先月から着手された第3期茶畑の抜根作業はまもなく終了を迎える。点在する茶農家で構成する小さな生産組合は品評会で入賞するほどの旨い茶を生産してきた。その一端をこの茶畑も担ってきた。残念ながら管理していた茶農家の人手不足と茶価格の下落は、この界隈の茶畑をじわじわと縮小へと追い込んでいる。茶畑の抜根作業はそうした奔流に巻き込まれているとも言える。
茶畑の風景がまもなく喪失するのは慙愧に堪えないが、自分の能力ではこの事態をこうして始末するしかない。そのかわり、ここの場を果樹・野菜・樹木の自然ガーデンにしようというわけだ。できれば、小さなビオトープを配置して昆虫・野鳥・小動物が憩える場にしようとするものだ。それがどれだけ実現できるかは心もとないが、大げさに言えば、地球にやさしい環境を保全したいと居直るつもりなのだ。
抜根した茶樹は、畝の間に配置して防寒・暴風・防獣対策として活用する。時がたてば、肥料にもなるという皮算用だ。これを運搬するのはけっこうな運動量でもあるが、老いた体のリハビリだと心に課している。さいわい、シカやイノシシはこれを突破するまでには至っていない。一般的には、抜根した茶樹は山に捨てに行くのが常道のようだ。
もちろん、枯れた茶樹の一部は焼き芋・焼き魚・焼肉・コーヒーなどを生み出すエネルギーとして貢献しているのは言うまでもない。月末ごろから、ブルーベリー・アジサイなどの植樹作業が始まるはずだ。