Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

サラフィナ!

2013-03-13 | 映画(さ行)

■「サラフィナ!/Sarafina! The Sound Of Freedom」(1992年イギリス=ドイツ=南アフリカ)

監督=ダレル・ジェームス・ルート
主演=ウーピー・ゴールドバーグ レレティ・クマロ ミリアム・マケバ

 アパルトヘイト問題を扱ったブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品。ヨハネスブルクのソウェト居住区に実際にカメラが入り撮影された。ミュージカルは日本でも公演され、好評を博したと聞く。この映画版、南アフリカ現地の空気と差別の実態が盛り込まれた為、アパルトヘイト政策を批判するエネルギーは観ている側にもひしひしと伝わってくる。でも厳しい現実が盛り込まれて、そこを伝えんと力がこもるだけに、ヒロインの成長という人物描写には今ひとつ引き込まれない。でもそれは現実が僕らの想像を超える厳しさであるからだろう。この映画にかかわったスタッフの思いがそうさせたのだ。きっとミュージカルでみたら、ヒロインの成長物語としてもっと素直に感動できたと思う。躍動的なダンスシーンも、重い現実を思うとどうも純粋に楽しめなかった。

 白人家庭のメイドとして働く母親の元へ行き、家族を守るために働く母親こそが英雄だとヒロインが語る場面はなかなか感動的だ。またウーピー・ゴールドバーグ扮する先生、歴史の授業での力のこもった言葉は心に残る。朝のお祈りを先生のリードでするミュージカルシーンも前半で忘れなれない場面のひとつだけど、周りで見守る群衆が手拍子ひとつしないのはちょっと残念な気もする。エンドクレジットで流れるのは、ジェームズ・イングラムの One More Time。

(2004年筆)

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さすらいの二人

2013-03-12 | 映画(さ行)

■「さすらいの二人/Il Reporter(The Passenger)」(1974年・イタリア=フランス=スペイン)

監督=ミケランジェロ・アントニオーニ
主演=ジャック・ニコルソン マリア・シュナイダー イアン・ヘンドリー

見始めて数分間。この映画には台詞らしい台詞が出てこない。オープニングだというのに音楽もない。ただほこりっぽい砂漠の町をジャック・ニコルソンが車でチョロチョロ動いているだけだ。うわっ、これを最後まで観るのは苦痛かも、と思った。ところが唐突に事件が起こってから、気づくと物語に引き込まれていた。とにかく不思議な魅力を持った映画だ。

現実から逃れるために他の男になりすましたTVリポーター。過去を捨てて生きようとするのだが、様々なものから追いかけられることとなる。この映画を見終わったあとに感ずる虚無感は何だろう。人生はしょせんままならぬもの。リポーターとして様々な現実に対してきた主人公が、最後に現実の醜さについて語るシーンは印象的だ。また彼を見守るマリア・シュナイダーがいい。オープンカーで風を受けながら微笑む彼女の姿は美しい。

アントニオ・ガウディの建築物の数々が登場。現実と非現実の境をいくような主人公の行動を表現するのに効果的だ。また、カメラワークと演出の斬新さもこの映画の魅力。カメラが少しづつ面格子に近づいていくラスト7分間の長回しは特に印象に残る。話は暗いし結末に救いもないんだけれど、映像の美しさにうっとりし、人生についてちょっとだけ考えさせられたりもしました。

(2001年筆)

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快盗ルビイ - 80's Movie Hits ! -

2013-03-11 | 80's Movie Hits !

■快盗ルビイ/小泉今日子
from「快盗ルビイ」(1988年・日)

監督=和田誠
主演=小泉今日子 真田広之

 80年代はアイドル全盛の時代。その中でも王道を突っ走っていたひとりには、♪なんてったって~(笑) キョンキョンが挙げられるだろう。元気いっぱいのアイドル時代から、アーティストとして様々な人々とのコラボレーションもこなした。現在は女優としても地位を確立、同世代の女性からはファッション・リーダー的な支持も大きい。少し前だが、資生堂のCF「さびないひと」はそんな彼女にピッタリな人選だった。

 1982年に 「私の16才」 で歌手デビュー後、83年の「十階のモスキート」で映画初出演。内田裕也主演作で映画デビューという、当時のアイドルとしてはかなり異色。84年の「生徒諸君」で映画初主演。中原俊監督作「ボクの女に手を出すな」(毎日映画コンクール主演女優賞)で評価を高め、イラストレーター和田誠氏の監督第二作「快盗ルビイ」に至る。

