行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

【J特】立ち向かう「意志」を見せた勝ち点1。連勝はならずも、可能性を示す  ロアッソ熊本戦

2011-07-18 22:33:18 | カターレ富山
1-1のドロー。
熊本にとって過去最多動員となる2万5千人を集めたKKウイングでの、まさに完全アウェイ戦。ですが、カターレ選手たちは怯むことなく自分たちのプレーを、意志を貫きました。
せっかく先制しながら、リードを守れず勝てなかったことは残念。それでも、悪いときであったなら逆転負けを喫していたような試合にあっても、自力で勝る相手に対して最後の最後まで敢然と立ち向かっていけたことは、収穫でした。追いつかれてしまったあと、崩れてしまうことが多かったこれまで。そこを踏ん張ることが出来たのも、ここ最近の試合で、徐々にではありますがチームが良い方向に向けて進み始めたことの証とも言えるのではないかと。
10試合連続勝ち無しがありました。しかし、連勝こそならなかったものの、これで2試合連続負けなし。あるいは連敗もあり得たところの、上位につけるチームとの九州アウェイ2連戦で、勝ち点4。
巻き返しは、始まっています。
願わくば、勝てなかったながらもしっかりとした意志を持ってつかみ取ったこの勝ち点1が、今後につながりますように。
前節と大きくは変わらないメンバーにあって、期限付き移籍で加入して以来初出場となった福田が、池端に代わってスタメン出場となりました。
福田 俊介 25歳。186センチ・86キロという恵まれた体躯を武器とするDFで、前所属の大宮では、昨年、リーグ戦7試合、カップ戦4試合に出場。出場機会を求めて、この7月に期限付き移籍で富山にやってきました。
今季ここまでの不調は、負傷者が相次いだDF陣がなかなかうまくいかなかった影響が少なくありません。その弱点を埋めるための補強として、理にかなっているとは思いましたが・・・正直なところ、不安もなくはありませんでした。Jではほかに例のない3-3-3-1というフォーメーションをとるカターレ。ちーむとしてもまだまだ道半ばというなかにあって、途中加入選手が果たしてうまくフィットするのか?と。それでなくとも、緊急加入の金井は例外として、J昇格からこっち、選手の途中加入がまったくなかったし・・・。
もちろん、1試合見ただけで判断するのも時期尚早というものでしょうが、それでも。
見た限り、期待に応えるだけの活躍をしていたように思えました。守備において、持ち味である強靱なフィジカルが効いており、相手攻撃陣もやりづらそうでした。また、攻撃面においても、ゴールこそならなかったとはいえCKから競り勝って頭で合わせた場面があったりと、今後にも期待したい内容だったかと。
新たなカターレの28番に、注目です。

試合においては、やはり上位につける熊本とは、地力の差を感じました。なかなか思うように良い形が作れず、シュートまで行けない状態が続くことに。
そんななか迎えた22分でした。
幾度かのピンチを粘り強くしのいでいたなかで、飯田がキャッチしたボールを判断よくスロー。大西へと渡り、その大西が最前線へと絶妙なタイミングでスルーパスを繰り出しました。そこに走り込んだのは苔口!Jでも屈指と言われるスピードからボールを受け取り、飛び出してきたGK南の脇を抜ける、狙い澄ましたシュート!同じようなコースで開幕戦の同点ゴールを彷彿とさせましたが、今度は跳ね返ることなくゴールへ。カウンターのお手本といえるような速攻が炸裂し、良い時間帯に良い形で堅守・熊本から先制点を奪ったのでした。
実際、前半はシュート1本に押さえ込まれてしまいました。しかし、その1本で1点。劣勢にあってもしっかりやりきるんだという意志が、伝わるゴールでした。

一方の熊本。チャンスを作りながらもなかなか決めきることができず、悶々としていたようでした。そのうち、攻めあぐねてなかなかボールを前に出せない場面があったりとか。カターレが、劣勢にありながらも自分たちのプレーを貫こうという姿勢が生んだ状況であったともいえるのではないかと。
しかし・・・74分、ゴール前の混戦から決められてしまい、同点に。
時間帯的に、73分に苔口に代わって黒部が投入された直後の失点でした。油断とまでは言えないかもしれませんが、わずかに張り詰めていたものが緩んだ隙があったのかもしれません。この時にしても、いったんは飯田のスーパーセーブで凌ぎながら、それが報われないかたちでのしってんとなってしまったのが、なんとも残念です。
ですが。
これまでであったなら、そのショックを引きずって、あるいは逆転されてしまっていたやもしれません。しかし、怒濤の攻撃に晒されながらも、最後まで集中して戦いきりました。向こうにしてみれば、大観衆の前でなんとしても勝たねばならないという気迫をもっての攻撃。しかし、そうはさせじとカターレ。ついに、最後まで追加点を許しませんでした。

終わってみれば、熊本のシュート13本に対し、カターレはわずか3本。良い形でのゴールがあったとはいえ、やはり、得点力不足は深刻です。複数得点すらままならない状況は、厳しいと言わざるを得ません。
しかし、一方で、追いつかれながらも最少失点で凌いだ守備には、前節の零封ともども、改善の兆しが見られます。失点のショックで崩れることなく、劣勢に屈しない守備は、今後を戦う上での自信となっていくことでしょう。その自信があってこそ、攻撃にも意識を割けるというもの。そうして攻撃にも明確な意志というものが合わさったなら、改善へ向けての大きな一歩となっていくのではないかと思います。

アウェイ2連戦で勝ち点4は、悪くない。ならば、その勢いを、次はホームで見たいです。
お礼参り3連戦の初戦はドロー。次の水戸にはこれまで勝利がないだけに、久々のホーム戦勝利を水戸戦初勝利として飾ってほしい、そう思います。
今節の良かったところ、悪かったところをじっくり精査し、次節の勝利へとつなげてほしいです。