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お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

柳生一族の陰謀

2013-10-25 | キル・ビルのルーツを探せ!
「キル・ビル」のルーツを探せ!(その9)★神に会うては神を斬り、仏に会うては仏を斬り・・・

■「柳生一族の陰謀/Shogun Samurai」(1978年・日本)

監督=深作欣二
主演=萬屋錦之介 松方弘樹 千葉真一 西郷輝彦

 「武士たるもの、戦いに臨んでは己の敵を倒すことに専念すべし。これ兵法の第一義なり。人としての情けを断ちて、神に会うては神を斬り、仏に会うては仏を斬り・・・」ブライドがヴィヴィカ・A・フォックスを殺した後に聞こえる印象的なナレーション。これは、TV版「柳生一族の陰謀」のオープニングナレーション。タランティーノは日系のTVで同シリーズを観て以来お気に入りで、ナレーションの引用だけでなく、ジュリー・ドレフュスの拷問シーンにも同番組の音楽が使われているとか。もしも、タランティーノが気に入ったのが「必殺」シリーズだったら、あの♪チャララ~が使われていたかもしれないし、「大江戸捜査網」だったら「死して屍拾う者なし」ってナレーションが流れていたのかな・・・と想像すると楽しいではないか。

 映画「柳生一族の陰謀」は時代劇復権を賭けて東映が製作した大作時代劇。二代将軍秀忠が毒殺され、継嗣問題が持ち上がる。家光擁立派の柳生但馬守(萬屋錦之介)らと対立派の抗争劇が、「仁義なき戦い」同様見事に演出された大ヒット作である。このヒットで柳生十兵衛(千葉真一)を主人公にしたTV版が製作され、「赤穂城断絶」など大作時代劇が続けて製作されるにことになる。いやはやヒットは当然だ。史実云々言う以前に面白い。両陣営の政治的な駆け引きという静の部分と、千葉真一や志穂美悦子、若き真田広之らの動の部分がバランスよく配されて飽きさせることはない。成田三樹夫扮する烏丸少将文麿が剣の使い手であるのも面白いし、出雲の阿国(大原麗子)を愛する笛吹き原田芳雄の一途な男の思いには泣かされる。クライマックスの小笠原玄信斎(丹波哲郎)との対決シーンも見応えあり。そうした個々の人物像がとても魅力的。今回改めて時代劇の面白さを再認識させてもらった。時代劇を絶やしてはいかん!。頑張れニッポン!。ダリル・ハンナ扮する隻眼の殺し屋エル・ドライヴァーは、もしかして十兵衛がルーツ?





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