2-1で勝利!
敗戦でこそなかったものの、無得点に終わり、上位進出に足踏みしてしまった前節・群馬戦。
それでも!と再び奮起しなければならなかった今節。
幸先よく先制しながら、相手のスーパーゴールによって追いつかれてしまう展開。
けれど、そこから勝ち越し、集中力を切らすことなく逃げ切りに成功。
アウェイ戦で、見事に勝ち点3を獲得。昇格戦線に踏みとどまることに成功したのでした。
連続負けなしを続けているなかにあって、それでもスタメンの変更に踏み切った今節。
中断明け以降は途中出場であった高橋が、久々のスタメン。
前線からの守備でも果敢にボールに挑んでいく姿勢、という彼の持ち味。そこに期待しての起用であったようで。
そして、ボランチには椎名が。
昨年のホーム沼津戦で大けが、そこから長期離脱を余儀なくされましたが、その時以来のスタメン出場。その沼津戦が11月。あれからちょうど1年ぶりということになりました。
前節の群馬戦もそうでしたが、今節もまた、強風の影響を受けるなかでの試合となりました。
前節同様、前半は風上から攻めるかたちとなったカターレ。
攻めながらも決めきれずに終わってしまった群馬戦の反省もあります。ならば、いかに先制して優位に試合を進めるか。それが問われました。
しかし、先制点の重要性は、福島とて同じ。
開始早々に素早い攻撃、そこからエースであるFW武に合わせられ、あわや!という場面がありながらも榎本が体を張って阻止。
わかっていたことではありますが、再確認。ゆめゆめ油断などできないぞ、と。
そんななかで、15分。
相手陣内で花井と高橋が二人がかりでプレッシャーをかけ、ボールを奪取。すかさず攻め上がった花井が、GKとの1対1の場面でも冷静にループシュート。
見事にゴールに吸い込まれ、欲しかった先制点を奪うことに成功したのでした。
前線からの果敢な守備という高橋の持ち味が、しっかりと出たかたち。まさに、起用がズバリ。そして、そこから慌てずに決めきってみせた花井。
若手も多いチームにあって、経験豊富な両名が奪い取ってみせた、味のあるゴールであったかと。
良い時間帯に先制することに成功し、さぁ、これからだ!という状況でしたが。
もちろん、福島の側も黙ってはいませんでした。
24分、前線での細かいつなぎから手薄だった左サイドで受けたMF田村が強烈なシュート!
しかし、それを榎本が飛びつきながら右手1本ではじき出す、というスーパーセーブを見せて阻止!肝を冷やす場面がありました。
それでも・・・それが伏線となった、ということでしょうか。
29分、攻め上がっていたDF星につながった場面。
そこから、先の惜しいシュートシーン同様に左から攻めてシュートか?というなかで、中央に切り返し。そして、ペナルティーエリア外から思い切りシュート!
一瞬、虚を突かれた榎本、対応できず、決められてしまいました。
福島にとっては、思い切り向かい風であった状況。もし、無風、あるいは追い風で同じようにシュートしても決まってはいなかったのではないかと。先のシュートシーンのイメージがあったぶんだけ、対応が一瞬遅れてしまい、それが命取り、と。
遠目からでも、リスクを恐れず果敢に狙っていった、それを見事に決めた星。敵ながらあっぱれ、というほかありません。そういった積極性は、カターレの選手たちも見習うべきものがあります。
ともあれ、同点。試合を振り出しに戻されることに。
もちろん、同点のままで終わるわけにはいかないカターレ。逆転などもってのほか。なんとしても勝ち越さねばならなかったところ。
前半も大詰めの42分、CKのチャンスで。
椎名がグラウンダーのボールを蹴りだすと、ゴール前の密集地帯の大外から回り込んでフリーになった大谷が思い切りよくシュート!DF星に当たってそのままゴールへ!待望の勝ち越しゴールを挙げたのでした。
これもまた、それまでの伏線があったなかでのゴールでした。
追い風の中で、前半で6本のCKがあったカターレ。そのうち5本がメインスタンドから見て奥の左コーナー、得点につながったものが手前の右コーナーでした。
左コーナーからは、普段であれば、専ら花井がキッカーを担当しますが。この日は、花井だけでなく椎名、陽次と、キッカーを固定しませんでした。
そんな中で、この42分のCK。右コーナーなので左利きの椎名がキック、ということ自体は珍しくもありませんが。
福島にとってみれば、相手のCKにおける戦術を見極めきれない部分もあったかもしれません。単純に同じことをくりかえしていたわけではなかったなかで。
そういった状況で、狙いすましたサインプレー。
まさに、してやったり!
