行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

限界突破の大金星!史上初のJ1クラブ撃破 京都サンガF.C.戦

2023-06-09 04:33:49 | カターレ富山
2-2(PK10-9)で勝利!
これまで実に8度にわたって跳ね返され続けてきた、天皇杯におけるカターレのJ1クラブへの挑戦。
ついに、やってくれました。
「惜しいところまではいったけれど」という限界を超えて、クラブ史上初のJ1撃破。
PK戦にまでもつれた激戦を制し、3回戦進出を決めたのでした。

リーグ戦から中2日、メンバーを入れ替え、ほぼ別チームとして臨むこととなったカターレ。GKの田川が唯一の連続出場となったものの。他の10人は総入れ替えとなりました。
デイフェンス陣は、林堂、脇本、大森、柳下の4人。碓井と柴田のボランチに、サイドは安藤と伊藤、トップ下にシルバ、そして最前線に大野といった面々。
いわゆるターンオーバー編成にあっては、リーグ戦でまったく出番がなかったところをリーグ戦にスポット参戦、といったケースもままあるところですが。
サブメンバーに入った怪我明けのガブを唯一の例外として、それ以外のメンバーは全員、今シーズンここまでリーグ戦に出場経験がありました。
もちろん、出場時間に多いか少ないかの差はありますが、それでも。メンバー総入れ替えともなれば、格落ち感が出てもおかしくないのですが。
正直よくここまでまとめられたな、という編成。
これなら、今シーズンのカターレらしさというものがこのチームでも発揮できるだろう、と。

試合は開始早々にいきなり動くことに。
6分、大野がPKを決めて先制に成功。早くもリードを奪う展開となりました。
ここ最近は、PKと言えば吉平というイメージがありましたが、この日はメンバー外。同様のシチュエーションではこれまで機会のなかった大野ですが、しっかりと決めてみせました。
それでなくとも気合の入る、かつて所属していた古巣との対戦。期するものもあったであろうところ、最高の試合の入りとなったのではなかろうかと。
ただ、もちろん京都の側も黙ってはおらず。
32分、イヨハ 理 ヘンリーのゴールで追いつかれ、前半を1-1で折り返すことに。
迎えた後半、勝ち越しゴールを挙げたのはカターレでした。
この日2本めのPKの場面で外してしまい、大チャンスを逃してしまった大野でしたが。
即座に汚名返上。57分、ループシュートを決めて、この日2点目。再びリードを奪うことに。
62分には京都のGKが負傷交代、急遽、元カターレの太田 岳志が出場することとなりました。
ここ最近はリーグ戦に出場しており、この試合では出場を譲ることも納得、控えに入ったのは富山サポーターへの挨拶のため?なんて思っていたところ。意外なかたちで元チームメイトとの対決となったのでした。
カターレリードのまま、刻々と進む試合時間。
カターレの史上初のJ1クラブ撃破、それが目前となった試合最終盤・・・だったのですが。
京都のほうもなりふり構わず、控えに回っていたレギュラーメンバーを投入して状況打破を図ると。
アディショナルタイムに入った90+1分、京都のFWパトリックに起死回生の同点ゴールを決められてしまうことに。
やはり頭をよぎったのが、昨年の神戸戦。
リードを奪って勝利も見えていた試合最終盤、大迫のハンパない決定力をみせつけられ、連続ゴールでまさかの逆転負けを喫し敗退となった記憶。
どうしても、あの悪夢が思い出され。
京都に退場者が出て数的優位となった延長戦でしたが、だからといって、それが即座に勝利に結びつく圧倒的優位性というわけでなく。
昨年の大迫、一昨年の浦和戦でのユンカーなど、一流選手にかかれば、それまでの状況とかは全く関係なく試合を決定づける仕事をされてしまう。それを、これまでも経験しているだけに。一瞬たりとも気を抜くことが許されませんでした。

