行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

真摯なプレーで自分たちのサッカーを貫く。快勝で1回戦突破 FC北陸戦

2021-05-25 05:42:29 | カターレ富山
8-0で勝利!
スコアの上では大差がついた結果となりましたが、実力差はあったにせよ、互いに真摯なプレーを積み重ねた試合。間延びしたりだらけたりしたような印象など無い、締まった好ゲームであったように感じました。
課題にしっかりと向き合い、結果にもつなげることが出来た。その上での1回戦突破。
来月の2回戦、浦和戦に向けて、さらなる精進を重ねなければ。

開催規模の縮小によって不参加となった前年度。2019年のFC刈谷戦以来の高岡スポーツコアでの天皇杯1回戦となりました。
前週の沼津戦ほどではないにせよ、この試合でもやはり強風の影響が。それに伴い、キックオフ前に陣地変更が行われ、前半は向かい風のなかでのプレーとなりました。
それでも、前週のように雨の中ではなく、青空の下での試合。風の対策は考えなければならないにしろ、ピッチコンディション的には全然マシであったかと。
先の県選手権決勝が、ほぼリーグ戦そのままのメンバー編成であったことに比べると。今回は、各所でスタメンを入れ替えて臨むこととなりました。
GKに関しては引き続き西部として。3バックの柳下と今瀬はそのままながら、左には戸根に代わって鈴木が入り、カターレ移籍後公式戦初出場となりました。
末木や陽次、碓井、戸高といったこれまで途中出場の多かったメンバーがスタメン出場。FWは松澤が務めることに。
格下相手だからレギュラーを外してレベルを落とす、ということでは決してなく。
いつもと違うメンバーであってもいつも通りのカターレのサッカーができるかどうか。それを見極めるための編成であるということが見て取れました。
リーグ戦開幕からこのかた、ほぼ固定メンバーで臨んでいるカターレですが。
この先、夏場で暑くなってきてはコンディション的にも全員が全員良好とはならないかもしれない。
また、対戦相手の富山対策、研究が進められることは必至。そのなかで、「わかっていても止められない」というほどのスペシャルな選手ばかりならともかく、そうではないわけで。主力選手に対策を講じられてはなにもできない、では困る。
戦力の底上げは、確実に行われなければなりません。
そんななかで、メンバーが代わってもしっかりやれるかどうか。
練習試合ではない、公式戦の場。
出場選手それぞれに、しっかりやりぬく気概が求められました。

北陸大学のセカンドチームであり、1、2年生が主体というFC北陸。
トップチームを県大会決勝で下して掴んだ石川県代表の座。そこで得た手応えを胸に乗り込んできたこの1回戦、そのアグレッシブさというものは試合開始からしっかりと出ていたように見受けられました。
ボールを保持する相手に向かって、前線のメンバーから果敢にプレッシャーをかけにいく姿勢。
チームの戦略・戦術の差もあるかとは思うにしても。普段対戦しているJ3のクラブでも、ここまでアグレッシブには来ないところはままあるぞ?というほど。
相手がなかなか有効な攻撃に入れないように見えても、それはカターレの側がしっかりと封じていた結果であって。
もしも、気の抜けたいい加減なプレーをしてしまっていたならば、きっとやられていただろうと思います。
FC北陸が本気で向かってきてくれるからこそ、こちらも本気で対処せねばならない。「いつもと違うメンバー編成だから」と隙をみせてしまっていては、やられてしまう。
いつもと違うながらもいつもと同じにやりきらねばならないーーーこの試合のテーマを実践するにあたり、理想的な展開とも言えたかと。その意味で、実に有益であったと言えます。

試合が動いたのは32分。姫野のゴールによってでした。
昨シーズン、超過密日程にあっても全試合出場を続けたという、石﨑監督の信頼が一際厚い彼ですが。不動のスタメンとして臨んだこの試合でも、その期待に応える働きぶり。
慌てて蹴ってしまっていては枠を捉えられずに大きく外す、となりかねなかったところ。冷静にしっかりと力加減をコントロールしつつ、グラウンダーのシュート。見事に決めて、先制点をもたらしたのでした。
44分には戸高も決めて、2-0で試合を折り返すことに。

いつもと違うメンバー編成のなかで、やはり注目されたのは移籍後初出場となった鈴木でしょうか。経験ある選手であり、前所属の熊本ではキャプテンも務めていたとのことですが。この試合でも、そのポテンシャルをしっかりと発揮。
今瀬、柳下とのディフェンスラインの連携がしっかりとしていたことは言うまでもないとして。
目を惹いたのは、試合後半の動き。
先の沼津戦での得点シーンのように、右サイドの柳下のオーバーラップ、同サイドの音泉との連携は、カターレの大きな武器ですが。
鈴木もまた、負けず劣らず果敢に攻め上がる姿を披露。選手交代を経て逆サイドに回った音泉との連携も良好のようで。
右の柳下、左の鈴木と、どちらからでも脅威になる攻撃を繰り出せるとなれば、相手も対応に苦慮せざるを得ないところかと。その可能性に、今後が楽しみになりました。
今後が楽しみ、と言えば、途中出場の松岡。
67分に交代で入ると、72分にゴールを決め、さっそく結果を残してみせました。
音泉や戸高もドリブルで魅せられる選手ですが、この松岡もまた、そういった選手。
若き才能の躍動に、声出し応援が出来ないながらもスタンドが沸く様が見て取れたのでした。
こりゃ、リーグ戦デビューも近い・・・いや、時間の問題だろうな、と。

後半は一挙6得点を加え、8-0で試合終了。
けれど、8得点は結果であって、内容にこそ意義がある試合でした。
これがもし、相手の心が折れてしまって散漫なプレーになっていたりしたならば、おそらく8得点もしていません。
セーフティーリードを奪った試合では、えてして退屈な展開になったりするもので、「まだ時間が残っているのかよ」ということもあったりもしますが。
この試合は、そうではありませんでした。
スコアだけ見れば一方的ですが、最後まで緊張感を保ったままプレー出来た。それはとりもなおさず、FC北陸が全力で向かってきてくれたからにほかなりません。
その挑戦に、プロクラブとして敢然と立ちはだかることが出来た。そして、チームの課題への取り組みも、しっかり実践することが出来た。収穫は大きかったように思います。

好セーブを見せて印象深かったGKの伊藤 龍輝選手をはじめ、フェアではつらつとしたプレーを見せていたFC北陸の選手たち。
来年も、あるいはトップチームとしてかもしれませんが、また石川県代表として天皇杯へ挑戦してほしい。そうエールを贈りたいかと。
一方で。
来年は、富山県代表としての出場枠を他クラブに譲らねばならないカターレ。すなわち、J2クラブとして無条件出場しなければならないということ。それはつまり、今シーズンのリーグ戦で昇格、いや、優勝せねばならないということで。
県選手権決勝の経験を沼津戦にフィードバックして勝利を収めたように。
今度は、この天皇杯1回戦勝利の経験を、次なる鳥取戦に反映させねば。
その先に、2回戦・浦和戦がありますが。
まだ、道半ば。着実に強くなるために。
昨日より今日、今日よりも明日。
6月9日には、さらに強くなったカターレでもって、ビッグクラブに挑みかからねば。

挑戦は、続きます。