■「ハーフ・ア・チャンス/1 Chance Sur 2」(1998年・フランス)
監督=パトリス・ルコント
主演=ヴァネッサ・パラディ アラン・ドロン ジャン・ポール・ベルモント
公開当時、フランス本国では「タイタニック」をしのぐ大ヒットとなったとか。うんうん、そりゃわかるよ。僕もこっちが断然スキ!(つーか比べるのがどうかしてるけどね)。アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモント共演!というだけでも楽しい。往年のファンには「ボルサリーノ」の記憶がよみがえるのだろうか?(僕は未見)。二人が渋い演技合戦なのかと思ったら、実に楽しそうに演じている。これを二十歳のアイドルが引っかき回すのだから、面白いじゃない!。
車泥棒のパラディは死んだ母親が残したカセットで、父親と思われる男性2人の存在を知る。娘と名乗る小娘の突然の来訪にとまどう初老の男二人。ドロンはレストランを経営しているが、昔は荒稼ぎした泥棒。警報機を突破する練習するところなんざぁ、署名の練習する「太陽がいっぱい」を思い出させるじゃない。ベルモントはカーディーラーをしているが、昔は外人部隊で活躍した軍人。縄ばしごでヘリコプターに登るクライマックス(スタントなし!)は「華麗なる大泥棒」あたりの活劇と重なって見えてくる。パラディが盗んだ車にマフィアがらみの大金が積まれていたことから、騒ぎに発展。二人は昔取った杵柄で大活躍をする・・・てなお話だ。
ルコント映画というと人生の悲哀だの男女の機微だの、そうしたテーマと思われがち。だけど、実はコメディ路線から始まった人だけに、「ハーフ・ア・チャンス」はユーモアのある徹底したエンターテイメントに仕上がっている。結末は予想を全く裏切らないのでやや拍子抜けするけれど、万人に受け入れられやすい映画となると、そういうことになるのかなぁ。ヴァネッサ・パラディはとんでもないジャジャ馬役だけど魅力的。
(2003年筆)
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