Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

フロム・ダスク・ティル・ドーン

2013-10-27 | キル・ビルのルーツを探せ!
「キル・ビル」のルーツを探せ!(その10)★テキサスレンジャーの元ネタ/エル・ドライヴァーの由来・・・

■「フロム・ダスク・ティル・ドーン/From Dusk Till Dawn」(1996年・アメリカ)

監督=ロバート・ロドリゲス
主演=ジョージ・クルーニー クエンティン・タランティーノ ハーベイ・カイテル

 ブライドが半殺しになったエル・パソの教会。そこに駆けつけたテキサス・レンジャー親子を覚えているだろうか。親父の方は、実は「フロム・ダスク・ティル・ドーン」の冒頭、クルーニーとタランティーノ兄弟に射殺されるテキサス・レンジャーを演じていたマイケル・パークス。息子の方はその続編で保安官助手を演じていたジム・パークス。その二人が「vol.1」ではそろって登場する、とまぁ楽屋落ちのようなネタですな。マイケル・パークスは、聖書を映画化した超大作「天地創造」(66)でアダムを演じていた俳優さん。TV「ツイン・ピークス」にも出演している。

 さて本作はタランティーノが脚本・出演したバイオレンス・アクションホラー(なんちゅうジャンル分けだ?)。前半は二人の犯罪者がメキシコへ逃げるまでを描いたクライム・サスペンス。しかし後半、待ち合わせ場所のいかがわしい店(名前が「おっぱいグルグル」だもんね!)に入るとそこは吸血鬼の巣窟だった!というホラームービーへと一変。その構成のすさまじさに唖然としてしまうが、延々と続く吸血鬼との戦いに、気づくと見入ってしまっていた自分がいる(笑)。主人公たちに迫る無数の吸血鬼をバッサバッサと倒していく場面は、「vol.1」のクライマックス、青葉屋の大立ち回りの予行演習みたいなもんだったのかもね。いやむしろ「キル・ビル」よりも荒っぽいし壮絶。

 ロバート・ロドリゲス監督は、製作費稼ぎのために新薬を体で試すバイトまでやっちゃう人だとか。それだけにいざ作り始めたらもうやりたいことはとことんやるんだね。股間から”オチンチン銃”出すわ、サルマ・ハエック扮する踊り子”地獄のサンタニコ”の足から酒流して飲んじゃうわ、裸のお姉ちゃんウヨウヨ出てくるわ、店の前で呼び込み兄ちゃんは"Pussy Pussy"繰り返すわ、ジュリエット・ルイス(実は僕、大ファンです)がトイレに座るシーンのおまけまでついて・・・うーんもう、こんな教育上よくない映画他にあるだろか?。・・・でも面白ーい!!

(追記)この映画にはメイキングフィルムがある。「パルプ・フィクション」でプロダクション・アシスタントだったサラ・L・ケリーが監督した「フル・ティルト・ブギ」(97)がそれだ。この映画のクレジットには「an L Driver Production」と記されている。サラの相性が”エル・ドライヴァー”だったというのが理由。ダリル・ハンナの役名はこれが由来なんだね。ちなみに「vol.1」の病院の場面で、サラ・L・ケリーは看護婦のひとりとして出演している。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする