知らずに渡したが、夫のうろたえ様を見て
取りに戻ると、ルーカスは隠し場所に手紙を入れた後
女が来て、ナイフで襲われた
誰も隠し場所を知らないため、現場に戻り、手紙を取り返した


首相とホープが来て、どこにも見当たらないのなら
最初から盗まれていない、書類箱に紛れているはずだと言うホームズ

仕方なくもう一度見てみると
手紙を見つけて大喜びして妻に教えに走るホープ

首相:これにはなにか隠れた秘密がある

ホームズ:私どもにも外交上の秘密がありまして(w






シャーロック=ホームズを推理する 各務三郎

●切手で見るホームズ物語

(なんのことはない、ホームズ物語にちなみ
 自分の切手コレクション自慢w
 でも、切手博に行った時、コレクターになる気持ちが分かった気がする
 切手もアートなんだよね

世界切手まつり スタンプショウ2018(2018.4.21)


1枚の切手には、その国の歴史や文化があらわれている

それまでイギリスの郵便制度は受取人払いでいろいろ問題があったため
差出人払いとなった

タペンスブルー、ブラックペニーは今では相当な値段





1830年は郵便ポストがなかったため、ベルを鳴らして手紙を集めていた/驚
ポストが設置されたのは1855年

イギリスの正式名は大ブリテンおよび北アイルランド連合王国
つまり、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの連合国



























作品解説

●三人の学生
聖ルーク学寮は、ホームズの母校オックスフォード大学のカレッジの1つと言われる


●金縁の鼻めがね
ドイルが一時期、眼科医を目指してウィーンまで勉強しに出かけたことが
大いに役立っている


●スリークォーター失踪事件
冒険は紳士のスポーツだった


●アベ荘園
イギリス人の結婚は、同じ階級同士でなされていたという証明




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