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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



2014年の冬季オリンピックの開催地が、ロシアのソチに決定した。オーストリアのザルツブルグ、韓国の平昌(ピョンチャン)を制して、ソ連時代のモスクワ夏季オリンピック以来の、そしてロシアとしては初のオリンピックを開催することになった。

この報道のなかで、2014年の開催地がソチに決まったことが、2016年の東京オリンピック招致にプラスになるという意見が目についた。2014年に韓国でオリンピックを開催したあとに、その2年後に日本で、つまり冬、夏と2大会続いて、アジアで開催することは、地域的なバランスを考えたらありえないからだ。

確かに、そうかもしれない。しかし、現実的には、2014年の冬季オリンピックの開催地に関係なく、2016年の東京大会の開催は相当難しいというのが真実だろう。

2000年シドニー、2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドンと続けば、次は、アメリカ大陸で開催せざるをえないと考えるのが常識的である。できれば米国のどこかの都市で、最低でも米国と時差のない地域が有力となる。これは、地域的なバランスに加え、ばく大な放送権料を払っている米国NBC放送への配慮があるからだ。

そう考えると、東京オリンピックの実現性が高いのは、2020年か2024年になる。そして、今、招致活動に携わっている人たちの多くは、そう考えているのではないか。もしかしたら、ロシアのソチに決まったときに、いや韓国・平昌(ピョンチャン)が負けたときに、一番がっかりしたのは、東京オリンピック招致関係者だったのではないか。

なぜならば、2009年のIOCの総会で、2016年の開催地に東京が選ばれなかったときの説得力のある言い訳がひとつ減ってしまったからである。

今日、東京都の招致委員会が、2014年冬季オリンピックの招致に成功したソチが使っていたPR会社「ジョン・ティブス・アソシエーツ」と契約するというニュースを読んだ。負けたときの言い訳が減ってしまった戦いに、本気に臨む気になった表れか。


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