リーグ戦で首位奪還を果たした勢いをそのままに、J1・京都に挑むこととなる天皇杯2回戦。
前の試合から中2日。もちろんそれを見越したプランを練って対策していることでしょうが、準備期間としては短いことも事実ではありますが。
それでも。
チャレンジャーの立場で、果敢に挑みかかっていくのみ。
これまで実現していない格上・J1クラブを打ち倒すアップセットを成し遂げるべく。
カターレ富山の力を、示さねばなりません。
前回大会・第102回天皇杯は、J2の甲府がPK戦の末に優勝を成し遂げるという、史上稀に見る番狂わせとなりました。
そんな同大会ですが、J1・J2勢が登場した2回戦の段階では、カテゴリが下のクラブの挑戦が軒並み跳ね返され、ジャイアントキリングが1試合も起きませんでした。その時点では無風状態とまで言われていたものでしたが。
その無風状態2回戦で、いちばん格上クラブを慌てさせたのが富山県代表・J3のカターレ富山でした。
J1でも有数のビッグクラブ・神戸を相手に2点を先行、勝利まであと一歩まで追い詰めたものの・・・「大迫ハンパないって」とばかりに、最終盤に底力をみせつけられ、悔しい逆転負けを喫したのでした。
あれから1年。再び巡ってきた、カテゴリを超えたJ1クラブへの挑戦の機会。
クラブ設立15周年を迎えたカターレですが、過去7度の天皇杯でのJ1クラブ戦は、いずれも敗戦。ただの1度もジャイアントキリングを起こせていません。
8度目の挑戦となる、この京都戦。
いつかではなく、今、勝てと。
その京都ですが、現在、リーグ戦では6連敗中と苦境に陥っているようで。
直近の広島戦でも、先制されながらも一旦は追いついたものの。そこから引き離され1-3で敗れています。
今シーズンはJ2への降格は1クラブだけというレギュレーションながら、現時点で下位5クラブが勝ち点差1の間にひしめく大混戦。そこに京都も巻き込まれています。
「天皇杯にかまっている余裕はない」というのが本音という部分も、あるいはあるかもしれません。
次節・新潟戦は中3日ですぐにやってきます。リーグ戦の連敗阻止のほうが優先順位が高い以上、選手起用もそれに準拠せねばならないことは自明。
ただ、「まさか」が有り得るのが天皇杯の一発勝負。
ガチのベストメンバーではなかった、ということがあったとしても。敗れることになれば、「連敗中の京都がJ3にまで負けた」と、さんざんこき下ろされてモチベーションがズタボロ、ということも。
挑戦を受ける側のやりにくさというものは、PK戦にまでもつれた富山県選手権での富山新庄クラブ戦を例に挙げるまでもなく、カターレとしても推して知るところではありますが。
そんな「まさか」を阻止すべく。万が一にも負けてはならないと。むしろ、格下であろうがきちんと勝つことで、勝利への意識づけをするチャンスと捉え、本気で勝ちにくることかと。
その意味では、順位的にも余裕のあるクラブのほうが、かえってJ3が相手だから、と油断する向きもあるかもしれないところ。
ベストメンバーではないかもしれないけれど、手心無しの本気の相手。
けれどそれは、挑戦者側からすれば望むところというもの。
敢然と挑みかかり、ベストを尽くしたならば。
勝つに越したことはないけれど、たとえ負けたとしても、自分たちの課題に向き合う契機にもなります。
ならば。せっかくのこの機会、存分に活かさねばなりますまいよ。
京都との対戦は、互いがJ2に所属していた2014年以来。11月9日の第40節以来というから、実に9年ぶりとなります。
その前回対戦は、前週に降格が確定した直後の試合。メンタル的にはどん底だったでしょうが、意地で1-1のドローとした試合でした。
その当時を知る現役選手は、カターレには残っていませんが。
・・・いや、1人いた。
現在、京都に所属している宮吉 拓実。当時、期限付き移籍でカターレのいちばん苦しい時期に力を貸してくれていたのでした。
その宮吉と対戦する可能性もあるかもしれません。
同じく元カターレで言えば、カターレに2シーズン在籍していたGK太田 岳志も。ただ、ここ最近はリーグ戦に出場しており、天皇杯での出場は無いかもしれませんが。それでも、ステップアップしていった先で活躍していることは喜ばしいことです。
カターレ側としても、京都の縁者が。
まず、小田切監督からして、富山第一高校を経てのプロとしてのスタートが、当時の京都パープルサンガ。
平井 直人GKコーチは、京都のアカデミー1期生として初のトップ昇格し、活躍。
古邊 考功コーチも現役時代は京都でプレー。
選手のほうでも、京都共栄学園高校出身のガブことガブリエル エンリケ。怪我で長らく離脱していましたが、最近は全体練習にも復帰しているとのことなので、この京都戦での実戦復帰もあるかもしれません。
安藤も、京都産業大学出身で京都に縁があります。昨年の神戸戦では、出身地である兵庫県での試合で見事にゴールを決めてみせました。今年も活躍を期待したいところ。
そして、現在の京都サンガにいちばん近いのが、前所属クラブにしてプロキャリアのスタートクラブであった大野でしょう。
期限付き移籍を経てカターレに完全移籍となった彼ですが、やはり、思い入れは大きいかと。京都側にしても、所属時の大野を知る選手も少なくないことかと。
そんな京都に、所属クラブは違えど頑張っている姿を、ぜひとも見せてほしいです。
もちろん、恩返しゴールにも期待したいところ。リーグ戦ではここまで出場機会が限られていますが、この古巣戦をきっかけに、手応えと自信を深めてほしいと願います。
まだシーズン3分の1程度でおこがましい、とか言われそうですが、それでも。
目下、カターレはJ3最強クラブです。12試合で7勝を挙げているクラブは、他にありません。
J3クラブの意地を、格上・J1クラブの京都にぶつけてほしい。
これまで成し遂げられていない、ジャイアントキリング。
チャンスは、得た。ならば、それをモノにするのみ!
勝って、「伊達にJ3首位のクラブじゃないな」と唸らせるような、そんな試合を!
どこにでも転がっているわけではない、チャンス。
活かすも殺すも、自分たちの頑張り次第。
だったら、勝つしかないだろ!
必勝を期し、挑め!そして、2回戦突破を!
勝たれ!!!富山!!!!!