 この「快盗ルビイ」、僕の大好きな映画だ。無類の映画好き和田誠が撮ったこの作品は、映画愛と楽しさに満ちている。原作はショート・ミステリーで知られるヘンリー・スレッサーの「快盗ルビイ・マ-チンスン」。ヒッチコックが自身のTV番組でよく取りあげた作家だ。原作ではルビイは男のコで、仲間の少年を連れて小さな犯罪をやり遂げるお話。ドーナツショップでフレンチクルーラーをほおばる男の子ルビイを、和田誠氏はキョンキョン扮する留美に置き換えた。この映画のキョンキョンはまるでオードリーのようだった。冒頭、ルビイこと留美は徹(真田広之)が住むマンションの上の階に引っ越してくる。男女の立場こそ違うけど、僕には「ティファニーで朝食を」を思わせる場面だった。ジバンシーこそ出てこないけれど、キョンキョン御用達のViva YouやMILKといったガールズ・ブランドはしっかり登場。そして徹を振り回す留美は、まるでホリー・ゴライトリーのようだった。同名主題歌の作曲は大瀧詠一。どこかノスタルジックな曲調が、映画の往年のハリウッド映画的な楽しさを盛り上げていた。

 95年に永瀬正敏と結婚したとき、ああいう彼氏を選ぶのか、と不思議と世間は納得したものだ。その後、歌での活躍はあまりなくなったけど女優業は充実。2001年に故相米慎二監督の「風花」で報知映画賞主演女優賞受賞してから、女優としての地位を固めた。他のアイドルとは違って、昔から作家性の高い映画監督に起用されているのが面白い。最近は再び音楽活動も充実してきているみたいだし、今後も彼女から目が離せないよね。

※小泉今日子の歌が聴ける80年代の主な映画
1984年・「生徒諸君」 = STARDUST MEMORY
1984年・「ドラえもん/のび太の魔界大冒険」 = 風のマジカル
1987年・「ボクの女に手を出すな」 = 木枯らしに抱かれて
1988年・「快盗ルビイ」 = 快盗ルビイ




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ザ・カップ 夢のアンテナ

2013-03-10 | 映画(さ行)

■「ザ・カップ 夢のアンテナ/The Cup」(1999年・ブータン=オーストラリア)

監督=ケンツェ・ノルブ
主演=ウゲン・トップゲン ネテン・チョックリン ジャムヤン・ロゥドゥ

 チベットからインドに亡命してきた僧たちが暮らす僧院を舞台にしたブータンの映画。世俗を離れて修行の日々をおくる僧侶たちだが、小坊主たちはサッカーで頭がいっぱい。折しも4年に一度のワールドカップが開催されているときだから、もう見たくて仕方ない。院を抜け出して先生に見つかり、炊事当番をさせられる。それでも見たいものは見たい。名高い高僧が監督したというから驚きだけど、実際に描かれるのは実話に基づいた微笑ましいエピソード。この監督はベルトリッチの「リトル・ブッダ」のシナリオに協力した人だそうで、それをきっかけに映画を撮ることになったとか。そんな裏話もなんか人間的な暖かみを感じさせるんだよな。見知らぬ国の初めて知る現実。住む世界は違っても夢中になれるものは同じ。そこがこの映画を観ていて一番嬉しいことなんだ。いつもは厳しい先生が、サッカーがよくわからない院長にサッカーが何たるか説明する場面が面白い。「どうして詳しい」と問われてニコッと笑う先生の笑顔がいいね。また主人公ウゲンが人の心の痛みを知って成長する様も印象的だった。

 微笑ましいエピソードばかりではない。彼らの出身地チベットは中国からの独立をめぐって混乱が続く場所。そうした厳しい政治的背景を描くことも決して忘れていない。僧院の院長は部屋に荷物を積んだままだし、小坊主の口からも国歌なんて歌えるようになるのか?と言う厳しい言葉が出てくる。サッカーの試合でも「フランスはチベットを支援しているから応援するんだ」という台詞もさりげないが耳に残る。そしてこの映画のラストには、”心の憎しみを解き放てば敵を打ち負かすのと同じ。森羅万象の中に身を置き他者を慈しめ”との教えが語られる。戦乱が続くこの世は悲しい話ばかりだ。でもこの映画は90分間の心の平穏を約束してくれる。

(2004年筆)

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ジェーン・エア

2013-03-09 | 映画(さ行)

■「ジェーン・エア/Jane Eyre」(2011年・イギリス=アメリカ)

