草刈りに追われてなかなかゴボウの掘り起こしが後回しにされてきた。秋晴れが続く中やっと着手となった。根が長くならない品種だけど、やはり収穫が遅かったため深く掘らなければならない。鶴嘴で根の回りを掘っていくが先端がなかなか見えない。それどころかなんども石に遭遇してしまい作業の妨害をする。
その石もでかいのが次々出てきたので鉄棒・カナテコが動員される。掘った石をテコに利用したり知恵比べだ。しかし、石同士が固まっていて鶴嘴だけでは邪魔している石を排除できない。わずかな土を移植ゴテで取りながらのんびり先へ。
そうしてやっと、石を獲りだしたがもう少しのところで本体が折れてしまった。ゴボウの中心の太さは予想どおり10cmくらいは充分あった。40cm以上は掘ったようだ。普通の長いゴボウだと1m以上の長さはある。こんなところにゴボウを植えようとする浅はかさがよぎる。
残りのゴボウを獲るため気を取り直して掘っていく。いずれにしても、ゴボウを育てるには少なくとも土壌を50m以上は均しておき石を排除しておかなければならない。川だったところが川筋が変わり現在荒れ地になったところを耕している現状なので石がごろごろしていてもイライラしてはいけない。
なんだかんだ難航しながらも汗をぐっしょりかき、60cm以上は掘っただろうか、やっと終了となる。1本掘るのに午前中いっぱいはかかってしまった。
ゴボウは縄文時代から栽培されていたらしい。食用か薬用かはわからないが、平安時代には中国から薬用として輸入された。解毒・解熱・鎮咳によいらしい。
ゴボウを食用にしているのは日本と朝鮮だけ。海外ではアザミのように咲くゴボウの花を愛でているらしい。なんでもありの中国でさえ薬用のままだ。その意味では、日本は世界に誇るゴボウの味の先進国なのである。
そういえば、外食チェーンのキンピラバーガーがうまかったのを想い出す。大好きなキンピラは坂田金時の息子の「坂田金平」がルーツらしい。植物繊維が野菜の中でトップクラスになるほど豊富で強靭だ。人形浄瑠璃や歌舞伎で人気の坂田金平は父親譲りのたぐい稀なスーパーヒーローとして有名になった。そこから丈夫で強いイメージがゴボウに昇華してキンピラゴボウと呼ばれたようだ。
和宮様の手料理にご相伴させてもらって、「たたきゴボウ」をいただく。圧力鍋で柔らかく煮てあり、酒がたっぷりで酢がポイントのレシピだ。それでついつい食べ過ぎてしまう。