2週前の富山県サッカー選手権大会で優勝し、2年ぶりに富山県代表として出場することとなった天皇杯。その1回戦、高岡スポーツコア サッカーラグビー場にて、石川県代表・FC北陸と対戦します。
開催会場こそ違えど、地元・富山県内で行われる一戦。2年ぶりの選手もいる一方で、少なからずスポーツコアでの試合が初という選手もいるなかで。
勝ってファン・サポーターに歓喜を届けねばならない使命には、なんら変わりなく。
一戦必勝の気概でもって、勝利を掴まねばなりません。
北信越大学リーグの強豪・北陸大のセカンドチームに当たるというFC北陸。
石川県大会の決勝でトップチームに競り勝つかたちで石川県代表の座を奪取、天皇杯進出を果たしたとのこと。
その成功体験を繋げてプロ相手にもアップセットをかますべく、意気込んで乗り込んでくることでしょう。
首尾よく1回戦を突破した暁には、日本サッカー界で知らぬ者など無いビッグクラブのひとつである、浦和レッズとの対戦が待っています。
若き大学生選手たちにとっては、まさに天皇杯の醍醐味。普段であれば実現しないJ1クラブとの公式戦。誰もが知る浦和との対戦が後のサッカー人生に及ぼすであろう影響というものを思えば。そこを目指さない理由など無いことでしょう。
その前哨戦とでも言うべき、知名度的には「なんかそんなチームもあったね」というレベルであろうカターレ富山との対戦。
J2から落ちこぼれて以来ずっとJ3にくすぶっているチームらしいけれど、そんなJリーグでも末端のチームに勝てずして浦和との対戦が無いならば、プロ相手だろうが
勝って対戦を実現するしかない、というところでしょうか。
穿った見方かもしれません。卑屈になってもどうしようもないことは知りつつも。
それでも。
「さすがにプロと大学生との試合で負けていては、話にならんだろ」などとたかを括るのは、傲慢というものでしょう。
プロかアマチュアか、チームとしてのメンバー構成がどうあれ、富山県代表対石川県代表の試合という意味においては、同格なのです。
プロだから必ず勝てる、というわけではない。
実際、目下のところリーグ戦で唯一敗戦を喫した相手・テゲバジャーロ宮崎は、県選手権決勝で不覚を取り、天皇杯出場を逃しています。
同格の相手に、油断や慢心などがあって良いはずがありません。
それに、格下だから与しやすいわけではないことは、ほかでもない先の県選手権決勝で体験しています。
後半に持ち直して5-0という結果となったものの、前半に限って言えば、優勢に進めたにもかかわらずPKによる1得点に留まってしまった、とも言えるわけで。
たとえ敗れたとて失うものが無い、という相手。それを退ける力をしっかりと出し切れるかどうか。
当然ながら、練習試合などではない、負けたら終わりのれっきとした公式戦。
いつも通りでない相手に、いかにいつも通りの力を、あるいはいつも以上の力でもって勝利するか。
カターレの力が試される試合とも言えましょう。
引いて守る相手にしっかりと対応し、後半に4得点を挙げた県選手権決勝。フルメンバーで挑み、それをリーグ戦にフィードバック。苦手の沼津を相手に3得点無失点と完勝することに成功したカターレ。
その例に倣うならば、今節もまた、大きく選手を入れ替えることなく、いつものスタメンで挑むこととなるのでしょう。
前線のメンバーにしっかりと決めきる得点力を求めたいことは、言うまでもないとして。
あえて、バックのメンバーに堅守を期待したいところです。
そのなかでも、戸根と柳下の両サイドバックに期待。
先日の沼津戦でも果敢な上がりで得点に絡んだ柳下の攻勢に期待したいです。
同サイドの音泉との連携をさらに研ぎ澄ませるかたちでの鋭いクロス、そしてチャンスとあらば自ら積極的に狙っていく姿勢を、この試合でも存分に見せてほしいかと。
プロの意地を見せるかたちでカターレが実力を存分に発揮したならば、あるいはワンサイドゲームとして攻勢が続くことも考えられます。
しかし、だからこそ。
J3クラブであろうが、プロが相手ということで。守勢に回る可能性に関しては、相手も織り込み済みかと。
そんななかで、ワンチャンスにかけるかたちでカウンター狙い、ということも、充分に考えられるなかで。
戸根には、そうなったときに冷静に跳ね返すプレーを期待。
やらねばならないことを、しっかりとやりきる力。
この試合のみならず、この先のリーグ戦にあっても、絶対に必要となっていくものです。
そう、リーグ戦でなくとも、やらねばならないことに例外は無く。
いつもと違う展開にあっても動じないメンタルでもって、ピンチの芽を未然に摘み取る、そんなプレーが必要。それを、しっかりとやり遂げてほしいです。
新型コロナの影響で、無観客試合となっている試合もある天皇杯1回戦ですが。
そのなかでも、有観客試合として行われるこの一戦。
無観客試合であった県選手権決勝と、それを経て悪天候にあっても駆け付けたファン・サポーターの期待に応えて勝ってみせた沼津戦。
このご時世、難しい面もありますが、それでも。選手たちは応援に応えることの意義というものを再認識したのではないかと。
富山県代表としての誇りを胸に、突破せねばならないこの1回戦。
この試合もまた、変わらずに。ファン・サポーターの期待に応えてほしい。勝利を届けてほしい。
やるべきことを、やり遂げること。勝つべき試合を、勝ちきること。
カターレは、浦和のような誰もが知るビッグクラブではありません。Jリーグでも末端のJ3リーグのクラブ。
けれども。
そこで首位に立っているのは、まぐれではないのだと。
アップセットを狙うFC北陸に、見せつけてやろうじゃないかと。
「まさか」が入り込む隙を、僅かたりとも見せるな!
必勝の気概を、結果で示せ!
勝たれ!!!富山!!!!!