「今やるしかチャンスはない」と思って、クリノキの移動を始める。というのは、このまま放置しておけば、枝が電線に引っかかるし、図体が大きくなれば後ろの植物が日陰になり育たなくなるのは時間の問題だ。前日には、大きく左右に伸び切った枝を剪定し、予定の定住場所の穴掘りをやっておく。それだけで、一日かかってしまった。
根っこを鋸で切っていくのがやはり時間がかかった。そのため、根っこについていた土がほとんど離脱してしまった。このへんが素人のやってしまうヘマでもあるが、本音としては全体の重量を減らす意味もある。オラの体力では土がついていると一人での運搬はかなりきついと予想された。なにしろ、根元の外径は30cmくらいはあったと思う。
大移動といっても10mもないので、上の段から一番下の段へとなんとか転がしながら定植成功。ここなら安心して栗拾いもできる。このクリはどうやら動物がまいたらしい実生の栗だった。となると、来年には早くても実ができるかもしれないが、移動のダメージがあるので期待値はゼロにしておこう。
栗が植わっていた場所はぽっかり穴が開いていたので、土を入れたりしたうえで、ツツジを飢えることにした。挿し木で育てた7~8本のツツジとボタンクサギ1本をその跡地に植える。
さらにその続きに、やはり挿し木で育てたボケを5本植える。うまくいけば、ツツジとボケのハーモニーが来年の春には見られるはずだ。といっても、いつものように妄想は拡大するが現実の壁にいつも打破されてしまうのがオチだ。まずは、大物の栗を移動できたことにホッとする。あとは枯れないよう特に灼熱の夏は水やりを忘れないことだ。