■スーパープレゼンテーション
去年、予録して全然見れてない番組をちょこちょこと見始めている。
前回書いた日記のつづき。
【シェリル・サンドバーグ「なぜ女性のリーダーは少ないのか」】(10.1 ON AIR)
米ハーバード大卒業後、まだ少人数の会社だったGoogleで手腕を発揮し、
現在フェイスブックCOOというバリバリのキャリアウーマンがスピーチ。
シェリル・サンドバーグからの3つのメッセージ
1. Sit at the table. 「テーブルにつきなさい」
ちゃんとテーブルにつかないと出世できません。自分自身に自分の成功に誇りを持つことが必要なんです。
2. Make your partner a real partner.「パートナーを本当のパートナーにする。」
家庭のなかでの仕事こそが、世界でもっとも大変な仕事。そのことは女性でも、男性でも同じ。
夫婦が本当のパートナーとして協力し合うことが必要だ。
3. Don't leave before you leave. Keep your foot on the gas pedal.
「仕事を辞める前に仕事から離れないで。 そして、アクセルを踏み続けて。」
スピーチからの抜粋
世界190か国の元首のうち女性は9人、2002年以降この数字は変わってません。
私は、皆が皆働けばいいとは言っていません。
仕事を続けたい人に向けて3つのことを伝えたいのです。
このスピーチに来る前、幼稚園に娘を預ける時“行かないで”って泣かれて、やっぱり時々、罪悪感を覚えますよね。
女性の場合は犠牲を伴うのが現実なんです。
子どもがいて共働きの場合、妻は夫の2倍家事をしています。育児は3倍しています。
仕事を辞めて、もっと家のことをやるのは妻のほう。
でも、家事や育児こそ大変な仕事だし、重要視すべき。
それは女性が会社にい続けるためにも必要なことです。
同等の収入があり、協力し合う夫婦は、離婚率も半減するというデータもある。
女性は自分の能力を過小評価する。男性は誇張し、女性は職場でも控えめ。
男性の57%が自分の初任給を交渉するのに対して、女性は7%。
いい結果が出せた時も、男性は自賛し、女性は“助けてもらったから”“ラッキーだった”などと謙遜する。
自分自身、自分の成功に誇りを持つことが必要なんです。
(でも、その背景には複雑な社会のベースがある)
1.社会的に男性のほうが成功することを求められているから。
2.出世する男は好かれるけど、出世する女は嫌われるから。
多忙な女性は子どもが欲しいかもと思った瞬間に、育児と仕事を両立させる方法を考え始め、手を挙げるのをやめてしまうのです。
もう出世を望まず、どんどん消極的になっていく。女性は考えすぎてしまいがち。
子どもを家に置いて仕事に行くのは辛いことだから、本当にやりがいのある仕事じゃないとやってられない。
2年前に昇進を誰かに譲ったような仕事じゃダメ。
最後の最後まで投げ出さないで、それで実際産休に入ってから、その後どうしたいかを決めればいいこと。
早まらないでほしい。とくに無意識の決断はいけません。
世界的に国や会社のトップの半数が女性だったら、きっといい世の中になります。
残念ながら、自分の世代には変えられないだろうけれども、
自分の息子には、仕事か家庭かを選ぶ自由を、娘には成功と好感度を両立できる環境を与えたいのです。
【フランク・ウォーレン「50万通の秘密」】(10.8 ON AIR)
数十年間、自宅で1人パソ相手に仕事をしてきたフランクさんは、孤独を感じて、ある突飛なアイデアを思いついた。
3000枚のハガキを配って「今まで誰にも言ったことがないあなたの秘密を匿名で書いて送ってください」と。
反響はまたたく間に広がり、自分でハガキを買って送ってくれる人もいて、国内外からどっさり届いた秘密をネットで公開し、
熱心な読者らによってコミュニティーも出来、本もベストセラーとなった。
秘密を書くときのポイント
ちょっと笑ってしまう秘密もあり、感動して泣いてしまう秘密もあった。
なによりシンプルで独創的なアイデアがいい! まさに“みんなを巻き込むアート”。
ここから発展して、「二度と会えない人からの留守電メッセージを投稿する」サイトや、
「拾ったカメラやフィルムの写真を現像、投稿して持ち主を探す」プロジェクトなども出来て感動の連鎖が生まれた。
フランクさんいわく
「ある人が送ってきた秘密で、ふと自分の悲しい記憶を思い出した。
これまでずっと胸の奥に隠れていて自分でも忘れていたことを、ハガキに書いてポストに出したらスッキリした」
この番組のナビゲーターの伊藤さんは「インターネットの大きな特徴は低いコストでいろいろトライできる」ってゆってた。納得。
誰でもアイデアさえあれば、今すぐにでも始められ、皆を巻き込んで楽しく、ココロを癒せて、かつビジネスにもなるってスゴイな!
