- 80's Movie Hits! - 目次はこちら
■The Living Daylights/a-ha
from「007/リビング・デイライツ/The Living Daylights」(1987年・イギリス=アメリカ)
監督=ジョン・グレン
主演=ティモシー・ダルトン マリアム・ダボ ジョー・ドン・ベイカー
80年代半ばまで頑張ったロジャー・ムーアだったが、そろそろボンド役者に無理が出てきた。そして4代目JBとしてティモシー・ダルトンが登場するのだ。この後の「消されたライセンス」の2本しかシリーズ出演作はないが、僕はある意味5代目ピアース・ブロスナンよりも好きだ。ダルトンのボンド像はあくまでもかっこよくクール。"Bond, James Bond"とダルトンが初めて名乗る冒頭のアクション場面も、ロジャー・ムーア時代にはなかった緊張感とキレがある。「ボンドにハードボイルドな香りが戻った!」と当時評された。しかし他のボンド役者にあるユーモアは、ダルトンのボンドには見られない。あくまでもきっちり仕事をこなし美女と戯れる。かっこよすぎるのだ。でも僕はそこが好き。ボンドカーもアストンマーチンに戻って従来のボンドファンを感動させたが、イアン・フレミングの原作に基づく作品(つーかタイトルだけですけど)は、本作でついに品切れ。次作からはオリジナルストーリーとなっていく。
主題歌を担当したのはノルウェー出身の3人組a-ha。その名を聞くだけで80年代青春組は懐かしさでいっぱいになるだろう。人々が"a-ha"と口にするのが恥ずかしくなるくらいに売れてやる!という意気込みで、バンド名にしたという話だ。今思うと何て野心的、何て気恥ずかしい。ご存じの通り、デビュー曲 Take On Me がいきなり全米No.1となり、これが半端じゃないインパクトを僕らに与えた。あのデッサン画アニメと実写が融合するPVは今でも忘れられない。ところがこのヒットのせいで”一発屋”のイメージが世間的には強くなってしまった。The Sun Always Shines On TV や Hunting High And Low などいい曲が多いのにね。主題歌 The Living Daylights はジョン・バリーとの共作で、007お約束的なフレーズとa-haらしい哀愁メロが同居する佳作だ。そしてジョン・バリーが手がけた最後の007作品となった。サントラには、プリテンダーズも Where Was Everybody Gone と If There Was A Man の2曲を提供している。