
■「ショコラ/Chocolat」(2000年・アメリカ)
監督=ラッセ・ハルストレム
主演=ジュリエット・ビノシュ ジョニー・デップ レナ・オリン
久し振りに癒される映画です。僕はハルストレムファンの一人ですけど、期待を裏切らない出来でした(実は「アバ・ザ・ムービー」がハルストレム初鑑賞だったりするのですが・・・小学生のときです)。
人は大なり小なり何らかのコミュニティーに属して生活しています。しかしそのコミュニティーが自分に嫌な感情を持つならば、何らかの意味で戦うことになります。ジュリエット・ビノシュ扮する主人公はそれをチョコの魔力で、と言うよりも彼女の人間性で乗り切っていこうとします。でも彼女も生身の人間。強くあろうとしても、そうはいかないこともあります。全体におとぎ話の構成ですが、そこには現実が散りばめられています。
そんな世の中をよりよくしていけるのは、寛容さや人間の優しい気持ちです。ラストの司教の演説にあるように「何を受け入れるか」、そんな気持ちをエゴイストと化した現代人に思い出させる映画なのです。ビノシュ扮する主人公は夫の暴力から逃れてきたレナ・オリンを勇気づけます。二人がかつて共演した「存在の耐えられない軽さ」では逆の立場だったことがふと頭によぎりました。キャストが実にいいですよね。ジョニー・デップにしても、ジュディ・デンチ、キャリー・アン・モス。脇役に往年のミュージカルスター、レスリー・キャロンが出てます。お見逃しなく。
(2001年筆)
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