夕方に近づくと、ラジオが各地域の「緊急避難所」の場所を伝えた。家の傍の「公民館」が入っていた。
大きな余震が起こる可能性があるというので、明るい内に夕食を済ませ、タオル、バスタオルを持ち、戸締りをして「公民館」へ出かけた。
既に50人ほどの人が来ていた。発電機を動かして明かりを確保していた。
受付を済ませ、毛布と寝袋が入った袋を1つずつ渡され、それを早速空いた場所に広げて、貴重品が入ったショルダーバックを枕にして寝ようとした。
しかし、小さな子どもたちが興奮してはしゃぎ、走り回り、大声を出したり泣いたりするので中々休めない。体験上、イギリスの子供なら、こんな時は静かにできるのにと思った。
食事を採っていない人には、レトルトの「チキンライス」が配られ、お湯が用意されていた。
22時になって大広間の電気が消されると、子供達もようやく静まり、私もいつの間にか寝入ったらしい。
朝5時に目が覚めた。まだ多くの人が寝ていたが、そっと抜け出して家に帰った。
二日目の夜も家や戸外は真っ暗なので、夕食を済ませてから「公民館」に行った。
今度は暇つぶしの「クロスワードパズル」と「アイマスク」を持って出かけた。
その日は、食事代わりに菓子パンが置いてあった。避難者は、昨日の半分位だった。電気が来た一部地域の人が来なかったらしい。
疲れたので早めに「アイマスク」をして寝ていたら、22時前に「電気が来た!」と言う声がした。43時間振りで電気が来たのだ。街灯も点いた。
私は家が心配なので帰宅した。何とTVと2部屋の電気が点いていた。
各部屋を点検し、それ迄「圏外」で繋がらなかった携帯電話に充電して、やっと妹と娘にメールが繋がった。
電気が無ければ、文明の利器も何にもならない事を知った。
23時半過ぎに自分のベッドに横になったら、避難所とは違って凄くソフトな感触に驚いた。催眠薬を飲んでいつの間にか寝込んだ。
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