スピーチからの抜粋
PostSecretは、アクセス数世界一の無広告ブログ。
秘密というのは、人間の脆さや強さを物語ります。
そして皆、実はドラマチックな人生を送っているんです。
eBay
ネット通販やオークションを手がけるアメリカの会社。
これも主婦が家の中のちょっとしたモノを捨てずに売りたいという遊びのアイデアから生まれた。
【イタイ・タルガム「名指揮者から学ぶリーダーシップ」】(1.7 ON AIR)
自らも指揮者であり、その経験や知識から考察した独特な「リーダー論」を名だたる大企業で講義もしているという。
表情も身振りも豊かに、有名な指揮者の映像を交えてスピーチして面白かったv
これは、音楽論でもあり、子育てなどにも応用がきく心理学でもあると思った。
この番組のナビゲーターの伊藤さんいわく
「国や企業やコミュニティーも中央管理型からボトムアップの指揮者が必要」
スピーチからの抜粋
(楽しんで指揮をしている彼の映像を)企業のお偉いさんに見せると困惑する。
“仕事を楽しむなんておかしい”って!
でも指揮者は、皆と喜びを分かちあい、それは決して個人的な喜びではなく
皆の“物語”が同時に聞こえるという喜びなんです。
オーケストラと観客それぞれの集団としての物語があり、また、そこにいる個々人の物語もある。
隠された物語もある。例えば、コンサートホールを建てた人たちや、美しい楽器を作った人たちの物語。
それらが重なり合う、それが生演奏の醍醐味です。わざわざ家から出て、足を運ぶ価値がある。
威圧的な指揮者であるムーティいわく「私はモーツァルトに対して責任がある」
演奏者らは「もうあなたにはついていけません。辞任してください。一方的に使われるだけでは私たちは成長できません」と言った。
(別の指揮者は)30歳ぐらいの時「指揮者の10か条」を作ったんです。
第1条 コンサートで汗をかくのはダメな証拠だ。
第4条 トロンボーン奏者を見るな。調子に乗るから/爆
つまり、干渉しないのが一番だという考え方なのです。
別の指揮者は、自分が書いた楽曲なのに譜面をわざとめくる。
これは“楽譜通りにやれ”というメッセージなのでは?
自己主張を控え、楽譜に忠実に演奏する、それだけ。
解釈するなという、これもまたある種の支配です。
カラヤンは、ベルリン・フィルだって分かりづらいw
カラヤンいわく「一番いけないのは、オーケストラに明確な指示を与えることだ。
なぜなら、お互いの音を聴くという大切なことを妨げてしまうから」
(分かりづらい指揮をして)「マエストロ、一体私はいつ吹けばいいんですか?」と聞かれて、
「我慢できなくなった時さ」と言ったとかw
つまり、演奏者には何の権限もないのです。カラヤンの頭の中の音楽を想像しないといけない。
指示なしで察しろとはすごいプレッシャー。これは精神的なとても強い支配です。
一方、クライバーの身振りは“ジミヘンみたいに楽器をぶっ壊せ”ではなく、
“あなたたちが自由に解釈できる余白を残したよ”って意味です。
ジェットコースターみたいなもので、勢いがあるから落っこちたりしない。
それがパートナーである証。指示がなくても、自分で考えて何をするか分かっている。
自分が今乗っているコースターの建設に参加するわけですよ。とても刺激的です。
でも、これが音楽のベストな作り方。
ヤル気やパワーを与えるだけが指揮者の仕事ではない。
必要に応じて指揮します。でも、それだけで皆ついてくる?
