Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

さらば青春の光

2020-12-15 | 映画(さ行)



◾️「さらば青春の光/Quadrophenia」(1979年・イギリス)

監督=フランク・ロッダム
主演=フィル・ダニエルズ レスリー・アッシュ スティング

中学生の頃から映画チラシコレクターなのだが、集め始めてすぐの頃に、「さらば青春の光」のチラシを手に入れた。斜めの白文字でタイトルが左下に記され、右寄りにデコったスクーターにまたがる男子。「ハートブレイクなんてクソくらえ」と、片岡義男が自暴自棄になったようなコピーが右上に書かれたチラシだ。映画のことはよく知らなかったけど、当時のヤングな(死語)お兄さんたちがこの映画に熱狂していると言う噂は聞いた。なかなか観る機会がなく、よく行くレンタル店では見つからず、The Whoにちょっと苦手意識を持っていたもので、今回が初鑑賞。

モッズとロッカーズ。ファッションや嗜好の違いは確かに隔たりを感じるのだけれど、ここまで反目し合うとは。相手はダサい、俺たちこそ最高というこだわりと不寛容がこんな対立に結びつくってことなんだろう。細身のスーツに米軍払い下げのロングコート、ベスパ、デザートブーツって、まさに自分が好んでるものだけにモッズの面々のファッションは映画を観ていてとても気になった。

まだMTVがなかった時代だけに、映画館の大画面でカッコいい映像にThe Whoの演奏が重なる瞬間は興奮したんだろな。あの白く切り立った崖っぷちを疾走する無言のシーンを映画館の大画面で、しかも大音量の音楽で鑑賞できたらそりゃたまらんだろう。

されど、お話としてはどうも乗りきれず。あの年頃のイライラする感じ、憧れたエースの現実や彼女の心変わりを見た絶望、喪失感、孤独。その気持ちはわかるし、熱に浮かれたような盛り上がりも分からなくはないけど、もし同じ年頃で観ても共感できたかは微妙。「トレインスポッティング」も同じような気持ちになっただけに、イギリスの不良少年映画に僕は向いてないのかも。





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