■「窓からローマが見える」(1982年・日本=イタリア)
監督=池田満寿夫
主演=中山貴美子 クラウディオ・カッシネリ デリア・ポッカルド
先日亡くなったイージーリスニング界の巨匠、ポール・モーリアが映画音楽を手がけた映画。公開された当時、僕は高校生。FMの映画音楽番組をエアチェック(懐かしい響きだ)したカセットで、そのテーマ曲「Green Lake」を繰り返し聴いていた。淡々としたシーケンスの音に悲しげなメロディーが美しい。僕は何故だかこの曲が好きだった。池田満寿夫が「エーゲ海に捧ぐ」に続いて撮ったこの映画。高校の頃「ゴールデン洋画劇場」で放送されたが親は当然見るのを許してくれず(笑)。親の目を盗んでこっそりテレビをつけたときは、ヒロインが海岸を全裸で走るエンドクレジット・・・。今回ポール・モーリア他界の報を聞き、やっと観る気になってレンタルしてきた。うーん、やはり名曲だ。
映画ローマの町並みなど風景の美しさが印象的ですが、お話の方に惹かれるかと言われればちょっとねぇ・・・。主人公のカメラマン、カルロの女ったらし振りがどうも苛立って。マリッジリングを海に投げ捨てて「指輪よりも君だ」なんて!。妻オルガが強姦された黒人に溺れていくところは、なんか痛々しくって。奔放な日本人留学生”O(オー)”を演じた中山貴美子の登場シーンは衝撃ですよね。しゃがんでオシッコしてるんだもの。コロッセオの前で妻オルガもOも見失うラストシーン。愛をさすらうイタリア男の末路・・・感情移入できるところを探すけど共感できるところが見いだせないんだよなぁ。ところで最近知ったのだが、中山貴美子ってあびる優のお母さんなんだとか。時代の流れを感じてしまった。ともかく風景と音楽を楽しみましょ。なんかうまく感想を述べられません。