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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



コパ・アメリカ 決勝
ブラジル 3対0 アルゼンチン
(2007/7/17 NTV)

コパ・アメリカ(南米選手権)の決勝は、ドゥンガ監督が率いるブラジルが、スター選手をそろえたアルゼンチンを3対0で破って優勝した。

ベネズエラで開催されていたコパ・アメリカは、地域連盟内のナンバー・ワンを決めるという点では、日本が参加しているアジアカップと同じだが、そのレベルには大きな差があるように見えた。気候条件などの違いを考慮したとしても、ひとつひとつのプレーの正確さ、スピード、アイデアは、さすが南米と言わざるをえない。

決勝戦も、ブラジルとアルゼンチンの激しい攻防が繰り広げられた。そして、激しい守備からの鋭いカウンターでブラジルが3点を奪った。しかし、その攻撃も見事だったが、むしろ、無名のブラジル選手たちが、ドゥンガ監督の指示通りに、アルゼンチンの中核となるリケルメ、メッシを完全につぶしていたことが印象に残った。

アルゼンチンは、昨年のドイツW杯のメンバーがほとんどで、ネームバリューでは、ブラジルをはじめ他のチームを圧倒していた。事実、準決勝のメキシコ戦までは、実力どおりに順当に勝ってきた。しかし、決勝戦では、アルゼンチンの良さを完全に消されてしまった。

決勝戦は、激しい戦いではあったが、ブラジルからも、アルゼンチンからも、「らしさ」が感じられなかった。これは、今大会のブラジルの戦い方のせいだと思った。

ブラジルのサッカーのおもしろさ、素晴らしさは、自らの良さとともに相手の良さを引き出してしまうところにある。ときに、相手の良さを引き出しすぎて、敗戦につながることもあるが……。

コパ・アメリカで優勝したブラジルのサッカーは、現役時代のドゥンガが11人いるような、守備意識の高い「ドゥンガらしいサッカー」だったが、「ブラジルらしいサッカー」ではなかった。

勝つことと魅せること。ブラジルの、いや全世界のサッカーファンがブラジル・サッカーに求めることだ。「ドゥンガ・ブラジル」は、「ブラジルらしいサッカー」に向かっていくのだろうか?

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