◼️「アレキサンダー大王/Alexander The Great」(1956年・アメリカ)
監督=ロバート・ロッセン
主演=リチャード・バートン フレデリック・マーチ クレア・ブルーム ダニエル・ダリュー
マケドニアのアレクサンダー大王は、世界史の授業で必ず聞く名前だし、大がかりな東方遠征で広大な地域を支配した人物。アニメ好きには、「Fate/Zero」でサーヴァントの一人、征服王イスカンダルとして登場するのでおなじみの存在。本作はリチャード・バートンがアレクサンダーを演じた歴史大作。映画の存在は知っていたが、観るのはこれが初めて。配信もないようなので、なかなか貴重な放送だったのかも。
ハリウッド製歴史大作というと「ベン・ハー」やら「クレオパトラ」をどうしても思い浮かべてしまう。それらのスケール感やアクションを念頭におくと、この映画はどうも見劣りしてしまう。例えばイッソスの戦いシーン。ペルシャ軍の馬車も登場するけれど、「ベン・ハー」の有名なレース場面や、(CG時代と比べてはいけないと思うけれど)「キングダム2 遥かなる大地へ」の疾走感とは違う。走ってきた馬車を歩兵が取り囲んで槍でツキツキ…。戦況を俯瞰する映像は分かりやすいのだが、「プライベート・ライアン」や「ダンケルク」の生々しい戦場を観ている世代には間延びして感じてしまうかも。一方、剣を交える場面はなかなかよい。カイロネイアの戦いで、敵兵に追い詰められた父フィリッポス2世をアレキサンダーが救う場面は、後のストーリーにも絡むいい場面になっている。
この映画は、歴史活劇よりも人間ドラマに主眼を置いているのだろう。父フィリッポス2世と母オリュンピアスの確執と、その板挟みになるアレクサンダーの苦悩と決断が描かれる。フィリッポス2世を演ずるのは名優フレデリック・マーチ。本作の監督ロバート・ロッセンの代表作「オール・ザ・キングスメン」では主役の政治家を演じている。そちらでは権力に溺れてしまう役柄だったが、フィリッポス役も同様に権力に執着する姿が印象的だ。母はフランス女優ダニエル・ダリュー。「8人の女たち」や伯爵令嬢を演じた「うたかたの恋」など気品を感じさせる役が多い人で、本作の気丈な王妃役は他の作品とは違う迫力がある。
ギリシア世界とアジアを結びつける偉業を成し遂げたことは、この映画でも学ぶことができるが、彼を支えた人物たちとの関係が薄味なのはちと残念。「スターウォーズ」EP4のモフ・ターキン役、ピーター・カッシングが脇役で出演。
ハリウッド製歴史大作というと「ベン・ハー」やら「クレオパトラ」をどうしても思い浮かべてしまう。それらのスケール感やアクションを念頭におくと、この映画はどうも見劣りしてしまう。例えばイッソスの戦いシーン。ペルシャ軍の馬車も登場するけれど、「ベン・ハー」の有名なレース場面や、(CG時代と比べてはいけないと思うけれど)「キングダム2 遥かなる大地へ」の疾走感とは違う。走ってきた馬車を歩兵が取り囲んで槍でツキツキ…。戦況を俯瞰する映像は分かりやすいのだが、「プライベート・ライアン」や「ダンケルク」の生々しい戦場を観ている世代には間延びして感じてしまうかも。一方、剣を交える場面はなかなかよい。カイロネイアの戦いで、敵兵に追い詰められた父フィリッポス2世をアレキサンダーが救う場面は、後のストーリーにも絡むいい場面になっている。
この映画は、歴史活劇よりも人間ドラマに主眼を置いているのだろう。父フィリッポス2世と母オリュンピアスの確執と、その板挟みになるアレクサンダーの苦悩と決断が描かれる。フィリッポス2世を演ずるのは名優フレデリック・マーチ。本作の監督ロバート・ロッセンの代表作「オール・ザ・キングスメン」では主役の政治家を演じている。そちらでは権力に溺れてしまう役柄だったが、フィリッポス役も同様に権力に執着する姿が印象的だ。母はフランス女優ダニエル・ダリュー。「8人の女たち」や伯爵令嬢を演じた「うたかたの恋」など気品を感じさせる役が多い人で、本作の気丈な王妃役は他の作品とは違う迫力がある。
ギリシア世界とアジアを結びつける偉業を成し遂げたことは、この映画でも学ぶことができるが、彼を支えた人物たちとの関係が薄味なのはちと残念。「スターウォーズ」EP4のモフ・ターキン役、ピーター・カッシングが脇役で出演。