監督=キャリー・ジョージ・フクナガ
主演=ミア・ワシコウスカ マイケル・ファスベンダー ジェイミー・ベル ジュディ・デンチ

ジョーン・フォンティーン、スザンナ・ヨーク、シャルロット・ゲンスブール、日本では舞台で松たか子が主人公を演じている「ジェーン・エア」。シャーロット・ブロンテの原作が出版されたのはヴィクトリア女王の時代のイギリス。孤児だったジェーンが、家名や財産にしばられずに自分を貫く女性像は時代を超えて多くの人々を魅了してきた。日系人監督の手による今回の映画化はミア・ワシコウスカがジェーン役。ニコリともせず、意志を強く持つ女性を演じて好感。「アリス・イン・ワンダーランド」、「永遠の僕たち」、本作とミア・ワシコウスカ主演作を観て、自分をしっかり持つ役柄にはしっくりくる女優さんだなと感じた。ティム・バートンが”戦うアリス”として彼女をキャスティングしたのも今なら納得できる。

名だたる原作の文芸ものは、どうしても期待を裏切らないようにストーリーをきっちり描ききることに重点が置かれがち。だが今回の「ジェーン・エア」は時系列を敢えて入れ替えた編集で、映画冒頭で彼女が暗い荒野をさまよっていた理由を紐解いていく。悲しい生い立ちを観客に後出しすることで、ジェーンというヒロインへの興味を駆り立ててくれる。なかなか面白い試みだ。可能な限り自然光を用いたのかと思える、映像の美しさも見どころ。寄宿学校の陰鬱な空気感、イギリスらしい荒れ野の風景と灰色の空、ろうそくの灯に囲まれたお屋敷の様子。それぞれの場面で光量の差があって、場面が変わるのに効果的。工夫があって、原作の雰囲気と風景を見事に表現してくれた秀作。

ジュディ・デンチがこういうコスチュームプレイの映画に出てくると、「エルロイ大おばさま!」(「キャンディ・キャンディ」)と心のどこかで呼んでいる自分がいる(恥)。マイケル・ファスベンダーも、ときに激しい気性になるロチェスターを演ずるにはいい配役。静と動の対比は、「イングロリアス・バスターズ」と「プロメテウス」などこれまでの主演作でも生かされている。「リトル・ダンサー」が懐かしいジェイミー・ベルは真面目な宣教師役。キャストに「ヤング・シャーロック」のソフィー・ワードの名前が。えー?どこに出てたの?。

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サイドウェイ

2013-03-08 | 映画(さ行)

■「サイドウェイ/Sideways」(2004年・アメリカ)

●2005年アカデミー賞 脚色賞
●2004年ゴールデングローブ賞 作品賞(ミュージカル/コメディ部門)・脚本賞
●2004年LA批評家協会賞 作品賞・監督賞・脚本賞・助演男優賞・助演女優賞
●2004年NY批評家協会賞 作品賞・脚本賞・主演男優賞・助演女優賞

監督=アレクサンダー・ペイン
主演=ポール・ジアマッティ トーマス・ヘイデン・チャーチ ヴァージニア・マドセン サンドラ・オー

 映画「サイドウェイ」は、作家志望の英語教師と結婚式を間近に控えた盛りを過ぎた俳優の二人が、ワインを楽しむためにカリフォルニアを旅行するロードムービー。その旅を通じて二人は共通の話題で語り合える女性達と恋をする。大なり小なり様々な事件が起るが、それを通じて二人は自分を見つめ直すことになる。二人は人生の半ばを過ぎてこのままでいいのか考えている。僕も40の声が近くなってきたけれど、別にこの映画の主人公二人に感情移入するまではなかった。それにどんなにバカをやっても結局は助け合う二人の姿が可笑しくもあり、嬉しくもあり。でも、この映画のダメ男二人を見つめる監督の優しい視線にとても心温まる。人間誰しもが懸命に生きている。そして誰か自分を認めてくれる人がいる・・・それはとても嬉しいこと。仕事柄、就職が決まった若い子たちに僕はそうした趣旨のことをよく言うのだけれど、この映画のラストシーンで改めてそう思った。

 正直言うとワイン通が主人公ということでハイソなお高くとまった雰囲気の映画を予想していた。でもそれなら川島なおみにキャッチフレーズ語らせるような宣伝でもするだろう。この映画で語られるワインの話題はよくわからなかった。この映画でピノ・ノワールがなんたるかやっと理解したようなレベルだ。ところが4人がワインを次々と空けながら会話を続ける場面に見とれてしまう。共通の話題があることは最良の肴。音楽や映画を肴に飲めるヤツは身近におらんか?と常々思っている僕だけに、この場面は素敵に映った。帰り道、「刑事コロンボ」の大好きなエピソード「別れのワイン」を見なおしてみたくなった(笑)。

