◼️「グラディエーター/Gladiator」(2000年・アメリカ)
監督=リドリー・スコット
主演=ラッセル・クロウ ホアキン・フェニックス コニー・ニールセン オリバー・リード リチャード・ハリス
2000年の公開当時、歴史大作映画が現代ハリウッドで製作されたこと自体を何よりも凄い!と思った。甲冑やら鎧を着た人々がズラリと並ぶ光景。宇宙服でも軍服でもない。大群衆のエキストラの衣装から背景まで金と手間がかかっていることは、CG慣れした世代でもなんかすげぇぞと思ってくれるに違いない。続編公開に合わせて配信で再鑑賞。
クライマックスの舞台となるコロッセオの巨大さ。「これは人間が作ったのもなのか」と台詞が添えられるだけで、巨大な建物が人の死を見世物にすることもあるクレイジーな建造物であることが伝わってくる。そこで繰り広げられる生死をかけた激しい戦い。剣と拳が振り下ろされ、血しぶきと首が飛ぶ圧倒的な迫力。苦手は人はキツい場面だが、それに熱狂する群衆に主人公は叫ぶ「もっと死が見たいのか!」。それは悲痛な響きがある。
歴史大作だけに予備知識がいるとか人間関係が複雑だとか、身構えてしまう方もあろうが、本作は意外と受け入れやすい構成になっている。それは対比される構図がきちんとしているからだ。皇帝に信頼された者、されなかった者。愛された者、愛されなかった者。正気を失う者、信念を取り戻す者。奴隷まで身を堕としてしまった主人公の復活劇だけに、最後まで目が離せない。名作「ベン・ハー」も似た構成ではあるが、史劇として様々な要素(疫病やキリストなどのエピソード)が盛り込まれているだけに、さらなる風格を感じる。長尺版(未見)ではそうした要素も含まれると聞くが、主人公の復活劇に絞り込んところがいいとも思える。
オスカー主演賞を受賞したラッセル・クロウのタフガイぶりが素晴らしい。敵役となる皇帝の息子を演じたのはホアキン・フェニックス。この人は他の作品でもそうだが、精神的に壊れていく役を演じさせたら本当に上手い。本作と同年製作の「クイルズ」の神父役も見事だった。後継者として信頼されない妬み、自分以外にも愛情を見せる父親への怒り、姉への偏った執着。自分の子を産めと迫る狂気の表情。本作でも見事な演技をみせる。
奴隷商人を演じたオリバー・リード、賢帝マルクス・アルレリウスを演じたリチャード・ハリスも素晴らしい。世界史の資料集を片手に観る方は、ローマの五賢帝時代を復習してねw
クライマックスの舞台となるコロッセオの巨大さ。「これは人間が作ったのもなのか」と台詞が添えられるだけで、巨大な建物が人の死を見世物にすることもあるクレイジーな建造物であることが伝わってくる。そこで繰り広げられる生死をかけた激しい戦い。剣と拳が振り下ろされ、血しぶきと首が飛ぶ圧倒的な迫力。苦手は人はキツい場面だが、それに熱狂する群衆に主人公は叫ぶ「もっと死が見たいのか!」。それは悲痛な響きがある。
歴史大作だけに予備知識がいるとか人間関係が複雑だとか、身構えてしまう方もあろうが、本作は意外と受け入れやすい構成になっている。それは対比される構図がきちんとしているからだ。皇帝に信頼された者、されなかった者。愛された者、愛されなかった者。正気を失う者、信念を取り戻す者。奴隷まで身を堕としてしまった主人公の復活劇だけに、最後まで目が離せない。名作「ベン・ハー」も似た構成ではあるが、史劇として様々な要素(疫病やキリストなどのエピソード)が盛り込まれているだけに、さらなる風格を感じる。長尺版(未見)ではそうした要素も含まれると聞くが、主人公の復活劇に絞り込んところがいいとも思える。
オスカー主演賞を受賞したラッセル・クロウのタフガイぶりが素晴らしい。敵役となる皇帝の息子を演じたのはホアキン・フェニックス。この人は他の作品でもそうだが、精神的に壊れていく役を演じさせたら本当に上手い。本作と同年製作の「クイルズ」の神父役も見事だった。後継者として信頼されない妬み、自分以外にも愛情を見せる父親への怒り、姉への偏った執着。自分の子を産めと迫る狂気の表情。本作でも見事な演技をみせる。
奴隷商人を演じたオリバー・リード、賢帝マルクス・アルレリウスを演じたリチャード・ハリスも素晴らしい。世界史の資料集を片手に観る方は、ローマの五賢帝時代を復習してねw