■「さよなら夏のリセ/Surprise Party」(1983年・フランス)
監督=ロジェ・バディム
主演=フィリピーヌ・ルロワ・ボーリュー クリスチャン・バディム カロリーヌ・セリエ
50年代のフランスを舞台にした青春映画。80年代に「ロードショー」を購読していたソフィー・マルソー世代は、「あーこれ雑誌の片隅に載ってたよな~」と懐かしいこと必至。何のCFだったか忘れたけど、フィリピーヌ・ルロワ・ボーリューは当時日本のCFにも出演していたと記憶している(知ってる人教えてください)。もちろん僕も彼女めあてで観ました。
大学入学資格試験(バカロニア)に合格したらアンリ4世のベッドで(女同士で)愛し合おうとか、初体験は好きな人でないと・・・とか、妊娠騒ぎとか。描かれるのは性をめぐって悩める若者たちの姿。しかし、悩める大人達も妙に印象に残る。しかもフィリピーヌの母親はミレーヌ・ドモンジョ、友人の余命短い父親はロベール・オッセン、親ドイツ政権の元大臣にモーリス・ロネという、青春映画とは思えない配役だったり。
しかしどのエピソードも今ひとつ消化不良。フィリピーヌの父親の市長選出馬の話は最初だけだし、クリスチャン・バディムと母親の近親相姦的なムードもよくわからないし・・・。唯一おぉと思ったのは、冴えないおデブちゃんが、妊娠して悩んでいる娘に「僕の子供ってことにして結婚しよう!」と言って愛を勝ち取るラスト。あまりの涙ぐましさに泣けてきた。それにしても、ロジェ・バディムが何故青春映画?と観る前に思った。でもヒロインのヌードをなめるように撮るカメラ・・・それはやっぱりバディムの視線だった。