威圧的ではなく、指示もせず、ソリストの演奏を楽しんでいます。
そして、これはいい意味での誘導でもあります。
上を見る仕草、あれは解放を意味します。
彼は、皆が自分なりの表現をできるような空気を作ってくれます。
だからオーボエ奏者も自由に楽しく自信を持って演奏できる。
クライバーの場合、支配する側と、される側という関係性ではなく、
皆が共同で最高の音楽を作るというわけです。
もはや立場が逆転し、演奏者が語り手となって、その時そこにいる皆がその物語に聞き入る。
バーンスタインがそれを可能にします。“動かずに、動かす”ことができるように。
私の友人が“好きなものこそ独り占めするな”というので、最後にこちらを紹介します。
まったく動かず、恍惚とした表情は、演奏を心から楽しんでいる様子。
去年、予録して全然見れてない番組をちょこちょこと見始めている。
前回書いた日記のつづき。
【シェリル・サンドバーグ「なぜ女性のリーダーは少ないのか」】(10.1 ON AIR)
米ハーバード大卒業後、まだ少人数の会社だったGoogleで手腕を発揮し、
現在フェイスブックCOOというバリバリのキャリアウーマンがスピーチ。
シェリル・サンドバーグからの3つのメッセージ
1. Sit at the table. 「テーブルにつきなさい」
ちゃんとテーブルにつかないと出世できません。自分自身に自分の成功に誇りを持つことが必要なんです。
2. Make your partner a real partner.「パートナーを本当のパートナーにする。」
家庭のなかでの仕事こそが、世界でもっとも大変な仕事。そのことは女性でも、男性でも同じ。
夫婦が本当のパートナーとして協力し合うことが必要だ。
3. Don't leave before you leave. Keep your foot on the gas pedal.
「仕事を辞める前に仕事から離れないで。 そして、アクセルを踏み続けて。」
スピーチからの抜粋
世界190か国の元首のうち女性は9人、2002年以降この数字は変わってません。
私は、皆が皆働けばいいとは言っていません。
仕事を続けたい人に向けて3つのことを伝えたいのです。
このスピーチに来る前、幼稚園に娘を預ける時“行かないで”って泣かれて、やっぱり時々、罪悪感を覚えますよね。
女性の場合は犠牲を伴うのが現実なんです。
子どもがいて共働きの場合、妻は夫の2倍家事をしています。育児は3倍しています。
仕事を辞めて、もっと家のことをやるのは妻のほう。
でも、家事や育児こそ大変な仕事だし、重要視すべき。
それは女性が会社にい続けるためにも必要なことです。
同等の収入があり、協力し合う夫婦は、離婚率も半減するというデータもある。
女性は自分の能力を過小評価する。男性は誇張し、女性は職場でも控えめ。
男性の57%が自分の初任給を交渉するのに対して、女性は7%。
いい結果が出せた時も、男性は自賛し、女性は“助けてもらったから”“ラッキーだった”などと謙遜する。
自分自身、自分の成功に誇りを持つことが必要なんです。
(でも、その背景には複雑な社会のベースがある)
1.社会的に男性のほうが成功することを求められているから。
2.出世する男は好かれるけど、出世する女は嫌われるから。
多忙な女性は子どもが欲しいかもと思った瞬間に、育児と仕事を両立させる方法を考え始め、手を挙げるのをやめてしまうのです。
もう出世を望まず、どんどん消極的になっていく。女性は考えすぎてしまいがち。
子どもを家に置いて仕事に行くのは辛いことだから、本当にやりがいのある仕事じゃないとやってられない。
2年前に昇進を誰かに譲ったような仕事じゃダメ。
最後の最後まで投げ出さないで、それで実際産休に入ってから、その後どうしたいかを決めればいいこと。
早まらないでほしい。とくに無意識の決断はいけません。
世界的に国や会社のトップの半数が女性だったら、きっといい世の中になります。
残念ながら、自分の世代には変えられないだろうけれども、
自分の息子には、仕事か家庭かを選ぶ自由を、娘には成功と好感度を両立できる環境を与えたいのです。
【フランク・ウォーレン「50万通の秘密」】(10.8 ON AIR)
数十年間、自宅で1人パソ相手に仕事をしてきたフランクさんは、孤独を感じて、ある突飛なアイデアを思いついた。
3000枚のハガキを配って「今まで誰にも言ったことがないあなたの秘密を匿名で書いて送ってください」と。
反響はまたたく間に広がり、自分でハガキを買って送ってくれる人もいて、国内外からどっさり届いた秘密をネットで公開し、
熱心な読者らによってコミュニティーも出来、本もベストセラーとなった。
秘密を書くときのポイント
ちょっと笑ってしまう秘密もあり、感動して泣いてしまう秘密もあった。
なによりシンプルで独創的なアイデアがいい! まさに“みんなを巻き込むアート”。
ここから発展して、「二度と会えない人からの留守電メッセージを投稿する」サイトや、
「拾ったカメラやフィルムの写真を現像、投稿して持ち主を探す」プロジェクトなども出来て感動の連鎖が生まれた。
フランクさんいわく
「ある人が送ってきた秘密で、ふと自分の悲しい記憶を思い出した。
これまでずっと胸の奥に隠れていて自分でも忘れていたことを、ハガキに書いてポストに出したらスッキリした」
この番組のナビゲーターの伊藤さんは「インターネットの大きな特徴は低いコストでいろいろトライできる」ってゆってた。納得。
誰でもアイデアさえあれば、今すぐにでも始められ、皆を巻き込んで楽しく、ココロを癒せて、かつビジネスにもなるってスゴイな!