 日常の小さな出来事の積み重ねでできた映画だから、演ずる人々も自然体の演技が要求される。ポール・ジアマッティ演ずる自信のない主人公はもうこの人しかない!というくらいにハマリ役。「デュエット」のサラリーマン役が頭をよぎる。そしてヴァージニア・マドセンが素晴らしい!ためらいと愛情が交差する心情が印象的だ。昨年80年代の主演作「エレクトリック・ドリーム」を見ているだけに、いい女優になったなぁと改めて思う。「ホットスポット」の悪女も忘れられないよなぁ。全編を流れる洒落たジャズがまた心地よい。

(2004年筆)

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ギャング・オブ・ニューヨーク

2013-03-07 | 映画(か行)

■「ギャング・オブ・ニューヨーク/Gang Of New York」(2002年・アメリカ)

●2003年ゴールデングローブ賞 監督賞・主題歌賞

監督=マーチン・スコセッシ
主演=レオナルド・ディカプリオ ダニエル・ディ・ルイス キャメロン・ディアス

 スコセッシ版「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」とでも言うべき重厚なドラマ。デビュー以来ニューヨークにこだわり続ける監督が、30年来あたためてきた企画だとか。南北戦争当時のニューヨークを舞台に、アイルランド移民と、先に新大陸に来ていて”ネイティブ”を名乗るイギリス系との戦いの歴史。今でこそ異民族同士が共存できる大都会となったが、生活をかけた血なまぐさい出来事もあったのだ。

 久々の映画出演となったダニエル・ディ・ルイスの圧倒的存在感がすごい。控えのトレーラーで本当に肉切りナイフを研いでいたというから、演技に対する意気込みが違う。彼が”恐怖”について語る場面の説得力は素晴らしい。昔から”カメレオンのような俳優”と比喩されていたダニエル・ディ・ルイス。スコセッシ監督作には、デ・ニーロにしてもそうだが、なりきる演技ができる役者の存在は欠かせない。脇役だけど「E.T.」のヘンリー・トーマス、「リトル・ダンサー」の父ちゃんゲイリー・ルイス、「パーフェクト・ストーム」のジョン・C・ライリーら、一目見たら忘れられない役者たちも、熱の入った演技をみせる。

 2001年の同時多発テロのために公開を延期した映画であることも記憶しておくべき事項だ(上のチラシは延長決定前のもの)。それにしても”アメリカ人とは誰なのか”ということについて考えさせられるし、安穏と暮らしている現代がいかに血の歴史の上にあるものかを痛感させられる。エンドクレジットで、アイリッシュのU2に主題歌を歌わせるってのがまた憎い人選。

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オレのネクタイ。(その6)

2013-03-06 | Weblog

なおも続く毎日ネクタイ変えるぜプロジェクト。

年度末が近づいておりますが、だんだん慌ただしい空気が職場に満ちてきました。

左は、購入当時石橋貴明御用達ブランドだったビリドゥーエ。
緑や赤のシャツに合わせるといいんだ。
これにチョークストライプのダークスーツなんぞ着たら…80年代のヤクザですがな。

残り3本はいずれもジャン・ポール・ゴルチェ。
大胆なデザインのようで意外と使いやすいのだ。

え?俺だから?そうか、そうかも。

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バットマン - 80's Movie Hits ! -

2013-03-05 | 80's Movie Hits !

■Batdance/Prince
from「バットマン/Batman」(1989年・アメリカ)

(プリンス殿下篇 前半はこちら

 殿下は映画で再びその才能を爆発される。それが大作「バットマン」だった。エンターテイメントのために書き下ろされた楽曲は、どれもインパクトの強いものばかり。プリンス自身もコミック「バットマン」のファンだったらしい。そういえば私生活に謎を秘めたブルース・ウェインと、当時のインタビュー嫌いで自宅スタジオにこもって次々に楽曲を生み出すプリンスには、どこか共通するものを感じさせる。Party Man をバックにジャック・ニコルソン扮するジョーカーが登場する場面は実にカッコよかった。The Future や Electric Chair といったパワーあるナンバーの一方で、Scandalous のような美しいバラード。

 そしてシングルとして成功した Batdance は、殿下が楽しんでやっているような余裕すら感じさせる。しかし、「バットマン」本編での楽曲の使われ方は、ダニー・エルフマンのスコアと比べて印象に残るか?と言われれば、それは今ひとつ。映画自体は、ティム・バートンとプリンスという、二大オタク系アーティストのコラボレーション。次の「リターンズ」を観てもおわかりのように、ティム・バートンの作風に後付のポップミュージックは無用、エルフマンのスコアで十分なのだ。ティム・バートンにとって初の大作だけに、製作陣が派手な効果を狙ったものなのだろう。

 90年代に入って、お名前を変な記号に変えられた殿下(The Artist Formerly Known As Prince)は、その後突然の結婚、そして父親になるという「人間宣言」をなされた。現在、ネット上を主な活動の場として作品を発表している。でもそのうちまた大きなことをしでかしてくれる。殿下は気まぐれだから・・・きっと。そして殿下は2005年に大復活を遂げるのだった。

※Prince関連の曲が流れる80年代の主な映画
1983年・「卒業白書」 = ♪D.M.S.R.
1984年・「アメリカ万才」 = ♪I Feel For You
1984年・「ワイルド・ライフ」 = ♪Dirty Mind
1984年・「パープル・レイン」 = ♪When Doves Cry ♪Let's Go Crazy 他
1986年・「禁じられた恋」 = ♪Computer Blue
1986年・「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」 = ♪Christopher Tracy's Parade ♪Under The Cherry Moon 他
1987年・「サイン・オブ・ザ・タイムス」 = ♪Sign O The Times ♪U Got The Look 他
1988年・「再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ」 = ♪Good Love
1988年・「花嫁はエイリアン」 = ♪Kiss (Tom Jonesによるカヴァー)
1989年・「バットマン」 = ♪The Future ♪Electric Chair 他

Prince - Batdance (Official Music Video)


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パープル・レイン - 80's Movie Hits ! -

2013-03-04 | 80's Movie Hits !

■Let's Go Crazy/Prince & The Revolution
from「パープル・レイン/Purple Rain」(1984年・米)

監督=アルバート・マグノーリ
主演=プリンス アポロニア・コテロ モリス・デイ オルガ・カルトラス

 高校3年の春。僕の出身地大分市で「ベストヒットU.S.A」の放送が始まった。突然洋楽ファンになった僕らは、寄るとさわると音楽の話ばかりやっていた。17,8才でプリンスの洗礼を受けた僕らは、”バスタブで歌う変な黒人歌手”(When Doves Cry) と言いながらも、プリンスの楽曲のジャンルを超えたカッコ良さ、ステージアクション、今までに聴いたことのない動物的なシャウトの声、そしてエロエロの歌詞に魅了されていった。僕はラップもヒップホップも嫌いだ。にもかかわらずそうした要素が多分に盛り込まれている音楽で、今でも聴き続けているのはプリンス殿下をおいて他にない。それはロックンロールなどの白人音楽を見事に消化したプリンスの音楽性故だろう。僕が”殿下”と敬意を込めて呼ぶ対象は、彼とパタリロ=ド=マリネール8世のみである。

Prince And The Revolution - When Doves Cry (Original Music Video)



 映画「パープル・レイン」は、ザ・タイムのモリス・デイなどのプリンスファミリー総出演の長編ビデオクリップの仕上がりで、筋の方は恋あり挫折ありだがさして面白くもなかった。見所は何と言ってもステージ場面で、冒頭の Let's Go Crazy の疾走感で一気に引き込まれてしまう。僕はあのクドいエンディングが大好きなのだが、スティーブ・ペリー似の友人は
「あれは長すぎる。ヒューイ・ルイスならあの半分くらいだ。」
と(「アメリカン・サイコ」のパトリック・ベイトマンのように)評したものだ。クライマックスの Purple Rain をはじめどの曲もインパクトの強い曲ばかり。

prince purple rain hd hq


 悪趣味なギターのネックをペニスにみたてたステージアクションや、お得意のスライディングもふんだんに出てくる。プリンス本人が演ずる主人公は、自分に肌を見せる女をヘラヘラ笑って見ていたかと思えば、ずぶ濡れの彼女を置き去りにするかなりイヤな奴。彼女と部屋でやたら艶めかしい絡みがあるのだけれど、あれを見た我が妹は「この人たち歌手でしょ!何やってんのよ!」と激怒した(笑)。

 まぁそんな話はさておき、殿下はその大成功を引っさげて、映画製作なんぞやってみる。全編モノクロで撮られた「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」がそれだ。主演・監督までやった不思議な雰囲気漂う怪作。アルバム「Parade」は、この映画のサントラを兼ねている。殿下扮するクリストファー・トレイシーの恋物語。「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「ランボー2」のソビエト軍人役が印象的なスティーブン・バーコフらが共演。興行的には失敗に終わる。 続くアルバム「Lovesexy」でエロ路線を極めてしまった(ジャケットのこと?)殿下。しかしアーティストとしての評価と商業的成功は比例することはなかった。

(プリンス殿下篇 後編へ続く)


Purple Rain (1984) Official Trailer - Prince, Apollonia Kotero Movie


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