行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

苦手意識を吹き飛ばす快勝!暫定首位に返り咲く アスルクラロ沼津戦

2021-05-18 03:08:35 | カターレ富山
3-0で勝利!
過去の対戦で大きく負け越している相性の悪い相手、さらには激しい雨と風という悪天候。難しい条件の試合でしたが、それを見事に跳ね除ける強さを見せ、3得点と圧倒、守っても無失点。まさに快勝と言える勝利でもって、足元の悪いなかで駆け付けたホームのファン・サポーターの期待に応えてみせたのでした。
他会場での首位・岩手と3位・岐阜の直接対決の結果、岐阜が勝利し岩手が今季初黒星。それによって、今節勝ち点3を積み上げたカターレが単独首位に。
悪天候にも怯まず苦手の相手を撃破。積み重ねてきた成果が表れたかたちの、会心の勝利であったと言えましょう。

屋外で行われるスポーツのなかでも、雨や風での中止は、野球などと比べたら格段に少ないサッカーではありますが。
今節に関しては「本気で開催中止、延期を考えねばならないのでは?」というレベルで。
試合に際していろいろと企画されていたイベントは軒並み中止に追い込まれ。
スポンサーボード、横断幕の掲示が不可となり、必要以上に彩を無くしたスタジアム。スポンサーボードが無い、という意味では1週間前の県選手権決勝もそうだと言えたでしょうが、それでも掲揚塔にフラッグは掲げられていました。けれども、それも無し。これがもしコロナの影響で無観客試合であったなら、殺風景の合わせ技一本であったかも。
過去にも強風に晒された試合、激しい雨の中での試合というものはありました。けれど、今回はそのなかにあっても最大クラスの風速であったように思います。バタバタと風にあおられたポンチョが千切れ飛ぶのではないかというくらいの風、そして斜めに吹き付けるような雨。
当然、試合への影響も不可避というなかで、どう冷静に戦うかが問われることとなりました。

強風の試合では試合開始前に陣地変更が行われることもしばしばですが、今節はそのままに。前半は向かい風の中で、強風と雨に耐えながらの試合となりました。
あからさまに押し戻されるボール、濡れて滑りやすい足元を気にしながら走らねばならないなどなど。難しい対応を迫られました。
お互いにとってのピッチコンディションの様子見の時間が続いたなかで。
それでも、勝つためには攻め入らねばならない。
いかに的確に状況にアジャストするか。いつにも増して考えるサッカーが求められることに。
そんななか、試合が動いたのは21分。
右サイドで音泉と柳下が連携、深く切れ込んだ柳下のグラウンダーのクロスを中央の高橋がすらすと、それを決めたのは安藤!
もしも勢いだけで蹴っていたらふかしてしまっていたであろうところ、落ち着いて力を調整しつつも的確なコントロールで放ったシュート。見事でした。
比較的不利であったろう向かい風の中で決めた先制点。安藤の移籍後初ゴールが、チームに勢いをもたらすことに。
リーグで唯一、全試合得点を続けているカターレが今節もそれを更新。悪天候の試合ではえてして攻めあぐねてお互いにスコアレス、なんてこともあるなかで、しっかりと決めた意義。
とはいえ、まだ勝利要件を満たしただけで、勝ちが決まったわけではなく。
大事なのは、どう勝つか。
先制してからも、なお攻勢はカターレのほうに。
音泉の放ったシュートがポストに弾かれるという惜しい場面があったりもしたなかで、迎えた前半終了間際。
左サイドからの安藤のクロスがゴール付近にいた音泉に届くと、ヘッドで落としたボールを押し込んだのは高橋!
一昨年のアウェイ沼津戦でゴールを挙げた彼が、またしても!期待に応える今季2得点目で、2点のリードで試合を折り返すことに。

後半は風上に立つこととなったカターレ。強風はなお吹き付けていたものの、前半とは違い、雨がやんでいました。それだけでも、格段にやりやすくなっていたことかと。
よく、スタンドから応援するファン・サポーターはピッチで戦う11人に次ぐ12番目の選手だ!などと言われますが。
後半の追い風は、あるいは13番目の選手であったやもしれません。
その13番目の選手がアシストしたのが、ダメ押しとなる3得点目でした。
67分、花井がかなり長い距離のFKを直接叩き込むスーパーゴールを決めてみせました。
期待は、していました。これまでも、チャンスとあらばCKを直接ぶち込むなんてことをやってのけた彼なので。
追い風の状況もあり、これは狙っていっていいだろう、と。
それでも。
果敢にチャレンジするということと、実際に決めるということとは、また別の話で。
以前、ラジオの番組にゲスト出演した時だったか、「名古屋U18が生んだ天才」という評に対して、いや、それほどのことじゃないですよ、と謙遜したように言っていた彼ですが。
「アンタ、こういうゴールを決めちゃうから天才って呼ばれるんだよ!」
思わず、言うともなしにツッコミを入れてしまいましたとも。
実に花井らしい、としか言いようのないゴールでもって、勝利を大きく手繰り寄せることに。

難しいピッチコンディションながらも、球際に厳しく当たり、相手の好きにさせないカターレ。各選手がアグレッシブに躍動し、チャンスつくらせませんでした。
沼津が全くのノーチャンスであったかと言えば、そうではないのですが。
しっかりと守っていたカターレもさることながら。
ある意味、沼津の自滅のようなところも。
カウンターから抜け出されてまずいぞ!という場面もありましたが、ゴールには至らず。
同じシチュエーションがもしも好調チームであったら、やられていただろうな、という。
躊躇なく蹴り込まれていたら止められなかったであろうところ、一瞬の判断の遅れ。それがチャンスをつぶすことに。
いや、わかります。決して他人事ではないと。
同じようなシチュエーションで、同じように決められなかった、というシーンを何度も見ています。わかりますともさ。
このあたりが、結果を出せていないチームのやるせないポイントなのだなぁ、と。
他人事でないからこそ、察するものがあるわけで。

そして、タイムアップ。
これまで苦手としてきた沼津に、3得点無失点という完勝。
沼津にとってはアウェイの慣れないピッチで悪天候の影響を受けた、ということは否定しませんが、それでも。
前節のカターレは、アウェイの地で雷の影響で中断などというアクシデントに見舞われながらも、劣勢にくじけることなく追いついて勝ち点1をもぎ取ってみせた。
結果を出せているチームとそうでないチーム、と断じてしまうのも乱暴かもしれませんが、それでも。
極めて相性の悪い相手、昨シーズンとまったく同じメンバーではないながらも、そのイメージだけで不利を被ることも、無くはなかったであろうなかで。
屈しなかった。やり遂げた。
カターレの強さを見せられた試合であったと思います。

次週は天皇杯1回戦、リーグ戦はそのあとになりますが。
やるべきことは、変わらない。
首位に返り咲いたからには、譲ることなくキープしていかねば。
勝ち続け、富山が首位であることは動かせない、という意識を他チームに植え付けるだけの揺るがぬ強さを見せていかねばなりません。
戦いは、続きます。