「キル・ビル」のルーツを探せ!(その2)★黄色のトラックスーツはもちろん李小龍!
■「死亡遊戯/Game Of Death」(1978年・香港)
監督=ロバート・クローズ
主演=ブルース・リー コリーン・キャンプ ギグ・ヤング
「キル・ビルvol.1」でユマ・サーマンが青葉屋になぐりこむときのコスチュームは、黄色に黒のトラックスーツ。これはブルース・リーが「死亡遊戯」のクライマックスで着用しているものと同様のデザインであることはおわかりであろう。ユマ・サーマンの衣装はツーピースになっているが、足下はブルースと同じくアシックス!。ブルース・リーに対するオマージュはこれだけでなく、オーレン・イシイの部下クレイジー88がTVシリーズ「グリーン・ホーネット」でブルースが着けていたマスク(役柄からカトウマスクと呼ばれる)をしていることでも一目瞭然だ。
「死亡遊戯」はブルース・リーの遺作。撮影途中で本人が死亡したため、「燃えよドラゴン」のロバート・クローズが監督を引き継ぎ完成させた。クライマックスのアクション場面は撮り終えていたので、前半はそっくりさんのタン・ロンやユン・ピョウを使って撮影された。全体的にはどうしてもちぐはぐなものだけれども、わずか10数分ながらブルースの最後の勇姿はファンの心を引きつけた。マカオが舞台であることもあり、カジノのゲーム数々が映し出され、そこにブルースの出演作の場面が重なる洗練されたかっこいいタイトル。ジョン・バリーの音楽もよくできていた(「007」音楽を香港映画が無断使用しているのかと思えるくらいにね・笑)。しかしビデオで見られる版は怪鳥音も他人のものだし(DVDや香港公開版は異なる)、そっくりさんも似ていないから、やっぱりトホホな映画ではある。相手役コリーン・キャンプは「地獄の黙示録」ではプレイメイトの一人を演じており、本作では主題歌も歌っている。マカオの格闘技大会ではサモハン・キンポーも登場。
しかし、これだけで終わらない。ロバート・クローズ版に使われなかった未公開フィルムが存在することがわかったことから、ブルースが望んだ「死亡遊戯」とはどんなものだったのか?とファンの間でその公開が切望されていた。その完全版フィルムは、当時の製作の様子・裏話を再現したドラマを付け加えて「Bruce Lee in G.O.D. 死亡的遊戯」として日の目をみた。再現ドラマは学芸会並の情けなさだが、ブルースの構想にあった、様々な格闘技の猛者が各階にいる五重塔での死闘、その全てが観られる!。それだけでも劇場に足を運ぶのに十分なものだった。僕も映画館で観たクチだが、観客層が30代以上で男ばっかりだったのは忘れがたい(笑)。今回「死亡遊戯」を見直したが、「G.O.D」を観た後だけに”これだけ?”という気持ちは隠せないな。それでもブルース・リーは永遠の存在。それを改めて思った。
■「死亡遊戯/Game Of Death」(1978年・香港)
監督=ロバート・クローズ
主演=ブルース・リー コリーン・キャンプ ギグ・ヤング
「キル・ビルvol.1」でユマ・サーマンが青葉屋になぐりこむときのコスチュームは、黄色に黒のトラックスーツ。これはブルース・リーが「死亡遊戯」のクライマックスで着用しているものと同様のデザインであることはおわかりであろう。ユマ・サーマンの衣装はツーピースになっているが、足下はブルースと同じくアシックス!。ブルース・リーに対するオマージュはこれだけでなく、オーレン・イシイの部下クレイジー88がTVシリーズ「グリーン・ホーネット」でブルースが着けていたマスク(役柄からカトウマスクと呼ばれる)をしていることでも一目瞭然だ。
「死亡遊戯」はブルース・リーの遺作。撮影途中で本人が死亡したため、「燃えよドラゴン」のロバート・クローズが監督を引き継ぎ完成させた。クライマックスのアクション場面は撮り終えていたので、前半はそっくりさんのタン・ロンやユン・ピョウを使って撮影された。全体的にはどうしてもちぐはぐなものだけれども、わずか10数分ながらブルースの最後の勇姿はファンの心を引きつけた。マカオが舞台であることもあり、カジノのゲーム数々が映し出され、そこにブルースの出演作の場面が重なる洗練されたかっこいいタイトル。ジョン・バリーの音楽もよくできていた(「007」音楽を香港映画が無断使用しているのかと思えるくらいにね・笑)。しかしビデオで見られる版は怪鳥音も他人のものだし(DVDや香港公開版は異なる)、そっくりさんも似ていないから、やっぱりトホホな映画ではある。相手役コリーン・キャンプは「地獄の黙示録」ではプレイメイトの一人を演じており、本作では主題歌も歌っている。マカオの格闘技大会ではサモハン・キンポーも登場。
しかし、これだけで終わらない。ロバート・クローズ版に使われなかった未公開フィルムが存在することがわかったことから、ブルースが望んだ「死亡遊戯」とはどんなものだったのか?とファンの間でその公開が切望されていた。その完全版フィルムは、当時の製作の様子・裏話を再現したドラマを付け加えて「Bruce Lee in G.O.D. 死亡的遊戯」として日の目をみた。再現ドラマは学芸会並の情けなさだが、ブルースの構想にあった、様々な格闘技の猛者が各階にいる五重塔での死闘、その全てが観られる!。それだけでも劇場に足を運ぶのに十分なものだった。僕も映画館で観たクチだが、観客層が30代以上で男ばっかりだったのは忘れがたい(笑)。今回「死亡遊戯」を見直したが、「G.O.D」を観た後だけに”これだけ?”という気持ちは隠せないな。それでもブルース・リーは永遠の存在。それを改めて思った。