見事なゴールでもって、勝ち越しに成功。リードしつつ試合を折り返したのでした。
後半は風下となったカターレ。
それでも攻勢は緩めず、追加点を狙いにいった・・・のですが、どうにも決まらず。
とくに目立ったのが、陽次。ここぞ!というチャンスで続けて外してしまい、それさえ決まっていたら、あと2点くらいは入っていたところ。
もちろん、いちばん悔しいのは当の本人でしょうけれど。くさることなく、精進を続けていってほしいです。
もちろん、同点、逆転を狙う福島の側も黙ってはおらず。
FWの小牟田、イスマイラ、MF川中と、攻撃ポジションの選手を次々と投入。スタメン出場の武、雪江も得点を狙って精力的にプレー。攻撃的スタイルを志向する福島の、得点への確かな意思を感じさせました。
そんななかでも、今瀬、脇本らを中心に集中力をきらすことなくプレーし続けたカターレ。
追加点を奪うことを諦めたわけでないにせよ、それでも。
しっかりと集中して守ることが肝要と、後半の半ばごろからは守備重視にシフト。
この日はスタメンを外れていた碓井と稲葉の2人を投入してボランチのコンビを組ませると。花井は1列上げるという、先のセレッソ大阪U23戦でも見せていたフォーメーションに。
相手が攻勢を強めようが、しっかり対処して得点させないぞ!というメッセージでもあったかと。
前半に比べたら守備の機会も多くなったものの、それでも。
相手に決定的なチャンスを作らせず、辛抱強くプレーし続けました。
そして、試合終盤には久々の出場となるルーカスを投入。高さの面でもしっかりと対応してパワープレイにも対処。全員が意識高く守り続けました。
そして、4分あったアディショナルタイムが経過、試合終了のホイッスル。
勝利への意思が結実し、見事に勝ち点3を得ることに成功したのでした。
中断明け以降の好調が続いていたなかで、無失点ながらも無得点に終わってしまった前節。それを引きずってしまうことで得点できず、というパターンもあり得たなかで。
得点をしっかりと決めて、さらに追いつかれても動じることなく突き放した。
そして、相手の反撃も辛抱強い守備でもってシャットアウト。同点・逆転を許しませんでした。
確かな、手ごたえを感じます。
前回対戦で、守備の乱れから動揺、3失点を喫して敗れてしまったことを思えば。
勝つべくして勝った、そんな試合であったかと。
首位の北九州、2位の藤枝がどちらも勝利したことで、勝ち点差を詰めることは叶わず。
それでも。
勝ったからこそ、まだそう言っていられるのであって。
もちろん、プレッシャーがないわけではないでしょう。むしろ、有って然るべき。
それでも、勝った。そして、望みをつないだ。
連続負けなしを、さらに更新したカターレ。
それは、運や偶然ではない、必然。
油断ならない試合が今後も続くなかでも、それでもやってくれるーーーそう思えます。
過信や慢心ではない、そんな強さでもって、次なる勝利へ。
次節も、ホームのファン・サポーターに勝利を届けるべく。
良い具合の集中、緊張感を維持しつつ、勝負の時に備えなければ。