3-0で勝利!
連続得点試合が止まり、4試合ぶりの敗戦を喫した前節。それを引きずって連敗をしようものならば、数字以上のダメージを被る可能性もあったところでしたが。
スタメンを大幅に変更、前節から6人も入れ替えて臨むこととなりましたが。それが単にやみくもな変更ではなく、これまで目指してきたところの“誰が出場しても遜色のないチーム作り”の一環であることは、明らかでした。
その期待に応えてみせた選手たち。
なかでも出色の出来であったのが、陽次でした。
今季初スタメンでしたが、2ゴール1アシストですべての得点に絡む大活躍。勝利の立役者となったのでした。
引き分けた鹿児島を追い越すかたちで、単独首位に返り咲いたカターレ。混戦が続くなかではありますが、それでも。
前節の敗戦は、取り返しがつかない。けれど、勝利を目指す意思がブレることなはない。
それを完勝というかたちで示した、価値ある勝利であったかと。
週末にかけて災害級の大雨に見舞われた地域があり、J1では開催中止となった試合もあったくらいだったのですが。
それが一転、というべきか。
3週ぶりのホーム・県総は、雨の心配がまったくない快晴。むしろ気温上昇による暑さの影響を心配しなければならない試合となりました。
敗戦を喫した前節・岐阜戦の反省をもとに、いかに立て直すかが問われた今節。
前節のスタメンからほぼ半数、6人を入れ替えるという大幅変更で臨むこととなりました。
GKには、ちょうど1か月前の相模原戦から離脱していた田川が帰ってきました。
CBの今瀬と大畑はそのままとして、両サイドには安光と大山を起用。
末木と坪川のボランチコンビは変わらず、松岡、マテウスがスタメン復帰。
そしてトップ下の位置には、陽次が今シーズン初スタメンとして出場することとなったのでした。
先の高岡スポーツコアでの天皇杯1回戦ほどではないけれど、風の影響を考慮しつつ臨まねばならない試合となったようで。
コイントスで陣地を選択した讃岐により、試合前に陣地を入れ替えてキックオフを迎えることになりました。
開始からしばらくは、慎重な立ち上がり。
やはり、前半12分という早い段階で先制されてしまい、その1点が重くのしかかった前節・岐阜戦の敗戦が頭をよぎりました。その繰り返しになってはならないと。
そんななかで、気を吐いていたのがGKの田川。
必要と認めたならば、ペナルティーエリアを飛び出してでもボールクリア。果敢なプレーぶりが目を惹きました。
もちろん、対処を誤ってしまったら失点に直結しかねないというリスクはあります。「他の3人だったら、ここまでやらないのでは?」との印象も。
けれど、そんなリスクを負ってでも。消極的なプレーでやられてしまったのでは、後悔してもしきれない、ということもあるのでしょう。
田川にとって1ヵ月ぶりのリーグ戦。起用に応えてゴールを守り切るという気迫が伝わってきました。
田川だけでなく、スタメン復帰となった松岡、マテウスらも、それぞれに持ち味を発揮。自分のやるべきことをやり切る、そんなプレーぶりが見てとれました。
そんななかで。
スタメン発表を見て、「そうきたか!」と唸らされたのが、陽次の起用であったかと。
プレビューでも書きましたが。相手の勢いに押され、なかなか反転攻勢に出られないままに敗れた岐阜戦の反省を活かさねばならない。そのときに、中盤を引き締める末木の活躍は欠かせないと。
それはその通りとして、もう一手、上積みされたかと。
自分たちにとって望ましい、相手からしたら嫌な位置を見つけだすポジショニングの能力が高い陽次。そのストロングポイントに期待をかけたかと。
31分、その陽次でした。
田川の奮闘ぶりに触発されたか、微妙な位置に蹴り出されたボールに対し、讃岐のGK高橋 拓也がペナルティーエリアを飛び出してヘッドでクリア。
ただ、その先に待ち構えていたのが陽次。
落ち着いて蹴り出したループシュートがキレイな弧を描き、ゴールに吸い込まれ。
待望の先制点。今季初スタメンで、見事に期待に応えてみせたのでした。
さらに、それだけにとどまらず。
36分、松岡からのクロスを受け、再び陽次。ゴール前の混戦を縫うような低いシュートがネットを揺らし、追加点!俄然優位に立つことに。
前節の岐阜戦での無得点敗戦で、連続得点試合がストップしてしまったけれど。
ホームでは、その限りではない。全試合で得点した昨シーズンに続き、今季ここまでも全試合得点。
ここまでホーム戦負けなしの流れを今節も!その可能性を、ぐっと引き上げたのでした。
今シーズンここまで、なかなか結果を残せていない讃岐。
前節は、上位につける奈良から敗戦を免れ勝ち点1をもぎ取るドローを掴み取ったものの。それでもやはり、勝利にまさる特効薬は無い、ということでしょうか。
今シーズンここまでアウェイで1勝も挙げられていないなかで、2点のビハインド。
なかなか反撃の勢いが出せないままに。
カターレも同じような経験をしたことがあるだけに、心中はお察しします、というところですが。
それでも。いや、だからこそ。
察するからこそ、容赦なく勝たねばならないだろうと。
集中力をキープしつつ、反転攻勢を許さないカターレ。
そんななかで、試合も終盤の84分。
途中出場の髙橋 駿太が、陽次のアシストから一気に抜け出し、シーズン7点目となるゴール!試合を決定づけるダメ押し点を挙げたのでした。
5分あったアディショナルタイムも、集中して守りきり。そして、試合終了。
前節の敗戦を引きずることなくしっかりと勝利し、勝ち点3を積み上げたカターレ。
ドローで勝ち点1止まりであった鹿児島を抜き去り、単独首位を奪還したのでした。
この試合のマンオブザマッチは、間違いなく陽次。今季初スタメンながら2ゴール1アシストと、まさに大車輪の活躍でした。
ここまで調子の上がらない下位の讃岐が相手であったという部分も、ないことはないでしょうが。だからといって、「連敗したらどうしよう」というプレッシャーもあったであろうなかで、自分たちの力が発揮できない可能性もあったはず。それを跳ねのけて、勝ちきったということ。
チーム全員が、やらねばならないことを共有できていたことが勝利につながったともいえるのではなかろうかと。そう、ここまでは控えであったけれども、それでも真摯に取り組んできたからこそ大仕事をやってのけた陽次のように。
次戦は、中2日で天皇杯2回戦・京都戦。
さすがに今節とまったく同じメンバーで連戦とはならないでしょう。そのあと、中3日で次節・鳥取戦が控えていることを鑑みても。
それでも。
チーム一丸となって勝負に挑み、勝ちきって首位に立ったという自信。それを繋げねばならない京都戦であるならば。
臆することなく、挑むのみです。
勝利に向けて、心してかからねば。