■「死ぬまでにしたい10のこと/My Life Without Me」(2002年・カナダ=スペイン)
監督=イザベル・コヘット
主演=サラ・ポーリー スコット・スピードマン マーク・ラファロ
友人が「涙なくしては観られない」と言っておったので、どんなもん?と疑いつつも劇場へ足を運んでみました。な~るほど、彼がビーチボーイズの大ファンだったからそこまで感動させられたのだな、納得。God Only Knows(神のみぞ知る) を随所に出してこられてはグッとくるわな。予備知識抜きでポスターを見たときにはガーリーな映画?というイメージを持ったけれど、全然そうではないのね。むしろこの写真を選んだ理由がよくわからん。本編で僕が印象に残ったのは、ビーズののれんの向こうに見える家族の風景。原題「My Life Without Me」の意味が伝わると思うのだけどなぁ。
23歳の主人公は余命2,3ヶ月であることを宣告された。愛する二人の娘とやっと職にありつけた夫を持つ彼女は、余命のことを家族には告げず残された期間にやりたいことをリストアップした。我が子へのメッセージを録音するところが何度もあるけれど、僕も子を持つ身だけに観ていて痛い。その中に「夫以外の男性を夢中にさせる」ことを挙げていて、そこが観る人によって賛否が分かれるところだと思う。恋愛ができるのは、相手から女として認められているってことでもあるし、生きている証を求めることにもなったと思うのだ。恋することは生きていく上でエネルギーをくれるもの。そういう面ではアリでしょうね。ただ夫の立場で見ると、う~ん。まぁ相手の男性が妙なヤツでなかったからよかった、とも思えるけど。「自分の代わりになる女性を見つける」ことも挙げていたけれど、それも夫の立場としては・・・どう?(笑)。
ペドロ・アルモドバルがプロデュースを担当したこの映画。手持ちキャメラと自然光を用いたライティングが物語のリアルさを増している。「ヘンリー&ジューン 私が愛した男と女」や「パルプ・フィクション」のマリア・デ・メディロスが、僕の持っているイメージとはかけ離れた美容師役で出演しているのは新鮮な驚き。それに母親役のデボラ・ハリー!ああいう役柄ができるようになったのねぇ・・・脇役に目がいっておりました。
(2004年筆)
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