J1・J2勢が登場する2回戦のうち、この日のほぼ同時間帯に29試合が行われたなかで。
順当に力の差を見せつけ、7得点を挙げた柏や6得点を挙げた湘南など、大差をつけた試合があった一方で。
ガンバ大阪がJFLの高知ユナイテッドに敗れるというジャイアントキリングが。同じくJFLのヴェルスパ大分が大分トリニータを下し、下剋上。
次々に勝敗が決していくなかで、延長に入ったのは京都‐富山戦を含め、4試合。
徳島といわきはJ2同士の対戦で、さもありなんというところもあったでしょうが。
ACLを制してアジア王者となった浦和が、関西大学を相手に大苦戦。スコアレスのままに延長に突入し、延長前半のゴールでなんとか勝ちきる辛勝でした。
そして、J2・清水と対戦した岐阜が、延長戦で決勝ゴールを挙げ、アップセットを達成しました。
先日の対戦で敗れてしまった悔しさの記憶も新しいなかで。リーグ戦3連勝と天皇杯3回戦進出を決めた岐阜。
遅れをとってはならないだろうと。どこが勝ち進めずとも、現在J3首位のカターレが勝ち残るチャンスがあるというなら、それを成し遂げないわけにはいかないだろう!と。

結局、カターレにも京都にも決勝点が生まれないままに、延長を含めて120分の戦いを経てもなお、決着がつきませんでした。
この日開催された2回戦29試合で、たった1試合、このカードだけがPK戦に突入することに。
ここまで来たら、運の要素も多分にある状況。
それでも、勝利を信じるのみ。
ひとつ、カターレが京都に対してアドバンテージがあるとするならば。
カターレは先月の県選手権決勝で、PK戦を経験しています。
あの時のGKは平尾で、田川ではありませんでしたが、それでも。
負けたら終わりという苦境に屈せず、勝ち残ったということ。その達成を、チームとして共有したということ。
ここまで来たら、勝つしかないーーーチーム全員、腹は決まっていたことでしょう。

ただ・・・なかなか、決まらない。
先の県選手権決勝のPKがそうであったように、大抵は5人か6人くらい、多くても7人か8人くらいで決するものなのですが。
GKまでもがキッカーとなってさえ決まらず、2巡目までまわることになったのでした。
過去にも、同じようなことがありました。
10年前、2013年の天皇杯。アウェイで山形と対戦したときのこと。
夏の期限付き移籍で加入していた白崎のカターレ初ゴールで先制しながら、追いつかれ。延長戦で白崎が2ゴール目となる得点で勝ち越すも、追いつかれ。
PK戦に突入、これを決めれば勝利というところで決められず、GKがキッカーとなっても決まらずにいたところ、最後は力尽き、PK8-9で敗れたのでした。
都合3度のリードを奪ったにもかかわらず、勝ちきれず敗れた苦い記憶。
10年の時を経て、再び同じようなシチュエーション。
また、繰り返してしまうのか?
また、J1撃破は成し遂げられないのか?

しかし。
勝ったのは、カターレでした。

2巡目となった京都のパトリックが外し、勝負あり。土壇場での同点ゴールを挙げてヒーローとなるはずが、結果的に敗因にもなってしまったのは、いささか皮肉です。
19時開始の試合が、1試合だけ居残りめいたPK戦、気が付けば22時にもなろうかという時間でした。

ついに、やった。やってのけた。
クラブ設立15周年のカターレにあって、初のJ1クラブ撃破。
これまで8回にわたる挑戦がことごとく跳ね返されてきたところ、9回目の挑戦で、初めて金星を挙げたのでした。
不可能を、可能にしてみせたということ。
ならばこそ。
8年連続で失敗しているところの、J2復帰。
「9度目の正直」ということならば。
今シーズン、やってやるしかないでしょうよ。
不可能なんか、無いんだぜ。
だったら、やりぬくのみ!

3回戦進出を果たしたカターレ。次戦は、7月12日にホーム・県総にて、アルビレックス新潟と対戦することとなりました。
もちろん、J3優勝のほうが優先されることは確かですが。
この京都戦の極限状況から死闘を制して勝ちきった経験というものは、必ずやリーグ戦にも活きていくはず。
だったら。新潟戦にも、心して臨むよりほかないでしょうよ。
カターレの歴史に残る1勝、その先を目指して。
戦いは続きます。