W杯では、ファンやサポーターたちは、大会に出場する選手たちの気持ちを、彼らのホームページやブログを通じて知ることができる。
中田ヒデも、オーストラリア戦の後に、何を言ってもいい訳ととられるのでコメントを控えるというコメントを発している。
冒頭、「W杯では」とことわったのは、もうひとつの世界的スポーツイベント、オリンピックの場合、出場選手による大会期間中のホームページやブログの更新を禁じているからだ。
なぜ、オリンピックではブログやホームページが禁止なのか。
選手のジャーナリスト活動を禁止することによって、競技に専念させるため。マスメディアが選手を囲い込むことを防ぐため。オリンピックという舞台で、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、選手を指導、保護しているのである。ただし、選手のビジネスチャンスを奪っているという面も否めない。
また、オリンピックでは、とくに競技後の公式記者会見を重視しており、それよりも前に選手から情報が漏れることを嫌う。これは、IOCや大会組織委員会による情報統制ともとれるが、すべてのメディアに公正であろうとする証でもある。と同時に、ばく大な放送権料を払っているテレビ局への配慮でもある。
スポーツ界では死語になりつつある「アマチュア」という言葉だが、オリンピックの場合、まだ選手をアマチュア扱いし、大会の支配下におこうとする意思があるように思える。
翻って、サッカーW杯ではどうか。FIFAや大会組織委員会が、プロとしてビッグマネーの源となっている彼らの活動を規制することは難しい。ドーピングや人種問題など、医学的、倫理的な意図が明らかであり、選手の賛同を得ているものに限られよう。
「サッカーは、子供を大人にし、大人を紳士にするスポーツ」という言葉がある。
文字通り、FIFAは世界最高の舞台に集まる選手を大人扱いしているのである。ブログだって、大会期間中に手記を書くことだって、選手やチームの自己責任というわけである。
世界最大のスポーツイベントと並び称されるサッカーW杯とオリンピックの性格の違いは、こんなところにも表れている。
さて、クロアチアとの戦いの後、日本代表選手たちのブログにはどんな言葉が並ぶのだろうか。
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