0-0のドロー。
前週の讃岐戦の快勝、そして天皇杯2回戦でのJ1・京都撃破。その流れに乗って、3連戦を3連勝とせねばばならなかった試合でしたが。
ピンチの場面もあったけれど、相手に得点までは許さず。集中したプレーで、脅威を封じ続けました。リーグ戦2戦連続の無失点は、しっかりと評価すべきです。
一方で、無得点に終わった攻撃。決して、消極的で得点を挙げる以前の問題、とかではなく。果敢に攻めて、相手を上回るチャンスを作り出してもいましたが。
いかんせん、それがゴールにはむすびつかなかった。
先の岐阜戦で連続試合得点が19でストップ。それでも続いていたホーム連続得点も止まってしまったかたち。
ホームでの無得点は、2021年10月に初めてYS横浜に敗れた試合(0-1)以来のこと。1年半以上も脈々と続いてきた流れが止まってしまったことは、やはり無念です。
ただ、それでも。
カターレも含めてながら、上位が軒並み勝てなかった今節にあっては。
首位をキープし、毎節のようにその座が入れ替わっていた流れに待ったをかけたかたち。勝って+3ぶん引き離すことは出来なかったものの、1ながらも差を広げ、2位との勝ち点差を2としました。
勝てなかったなかでは、悪い結果ではなかった。それをいかに次節以降につなげていくかが問われます。
午前中に振っていた雨は、試合開始時刻ごろには止みましたが。それでも、その雨で濡れたピッチ、さらには湿度の高いなかでプレーせねばならない状況と、コンディションに気を遣いながらの試合となりました。
京都戦から中3日。GKの田川はともかくとして、ただひとり碓井だけが中3日で連続スタメン。予想通り、ほぼ総入れ替えであったメンバーをリーグ戦仕様に戻すかたちでの編成となりました。
気温は21.7℃、雨が降っていたこともあって、ここ最近では低いくらいではあったものの。それでも、湿度80%のジメジメしたなかでの試合とあっては、水分補給をはじめ、選手たちもいつも以上に体調に気を遣いながらプレーせねばならなりませんでした。
それでも。
前から積極的にボールを追い、果敢にプレスをかけていくというカターレのスタイルは、この試合でも健在。やはり、京都戦のPK戦にまでもつれる激闘を制したメンバーに負けなるものか、という気概がそうさせていた部分もあったかと。
ボール保持率は55:45でカターレのほうが優勢。
一方的に主導権を握る、というものではなかったにせよ。相手の勢いに押されて後手後手に、ということになっていたなら。攻撃力が持ち味の鳥取にあっては、劣勢を強いられることとなっていたでしょう。
それをさせなかったカターレ。
ピンチの場面もありました。けれど、それはあくまで散発的なもので。攻撃の勢い、圧といったもので押し込まれるような展開には持ち込ませず。
たとえピンチでも、それをしっかり防いでいるぶんにはやられはしないーーーそんな頼もしさすら感じたのは、このところ向上してきた守備の安定感ゆえのことだったかと。
一方の攻撃陣も、それぞれ持ち味を発揮。
果敢にサイドから仕掛ける大山、身体を張って前線で頑張る吉平、マテウスや松岡のアグレッシブなアタックなどなど。
それだけに・・・。
もしもドローに判定決着の要素があれば、カターレの勝ちであったであろう試合。
気持ちを切らさず、怠慢なプレーやチョンボといったものもなかった。
それだけに、惜しい。
チャンスが無かったわけではないけれど、それをモノに出来なかったということ。
朝からの雨もなんのその、J1撃破の余韻もあって、来場したファン・サポーターの期待値も高まっていたはず。
それに応えられず、勝てなかったということ。
もっとも、気の抜けた散漫なプレーで勝てなかったということではなく。頑張っている意気込みは感じながらも結果が伴わなかったということ。それが伝わってきただけに、「期待を裏切った」というのは違うだろうと。残念には思いますが、批判される内容ではなかったことは確かです。
「またしても」と言ってもいいでしょう。上位陣が総崩れ、勝って勝ち点を伸ばすことができませんでした。
混戦の今季J3、現在上位につけているからといって安泰なわけではなく、下位だから負けてて当然というわけでもない。
シーズンのおよそ3分の1が経過し、現時点で首位のカターレですが。
勝ち点3を得て引き離すチャンスを逃したとも言えるし、引き分けたことで、たとえ1であっても積み上げられた価値は少なくない、とも言えます。
言い方は悪いですが、それでも敢えて言えば。
「終わり悪けりゃ全て駄目」
それが、リーグ戦の真理でもあります。
現時点で首位ではありますが、それが何かを保証するものではない。
12月の最終節終了時点で首位であること、そのことだけに価値があるのであって。
けれども。
何事も、一朝一夕には成し遂げられません。
立場が人をつくるように。
リーグに参加するクラブ全てが優勝を狙い、目標に掲げていることでしょう。ですが、それが具体性を伴うものかどうかは、また別の話。
現時点で首位、それはすなわち、優勝にいちばん近いということ。
そして、自分たちが勝ち続ける限りにおいて、何人もそれを阻めないということ。
2節連続で首位の座をキープしたカターレ。1ながらも、差を広げることにも成功しました。
勝てなかった反省も、もちろん必要。
その上で今一度、首位であるとはどういうことか?ということを省みる必要があるかと。
優勝が、「できたらいいな」という漠然としたものでなく。
自分たちの頑張り次第で掴み取れるもの。そうすることが出来る立場にいるということ。
まだ、3分の1。この先何が起こるかは誰にもわかりませんが。
それでも。
優勝は、具体的な目標。それを、再確認せねば。
勝ちきれなかったからこそ、奮起が必要です。
先の京都戦で・・・土壇場で追いつく起死回生のゴールを決めたパトリックでしたが、最後の最後でPKを外し、チームも敗退。ブーイングも浴びせられ、つらい経験になりましたが。
そんなパトリックが、今週末おこなわれたリーグ戦で見事にゴールを決めて、勝利の立役者に。連敗脱出に貢献する見事な活躍。
勝てなかったことを引きずって落ち込むのではなく、次こそ!という気概を勝利に結びつけた、そんな強靭なリバウンドメンタリティ。
勝ちきれず無得点に終わったカターレも、見習うべきかと。
勝てなかったけれど、負けなかったからよかったね、ではなく。
無得点で勝てなかった事実は受け入れつつも、それをバネにできるかどうか。
さしあたっては、次節の岩手戦。
単独首位ということは、勝てば追い越されることが無いということ。
それを改めて内外に示す、そんな勝利を。
戦いは続きます。