0-2で敗戦。
たしかに、セットしたボールが動いてしまうほどの強風、晴れながらも5.9度という肌寒い気温、初めてのダイハツスタジアム、前回対戦での勝利から物おじしない相手・・・いろいろな要素からうまくいかなかった部分はあったのかもしれません。
それでも。
八戸がしっかりと自分たちのやりたいサッカーを完遂したのに対し。ハッキリ言って、勝てなかったのはカターレ側の自滅、といった感が強いです。
前節、良いパフォーマンスを発揮することが出来なかった柳下や陽次がスタメンを外れることに。代わって出場の代、伊藤と、稲葉と白石がスタメンに名を連ねました。
大旗の使用中止が求められるような強風の中でのキックオフ。
先の群馬戦、福島戦同様に、前半は風上を選ぶかたちとなりました。
しかし。
初めてのダイハツスタジアム。晴れたはいいけれど目に入ってくる日差し、そして強風。さまざまなやりにくさはあったこととは思いますが。
それにしたところで・・・相手の出足の良さもあったでしょうが、どうにも、本来のカターレらしい試合展開が出来ないままに。
攻勢に出ていたのは八戸のほう。それを何とかしのぎながら、となりましたが、こっちの攻撃に勢いは感じられず。
ボールをつなぎながら攻めていく、といういつものパターンには程遠く。そこでミスか?という場面も目立ち、勢いに乗ることが出来ませんでした。
そんななか、FW谷尾 昂也を中心に、向かい風の不利を感じさせないほど攻撃に勢いを見せていた八戸。もちろん、思うようないい形にできないところもあったでしょうが、それでも覇気はカターレのそれを上回っていたかと。
それが証拠に、というべきか。
27分、この日が初スタメンだったという高見 啓太に先制ゴールを許してしまうことに。
谷尾とうまく連携した、ということもありますが、それ以上に。
チャンスを逃さずにものにしてやる!という気迫のこもったシュートが見事に決まる、というかたちでした。
前節の長野戦でも決勝ゴールをJ初ゴールで決められたりとか・・・相手の気迫に屈するかたちでの失点。
そして、さらに35分。國分 将に追加点を決められてしまうことに。
どちらのゴールも、カターレ側の隙を見逃さず、かつ、チャンスでしっかりと決めきる!という姿勢が徹底したもの。むしろ、カターレ側がそれをしなければならなかったにも関わらず。
たまらず、前半のうちに稲葉に代えて椎名を投入。
プラン通りであれば、後半の勘所での起用であったであろうところ、なにかしなければどうにもならない、と。
その椎名、後半開始直後にビッグチャンスがありながら、ものにできず。
その後も幾度かチャンスはありながらも、不発。
逆に、後半に入っても主導権を握っていたのは八戸のほう。
中盤で大胆なサイドチェンジを仕掛けたりなど、冷静に状況判断しつつゲームをコントロールしていた差波。
そのプレーぶりは、我々がよく知る彼のもので。
それでも、いまはアウェイの白ユニフォームではなく、ホームの緑のユニフォームを着る選手。
中盤のてこ入れとして碓井、力を発揮しきれていない大谷に代えて苔口をそれぞれ投入するも、奏功せず。
結局、無得点のままに試合終了。
完敗と言える内容で、勝たねばならなかった試合を落として連敗を喫したのでした。
この試合を、事情を知らない第三者が観たとしたら、どう映ったか?
5位で、残り全勝を目指しつつ昇格を見据えたクラブと、J初年度ながら健闘が光り、最近調子を上げてきた8位のクラブとの対決。
緑のチームが5位、白のチームが8位と判断されたのでは?
最終盤には二種登録の高校生がJデビュー、という舐めプ・・・もとい、余裕をみせつけられ。
言い訳のしようがない完敗でした。
詰めの甘さから敗戦を喫し、連続負けなしをストップさせてしまった前節。その悔しさを、反省を今節にぶつけられたなら。
強風吹きすさぶなかでの試合も、初めてではなく。むしろ、同じアウェイ戦という条件で、近いところで2試合もあった。そのときの課題を今節にぶつけられたなら。
そういった継続性が、活かされず。
なにか、それこそ前回対戦で敗れた6月頃に逆戻りしてしまったかのような。
まるで、10戦連続負けなしだったのが、ただのまぐれかというような。
メッキが剥がれてみれば、残ったのは“チャンスを作り出しても決めきれず、そのうちに自分たちのミスから失点して勝てない”という、これまでのカターレとなんら変わりないのではないのか、と。
シーズンも最終盤、着実に地力をつけてきたことで、上位クラブにも十分に太刀打ちできるくらいに成長、それをホーム戦勝利でファン・サポーターに示してみせた八戸。
一方で、成長してきたと思えたのは、まやかしだったのでは?という完敗を喫したカターレ。
悲観的に過ぎる?
はたしてそうでしょうか。
「カターレ富山はJ2昇格を見据えたクラブである」
その大前提に対する、裏切り・・・と言っては言葉が悪いかもしれませんが、それでも。
この大事な局面で連敗を喫するようなクラブに、昇格を口にする資格なしーーーそう断ぜられたとして、言い返せないのでは、と。
もちろん、皆、懸命にやってはいるでしょう。
けれども。
昇格への望みが薄くなる中、それをプレッシャーと感じて力を発揮できず、結果、連敗してしまうというのは。
内容が大事で、目先の勝敗に一喜一憂すべきででない、という見方もあるかもしれませんが。
それは、絵に描いた餅というもの。現実は、目先の1勝が、1点が大事。
そのあたりをプレッシャーと感じて力を発揮できない、というのならば。一生懸命にやっている、なのに勝敗でゴチャゴチャ言われたくない、というのならば。
厳しい言い方をするならば、カターレ富山にとって必要ない、ということです。
実質的に、この連敗で終戦となってしまったカターレ。
一応、藤枝、群馬、熊本の各クラブが全敗しつつカターレが全勝した場合のみ、チャンスは残されていますが・・・非現実的としか言いようがありません。
なにより、そんな天文学的に低い確率よりも、自滅が継続して5連敗フィニッシュ、という可能性のほうが“現実的”とすら言えるでしょう。
もちろん、そんなことは願い下げ。
残り3試合。
昇格の可能性が消えてモチベーションが沸かない、などと言ってしまえば、勝てる試合も勝てなくなります。
見たいのは、ガムシャラに勝利を追い求める姿。すました顔で、したり顔で昇格失敗を受け止めてみせるポーズなどではありません。
言わずもがな、それは我々サポーターにも当てはまること。
最後まで応援し続ける気概を、信念を大事に。
残り少ないシーズンを、戦い抜くのみです。