スピーチからの抜粋
PostSecretは、アクセス数世界一の無広告ブログ。
秘密というのは、人間の脆さや強さを物語ります。
そして皆、実はドラマチックな人生を送っているんです。
eBay
ネット通販やオークションを手がけるアメリカの会社。
これも主婦が家の中のちょっとしたモノを捨てずに売りたいという遊びのアイデアから生まれた。
【イタイ・タルガム「名指揮者から学ぶリーダーシップ」】(1.7 ON AIR)
自らも指揮者であり、その経験や知識から考察した独特な「リーダー論」を名だたる大企業で講義もしているという。
表情も身振りも豊かに、有名な指揮者の映像を交えてスピーチして面白かったv
これは、音楽論でもあり、子育てなどにも応用がきく心理学でもあると思った。
この番組のナビゲーターの伊藤さんいわく
「国や企業やコミュニティーも中央管理型からボトムアップの指揮者が必要」
スピーチからの抜粋
(楽しんで指揮をしている彼の映像を)企業のお偉いさんに見せると困惑する。
“仕事を楽しむなんておかしい”って!
でも指揮者は、皆と喜びを分かちあい、それは決して個人的な喜びではなく
皆の“物語”が同時に聞こえるという喜びなんです。
オーケストラと観客それぞれの集団としての物語があり、また、そこにいる個々人の物語もある。
隠された物語もある。例えば、コンサートホールを建てた人たちや、美しい楽器を作った人たちの物語。
それらが重なり合う、それが生演奏の醍醐味です。わざわざ家から出て、足を運ぶ価値がある。
威圧的な指揮者であるムーティいわく「私はモーツァルトに対して責任がある」
演奏者らは「もうあなたにはついていけません。辞任してください。一方的に使われるだけでは私たちは成長できません」と言った。
(別の指揮者は)30歳ぐらいの時「指揮者の10か条」を作ったんです。
第1条 コンサートで汗をかくのはダメな証拠だ。
第4条 トロンボーン奏者を見るな。調子に乗るから/爆
つまり、干渉しないのが一番だという考え方なのです。
別の指揮者は、自分が書いた楽曲なのに譜面をわざとめくる。
これは“楽譜通りにやれ”というメッセージなのでは?
自己主張を控え、楽譜に忠実に演奏する、それだけ。
解釈するなという、これもまたある種の支配です。
カラヤンは、ベルリン・フィルだって分かりづらいw
カラヤンいわく「一番いけないのは、オーケストラに明確な指示を与えることだ。
なぜなら、お互いの音を聴くという大切なことを妨げてしまうから」
(分かりづらい指揮をして)「マエストロ、一体私はいつ吹けばいいんですか?」と聞かれて、
「我慢できなくなった時さ」と言ったとかw
つまり、演奏者には何の権限もないのです。カラヤンの頭の中の音楽を想像しないといけない。
指示なしで察しろとはすごいプレッシャー。これは精神的なとても強い支配です。
一方、クライバーの身振りは“ジミヘンみたいに楽器をぶっ壊せ”ではなく、
“あなたたちが自由に解釈できる余白を残したよ”って意味です。
ジェットコースターみたいなもので、勢いがあるから落っこちたりしない。
それがパートナーである証。指示がなくても、自分で考えて何をするか分かっている。
自分が今乗っているコースターの建設に参加するわけですよ。とても刺激的です。
でも、これが音楽のベストな作り方。
ヤル気やパワーを与えるだけが指揮者の仕事ではない。
必要に応じて指揮します。でも、それだけで皆ついてくる?
威圧的ではなく、指示もせず、ソリストの演奏を楽しんでいます。
そして、これはいい意味での誘導でもあります。
上を見る仕草、あれは解放を意味します。
彼は、皆が自分なりの表現をできるような空気を作ってくれます。
だからオーボエ奏者も自由に楽しく自信を持って演奏できる。
クライバーの場合、支配する側と、される側という関係性ではなく、
皆が共同で最高の音楽を作るというわけです。
もはや立場が逆転し、演奏者が語り手となって、その時そこにいる皆がその物語に聞き入る。
バーンスタインがそれを可能にします。“動かずに、動かす”ことができるように。
私の友人が“好きなものこそ独り占めするな”というので、最後にこちらを紹介します。
まったく動かず、恍惚とした表情は、演奏を心から楽しんでいる様子。