2-0で勝利!
ここで頑張り切れずに敗れていたら、完全に希望を絶たれていたかもしれない、まさに崖っぷちでしたが。
こらえてみせた。踏みとどまってみせた。
石﨑監督のスタイルをしっかりと体現する、まさに原点回帰といったサッカーを披露し、元藤枝3人衆が結果を残しました。
今シーズン初の複数得点差をつけ、そして守っても無失点。
希望は絶たれてなどいない。それを示す、待望の勝利となったのでした。
全国的に晴れであったなかで東海・関東の一部で雨、といった天気で。静岡県は藤枝市は、午前中から弱い雨。
それでも14時開始の試合時刻ごろには上がり、風もほとんどなく、試合進行には影響しないコンディションのなかでの対戦となりました。
なにがなんでも勝って、現状打破を図らねばならなかった今節。
これまでほぼ固定であった編成にもメスを入れるかたちで、メンバーが組まれました。
GKは今シーズン初めての連続出場の西部。DFの大畑、林堂、鎌田に変わりは無し。
変わったといえば、アンカーに碓井。これまでは途中出場であったところ、今シーズン初のスタメンに抜擢されました。
安藤、椎名、姫野、松本らは変更なし。そして、FWには川西と、今シーズン初出場・初スタメンとなった吉平が起用されることに。
控えには、遅れてきた秘密兵器・ルイス エンリケの名が。
継続性を前提としながらも、それでも、覚悟をもってのメンバー変更。それを結果に繋げねばなりませんでした。
試合は序盤から、鍔迫り合いといった展開に。
藤枝にしても、無得点で敗れてしまった前節からの巻き返しを図るべく挑むことになる試合。連敗阻止に向けて、まずは先制点---それは、どちらのチームにとっても共通認識であったかと。
藤枝で存在感をはなっていたのが、ベテランの鈴木 惇。
経験に裏打ちされた確かなテクニック、状況を見計らってのパス、そしてCKでの正確なキックなど・・・やはり手強い選手だと、あらためて認識させられることに。
特に、これまでCKからやられての失点が重なっていることを踏まえたならば。
今節もまた決められてしまうようなことがあれば、いよいよもって深刻なダメージを被り、勝利への意志が阻害されてしまう危険がありました。
それでも。
高い集中力で、しっかりと守るカターレ。そのなかで目立っていたのが、スタメンに起用された碓井の落ち着きっぷり。
「チームのタクトを振る存在」なんて言われ方をしますが、まさにそういった感じで。
ボール回しの中で起点となってパスを散らし、自分たちのリズムをキープ。そういった役割を的確にこなす姿が印象的でした。
そしてチーム全体としてですが、やるべきことをしっかりやっていた、というイメージ。
しっかりと相手についていって自由にさせない、攻守の切り替えを素早く、球際の攻防でも簡単にやられることなく喰らいついていくーーーそういった、石﨑監督の目指すサッカー。連続勝ちなしが続くあいだ、ややもすればそれが足りなかった試合もあったなかで。今節は、しっかりと体現出来ているようでした。
集中を切らしては、やられる。けれど、相手にもプレッシャーは与えられている。
どちらにとって有利、というわけでなく、ほぼ互角。まさに、鍔迫り合い。
ジリジリとした展開が続きました。
前半を0-0で折り返し、勝負は後半へ。
すると、開始から間もない49分に、試合が動くことに。
大畑の右からのクロスに反応して飛び込んでいった姫野。その姫野に対応しようとした選手の反応が一瞬遅れ、身体を蹴ってしまうかたちに。それがPKの判定となりました。
キッカーは、吉平。ちょうど1年前の同カードでもPKのキッカーを担当し、同点ゴールを挙げていました。
今回もしっかりと冷静に蹴り込み、見事にゴール!先制点を挙げることに成功。
今シーズン初出場、プレッシャーを感じるなというほうが無理というなかで。それでもしっかりと決めて、期待に応えてみせたのでした。
その吉平ですが、ゴール以外でのプレーも素晴らしかった。
前線から労を厭わずに走り回り、ボールに喰らいついていく。相手にとっても、自陣だからと油断できない。そういったプレーの積み重ねが、チームを助けることにも。
そういった気持ちが入ったガッツあふれるプレー、まさに吉平らしさがふんだんに見て取れたあたりーーーこれまでなかなか出場機会を得られないなかで、くやしさもあったことでしょう。けれども、そこでくさることなく努力を続けてきた。だからこそ、こうして出場機会を得たとき、しっかりと持ち味を発揮することが出来る。そんなことを思ったのでした。
開幕からの連続ゴールをを継続することとなり、アウェイ戦での連続被先制点を阻止することになったものの、それでも。
1点では、足りない。
現に、前節にしても先制したにもかかわらず突き放せなかったがために、逆転負けを喫しているのだから。
しかして。
その次の1点が、70分にもたらされることに。
右からのクロスがゴール前を横切るかたちで逆サイドに流れたところ、そこにしっかりと走り込んでいた安藤が中央へと折り返し。それに反応したのが姫野。見事に決めて、2試合連続ゴール!欲しかった追加点を、鮮やかな連携からのゴールで決めてみせたのでした。
勝利への機運が一層高まったなかにあっても、気を抜くことなくしっかりと集中しつづけたカターレ選手たち。
FKが藤枝9本、カターレ14本というスタッツでしたが、藤枝側がファウルで止めざるを得ない場面が多かった印象。ボールに対する執着、当たり負けしない気迫などが、薄れることはありませんでした。
そして、タイムアップ。
シーズン初の複数得点差、そしてなにより、無失点で。見事に、開幕戦以来となる勝利を挙げることが出来たのでした。
圧倒的に勝ったというわけでなく、危ない場面もありました。
なんというか・・・巡り合わせというものも、あるいはあったかもしれません。
藤枝にとっても連敗阻止がかかった試合であった、ということは前述のとおり。さらに言えば、カターレとの違いは、前節に無得点で敗れているということでしょうか。
ホームで、得点を挙げて、連敗阻止せねばならないーーーそいうった要素があったところに、折悪くというか、絶対に勝たねば後が無い!という富山が乗り込んできて。
正直、藤枝は力を発揮しきれなかった試合だったのでは?と。
これが、もしも前節勝っているなかでの連勝がかかったイケイケ状態だったとしたら、同じ結果にはならなかったかもしれません。
とはいえ。
思いと結果が合致しないケースなんて、よくあることーーー他ならぬ、カターレがこれまで思い知ってきたことでしょう。
だからこそ。
思いと結果が、合致した今節の勝利。
やればできる、それを実感した試合であったかと。
この勝利という成功体験を、次節以降にもつなげていかねばならないことは、言うまでもありません。
その次節が29日、1週ぶん間隔が空くことにはなりますが、それでも。
今度は、ホームでの勝利でファン・サポーターの期待に応えるために。
ここで得た手応えと自信を力に変え、精進を続けていかねば。